ブランドの枠を超えてワールドワイドで益々活況を呈するSUVマーケット。この連載企画では、国産・輸入車を問わずSUVの「今」を感じられるモデルを順次紹介していく。今回紹介するのは「ベントレー ベンテイガ」だ。
カイエンと共用のV8のパワートレイン
ベントレー史上初のSUVとなるベンテイガは、2015年のフランクフルトショーで世界初公開された。同じフォルクスワーゲングループのポルシェ カイエンよりひと回り大きいボディに、608psを発生する6L W12ツインターボエンジンを搭載して、0→100km/h加速4.1秒の動力性能を公称したことは記憶に新しい。
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そして2018年に、よりアグレッシブな走りを求める人に向け投入されたのが、550psの4L V8ツインターボエンジンを搭載したV8だ。
Vバンクの内側に2基のターボチャージャーを搭載するV8ツインターボエンジンは、550ps/6000rpmの最高出力と、1960rpmから4500rpmまで維持される770Nmの最大トルクを発生。2480kgの重量級ボディを0→100km/h加速4.5秒、最高速度290km/hに到達させると公表している。同時にアイドリングストップ機能や、低負荷時に4気筒を休止させる可変シリンダーシステムの採用、直噴とポート噴射を併用したデュアルインジェクションシステムの搭載など、省燃費性能への対応も抜かりない。
ベンテイガはエンジンを含めたパワートレインをポルシェカイエンと共用するが、ZF製8速ATや、前40対後60のトルク配分を持つ4WDシステムなどの機構は同じでも、良い道具感を超えた威容を備えるのは、ベントレーの歴史の重みだろう。
新車オーダー時に内外装の色や素材、装備が選べる、ビスポークオーダーシステムで世界に1台だけの車両を作れるのも、ベンテイガを購入する動機のひとつになるに違いない。
ベントレーならではの重厚な内外装
内外装は、フロントグリルの上に配されたベントレーウイング・エンブレムやアルファベットのBを模したテールランプデザイン、ダブルウイングと呼ぶベントレーウイング・エンブレムをベースにデザインしたインパネの採用などで、SUVの形をしていてもベンテイガがベントレーファミリーの一員であることを主張する。
正面のメーターは6800rpmからレッドゾーンの回転計と320km/hスケールの速度計の2眼式で、センターコンソールには、60GBのハードディスクドライブを内蔵したインフォテインメントシステム用8インチタッチスクリーン式ディスプレイもセットされている。ベントレーならではの上質なシートは匠の手作業による最上級のレザー張りで、基本の5座のほか、オプションで後席を独立2座とした仕様も選択可能だ。
機能面では可変レシオの電動パワーステアリングやコンフォート/スポーツ/カスタム/ベントレーの4モードが選べるドライブダイナミクスモードが搭載され、機敏なSUVの走りをバックアップしている。さらにV8は、W12よりエンジン単体で約50kg軽く、アグレッシブな走りに応える運動性能を持つことで、W12搭載車と並ぶ「もうひとつの選択肢」となったと言えるだろう。
■ベントレー ベンテイガV8 主要諸元
●全長×全幅×全高=5150×1995×1755mm
●ホイールベース=2995mm
●車両重量=2480kg
●エンジン=V8DOHCツインターボ
●排気量=3996cc
●最高出力=550ps/6000rpm
●最大トルク=770Nm/1960-4500rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=8速AT
●車両価格(税込)=2004万4800円
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