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業界ニュース 2019.8.18

ホンダ創業50周年記念として登場した名車「S2000」ってどんなクルマだった?

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■ホンダにとって29年ぶりとなったFRスポーツ

 ホンダ創業50周年を記念して1998年にプロトタイプが発表され、翌1999年の4月に正式に発売された2シーターオープンスポーツがホンダ「S2000」です。

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 新世代リアルオープンスポーツを全面に打ち出したホンダ「S2000」は、さまざまな新技術が開発され投入されました。オープン2シータースポーツとしながら、クローズドクーペに劣らないボディ剛性、運動性、環境適合性、そして安全性を実現することをテーマに開発されたのです。

 スポーツカーとして求められる運動性能を得るために採用されたレイアウトが、フロントミッドシップFRレイアウトです。前後重量バランスの最適化と、ステアリング操作に応じて遅れることなく旋回するハンドリング特性を獲得するため、ホンダ「S800」以来29年の空白を超えて選ばれました。

 徹底してコンパクトに設計されたエンジンは、前輪車軸の後ろに搭載されます。長いノーズは、このエンジンの完璧なフロントミッドシップ搭載のために必要だったのです。同時に燃料タンクやスペアタイヤなど重量物を後輪車軸の前に置き、ヨー慣性モーメントを低減して理想的な前後重量配分50:50を実現しました。

■S2000のためだけに設計されたエンジン

 S2000に搭載された「F20C型」エンジンは、完全にS2000だけのために設計された専用ユニットです。2リッター自然吸気DOHC・VTECエンジンの開発テーマは「アクセルの操作に遅滞することなく加速するレスポンスを持ち、一般道からサーキット走行まで楽しめる高い性能を実現する」ことでした。

 得られたアウトプットはNAエンジンのクラス水準を大きく超える、最高出力250馬力。なんとリッターあたり125馬力を達成し、低回転からレブリミットの9000回転までスムーズで伸びのあるパワーフィールの持ち主でした。

 それでいながら、当時の排出ガス規制である平成12年規制値を50%下回り、燃費は12km/リッター(10・15モード)を実現していました。専用設計のエンジンゆえ、エンジンオイルの交換もS2000専属販売店のメカニック以外、手が出せないというものでした。

 この高性能VTECユニットの特性にマッチし、爽快な加速感と軽快なシフトフィールを得るために組み合わせたトランスミッションは、これも新設計となるクロスレシオ6速MTです。

 軽量なフライホイールの採用やドライブシャフトの剛性アップで、アクセル操作に対するレスポンスは抜群で、息を呑むような加速感をもたらしました。

 また、シフトノブは振動が伝わりにくい高剛性とし、ギアボックスケースにシフトユニットを直付けするダイレクトチェンジ構造を採用、操作性の向上を図っています。

 ただ、この6速MTは、マニュアルギアボックスに慣れていない乱暴な操作では、ジャダー(振動)が発生しやすく、左足による繊細なクラッチ操作が要求されました。

■オープンボディながらクローズドボディと同等の剛性と衝突安全性を獲得

 これらメカニズムを収めたボディモノコックは、新骨格オープンボディのハイXボーンフレーム構造です。これはフロアトンネルを骨格の中心に据えた強固な構造で、オープンボディながらクローズドボディと同等の剛性と衝突安全性を獲得しました。

 オープンモデルで憂慮される横転時でも安全性を追求し、径38mmのハイテン鋼管を用いたロールバーと二重構造の鋼管を内蔵したフロントピラーで、米国規準のルーフクラッシュテストをクリアしました。

 ボディを支えるサスペンションは、レスポンスとリニアなコントロール性、安定性を獲得するために前後ともにダブルウィッシュボーン式としました。同時にコンパクト化と低重心を狙ってインホイール構造としています。

 ブレーキはフロントに16インチのベンチレーテッドディスク、リアに15インチのソリッドディスクを配し、ABSはもちろん標準で装備されました。ホイールは鍛造16インチアルミで、組み合わせたタイヤは前205/55R16、後225/50R16サイズのブリヂストン製ポテンザS-02を装着していました。

■シャープ&スリークなエクステリアデザイン

 そして完成したS2000は、ボディ寸法が全長4135mm×全幅1750mm×全高1285mm、ホイールベース2400mm、車重は1240kgと極めてコンパクトかつ軽量でした。また、エンジンをキャビン側に寄せて搭載したことで実現したスタイリングは、ロングノーズ&ショートデッキで、本格派ハイパフォーマンスカーらしいくさび型となりました。

 インテリアの造形もステアリングまわりにスイッチを集めたスポーティな設計で、メーターはデジタル式を採用。小径ステアリングとアルミ削り出しシフトノブが目に入る、専用スポーツバケットシートはタイトですが、ダイレクトでスポーツカーらしい雰囲気の運転席でした。

 多少困ったのがアルミ製シフトノブで、夏の炎天下に駐めておくと、左手が火傷しそうなほど高温になりました。このシフトノブは後のマイナーチェンジで革巻きに変更されます。

 ソフトトップは電動式で、フロントウインドウにある2箇所のロックを解除してサイドブレーキを引いていれば、スイッチ操作で幌が数秒で開閉できました。交差点の信号待ちの間にオープンに変身という芸当も可能だったのです。

■生産終了を発表するも注文は止まらず

 2001年9月には初のマイナーチェンジを受け、幌の構造を改め、不評だったアクリル製リアウインドウが熱線デフォッガー入りガラス製となりました。2005年11月の大規模マイナーチェンジでは、搭載エンジンが2.2リッターに排気量アップして換装されます。出力は250馬力から242馬力に、許容回転数は9000回転から8000回転に落ちましたが、低中速のトルクが向上しています。先述したジャダーが軽減され、型式はAP1型からAP2型に変更されました。

 2009年1月27日、ホンダから同年6月をもって生産を終了するとのアナウンスがあったものの注文が止まらず、結局2009年8月まで生産して、S2000は10年間の生涯を閉じます。

 ホンダ「S」の系譜は、1962年のプロトタイプ「S360」の発表からはじまり、「S500」、「S600」、「S800」、そしてこのS2000を経て、現在の「S660」に繋がっています。

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(くるまのニュース Peacock Blue K.K.)

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