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【国産名機10選 08】「マツダ BP-ZE」は、排気量アップでロードスターに余裕を生んだ

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【国産名機10選 08】「マツダ BP-ZE」は、排気量アップでロードスターに余裕を生んだ

クルマに「名車」と呼ばれるモデルが存在するように、エンジンにも「名機」と呼ばれる優れたものがある。ここでは、1960年代から90年代の国産スポーティFR車に搭載された、そうしたハイパフォーマンスなエンジン10基を紹介していきたい。

マツダ BP-ZEエンジン:1993年登場
1993年7月の商品改良で、ロードスター(初代)はNA6CE型からNA8C型に進化し、エンジンを1.6LのB6型から1.8LのBP-ZE型に換装した。

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BP-ZE型は、1991年に登場したBG8S型ファミリアGT用のBP型をベースに開発されたもので、最大の違いはFF用横置き搭載をFR用縦置き搭載に変更したことだ。

これに伴い、吸排気系が全面新設計されているが、エンジンの基本構成は変わらない。下部にメインベアリングサポートプレートを組み込んで剛性を高めたハーフスカート型鋳鉄ブロックに、気筒あたり吸気33mmφ×2/排気28mmφ×2の4バルブを挟角50度でセットしたペントルーフ燃焼室を持つアルミ製DOHCヘッドを架装したものだ。

ロードスター専用のチューンとしては、高速型カムシャフト(バルブタイミング)や軽量コンロッドの採用、サージタンクとインテークマニホールドを1.8Lに合わせて最適チューニングした吸気系、マニホールドからテールパイプまですべてステンレスパイプとした排気系などで、レッドゾーンまで一気に吹け上がる高回転特性を狙っている。

加えて、エアフロメーターを従来のベーンタイプから吸入空気抵抗が小さく応答性に優れたホットワイヤータイプに変更。スロットル操作に対するレスポンスの大幅向上を実現した。

1995年8月の商品改良で、ロードスターは1800シリーズ2に進化する。CPUを8ビットから16ビットにグレードアップ。電子制御ロジックをよりきめ細かくすることで高回転域での空燃費を最適化し、約3psの実質的出力アップを果たす。

同時にイナーシャを約16%低減した軽量フライホイールを組み合わせることでスロットルレスポンスと回転の伸びを大幅に向上させ、瞬発力が鈍いと言われたNA8Cのネガ要因を解消している。

1998年1月のフルモデルチェンジでロードスターは2代目のNB8C型になる。BP-ZEは吸気ポート径を37から39mmに拡大したストレートポート、高速カムタイミング、ノックコントロールシステム、4-2デュアル排気システムを新採用し、圧縮比を9.0から9.5に上げて+15psとなる145psまでチューンされる。同時に3000rpm以下の低回転域トルクも従来比3%向上させ、切れの良いスロットルレスポンスを実現した。

また、インテークマニホールドのセカンダリーポートをシャッターバルブで開閉して、吸気管長を5250rpmで切り替え、低中速トルクを増大しながら7500rpmのレッドゾーンまでストレスなく伸びるパワーフィールを実現した可変慣性吸気システムの新採用もトピックだった。

さらに2000年のマイナーチェンジでエンジンの負荷と回転に応じて吸気バルブの開閉タイミングを連続的に最適化する電子制御可変バルブタイミング機構S-VTが搭載され、最高出力は160psに到達した。

エンジン型式名もBP-ZEからBP-VEに変更された。これが2005年に3代目のNC型にバトンタッチするまで、ロードスターの最強エンジンとして君臨することになるのだ。

マツダ BP-ZEエンジン 主要諸元
●型式:BP-ZE
●主要搭載車種:NA8C型ロードスター
●発表年月:1993年7月
●配置・気筒数:水冷直列4気筒・縦置き
●バルブ駆動機構:DOHC・ベルト
●気筒あたりバルブ数:4(吸気2/排気2)
●過給器:なし
●燃焼室形状:ペントルーフ
●総排気量:1839cc
●ボア×ストローク:83.0×85.0mm
●圧縮比:9.0
●最高出力:130ps/6500rpm(ネット)
●最大トルク:16.0kgm/4500rpm
●燃料供給装置:EGI(電子制御燃料噴射)
●燃料・タンク容量:レギュラー・48L
●燃費:12.4km/L(10・15モード:5速MT)

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