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業界ニュース 2019.8.13

欲張りな人向けの万能4ドアGT ──メルセデスAMG GT 4ドア クーペ 63S 4マティック+試乗記

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「メルセデスAMG GT 4ドア クーペ 63S 4マティック+」は、最高出力639ps、0~100km/h3.2秒、最高速度315km/hという超高性能を誇る4ドアクーペである。性能はもう掛け値なしにモノスゴイ。4ドアクーペを名乗っているけれど、ちゃんと大人5人が乗れて、リアゲートを備えている。ラゲッジにはゴルフバッグがふたつは入る。リアシートを倒せば、当然2人乗りになるけれど、ゴルフバッグはもっと入る。

【主要諸元(63S 4マティック+)】全長×全幅×全高:5054mm×1953mm×1447mm、ホイールベース:2951mm、車両重量:-kg、乗車定員:5名、エンジン:3982ccV型8気筒DOHCツインターボ(639ps/5500~6500rpm、900Nm/2500~4500rpm)、トランスミッション:9AT、駆動方式:4WD、タイヤサイズ:フロント265/40R20、リア295/35R20、価格:2353万円(OP含まず)。H.Mochizukiプレスリリースには、「日常を究極へ」とある。“Life is a Race(人生はレースだ)”なんて動画もYouTubeにはある。家を出たら、そこはサーキット。カッコいい!

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もっとも筆者がこういうものをちゃんと見たのは原稿を執筆する段階になってからで、実際の試乗時はよくわかっていなかった。“メルセデスAMG独自開発”、という文言しか読んでなかったので、「あのAMG GTの4ドアだ」と、私は思い込んでいた。アルミスペース・フレームのフロント・ミドにV型8気筒エンジンを搭載するトランスアクスルのロング・ホイールベース版であると信じていた。そんなのつくるわけない、ともいえないのは、アストン・マーティン「ラピード」という先例がある。日産「GT-R」とかポルシェ「911」の4ドアはメーカーが手を出さないのに、AMGはエライ!

ボディは全長×全幅×全高:5054mm×1953mm×1447mm。H.Mochizuki大型テールゲート(電動開閉式)を備える。実車を初めて見た私は、まずもって鮮烈なボディ・カラーに驚嘆した。「ブリリアントブルーマグノ(マット)」という名称が示すごとく、鮮やかなブルーなのにつや消しなのだ。これは新しい。ただ、外見はどこかで見た記憶がある。着座してようやく気づいた。これは「CLS」だ!

メルセデスAMG GT 4ドア クーペ 63S 4マティック+のタイヤサイズはフロントが265/40R20、リアが295/35R20。なおブレーキは、カーボンセラミックタイプだ。そう。ご存じのかたはとっくにご存じのように、メルセデスAMG GT 4ドアクーペはCLSのプラットフォームを流用している。がーん。ということはつまり、その正体は「Eクラス」ということである。がーん。だからといって、こういうことは自動車産業においてごく普通のことである。

ステアリング・スポークには、オーディオコントローラーや運転支援系スウィッチのほか、「AMG DYNAMIC SELECT」の切り替えスウィッチ(ダイヤル式)も備わる。H.MochizukiCLSとおなじといっても、初めてみるモノが多々ある。たとえば、ステアリングの右側のスポークには「AMG DYNAMIC SELECT」なるドライブモードを切り替えるスイッチ、左側には排気音やサスペンション、ギアボックスのマニュアル・モード等を切り替えるスイッチが付いている。センターコンソールもAMG独自のモダンなデザインが採用されている。

インテリア・デザインはプラットフォームを共用するCLSやEクラスとは異なる。ダッシュボードのENGINEのスタートボタンを押した途端、ガオッとフロントのV型8気筒ツインターボ・エンジンが目覚めると同時に吼える。現行 63シリーズ共通のV8のなかでも最強のユニットである。前述したように最高出力639psを5500~6500rpmで、最大トルク900Nmを2500~4500rpmで発揮する。排気量3982ccで、ボア83.0×ストローク92.0mmのロング・ストローグ型。ツインスクロールのターボチャージャーをふたつ備えている。音質は往時の6.2リッター自然吸気とそっくりで、野太くワイルドで、低音のビートがドスンと身体に響く。

メルセデスAMG GT 4ドア クーペ 63S 4マティック+が搭載するエンジンは3982ccV型8気筒DOHCツインターボ(639ps/5500~6500rpm、900Nm/2500~4500rpm)。車重は2170kgもあるというのに、900Nmという膨大なトルクでもって軽々と走り出す。なお、メルセデスAMG GT 4ドアクーペは数値上、ものすごくでっかいクルマである。全長は5mを超え、全幅は1950mmと2mに迫り、全高は1440mmある。プラットフォームを共有するCLSより、じつはほんのちょっぴり背が高いのは実用性を慮っているからだろう。ちなみに、プラットフォーム共有といっても、メルセデスAMG GT 4ドアクーペのホイールベースは2951mm、CLSはEクラスと共通の2940mmで、これまたほんのちょっぴり異なる。

メルセデスAMG GT 4ドア クーペ 63S 4マティック+の静止状態から100km/hまでに要する時間はわずか3.2秒。H.Mochizukiリアゲートを持つメルセデスAMG GT 4ドアクーペは荷室のフロアにCFRP(カーボン・コンポジット)が使われているほか、シャシーの開発に際してモータースポーツのシミュレーションの手法が採用され、補強が適所に施されているという。その成果だろう、開口部が大きくなると剛性が落ちるものだけれど、リアゲートのハンディを微塵も感じせない。ようするにボディ剛性はものすごくしっかりしている。もしかしてその剛性感がある種、神聖な空間をつくりだしている、と感じるほどに。

ラゲッジルームの通常容量は461リッター。リアシートのバックレストをすべて格納すると1324リッターまで拡大する。ラゲッジルームのフロア下には小物入れ用のスペースがある。サイズに似合わない俊敏さを備えているのは、4WSを備えていることもある。「AMGリア・アクスルステアリング」と呼ぶ4WSシステムは、100km/h以下だと、前輪とは逆相に最大1.3度、それ以上だと、同相に最大0.5度、電動アクチュエーターが自動的に操舵する。

メルセデスAMG GT 4ドア クーペ 63S 4マティック+は、「AMGリア・アクスルステアリング」と呼ぶ4WSシステムを搭載する。H.Mochizukiははあ、と感じるのはパーキング・スピード時よりも、100km/h以下の中低速コーナーで切りましたときだ。長尺物がクイクイッと中に入っていく感がある。

可変式のリアスポイラーを搭載。高速走行時、安定性を高め、かつ空気抵抗を低減するという。H.Mochizuki乗り心地はエアサスペンションであるのが信じられないほど硬い。このエアサスはマルチチャンバーを備えていて、コーナリング時やブレーキング時、瞬時に硬いスプリングレートに切り替えると説明されている。そうやって、ボディをフラットに保つわけである。

フィーリングで申しあげると、その切り替え幅が狭い。もともとそれほどロールしないことを前提にした硬さなのだ。

もっとも、この硬さはスポーツで鍛えられた筋肉のように、引き締まって硬いものなので、むしろ憧れのような硬さに思われて、ちっとも不快ではない。たとえば、プロレスラーの飯伏幸太の腹筋みたいな……(もちろん触ったことないけど)。

搭載するトランスミッションは9AT。H.Mochizukiフルデジタルのメーターパネルは、AMG専用デザイン。H.Mochizukiタイヤ・サイズは前265/40、後ろ295/35という超扁平のZR20である。扁平率だけでいうと、プラットフォームを共用する「E63S 4MATIC+」は前265/35、後ろ295/30という薄さで、だけど筆者の記憶ではこちらのほうが乗り心地はファームなのではあるまいか。でもって、E63Sでは箱根方面に行かなかったというのもあるけれど、スポーツカー度合いはメルセデスAMG GT 4ドアクーペのほうが断然上に思われた。

シート表皮はレザー。ヘッドレストにはメルセデスAMGのロゴが刻まれる。リアシートは3人がけ。センターアームレストも備わる。ブルメスターのハイエンド3Dオーディオシステムは59万円のオプション。H.Mochizukiいちばんの魅力は4.0リッターV8ツインターボ・エンジンである。これが豪快にAMGサウンドをデデデデッと発する。ときにアクセルオフで、バラバラッとレーシングカーみたいな快音を奏でる。

4WSのおかげもあって、こんなに長大かつ重たいクルマが、なんのためらいもなく曲がっていく。コーナリングは前後のトルク配分を50:50から0:100の範囲で自動的に切り替える電子制御4WDのおかげで、きわめて安定していて、めまいがするほど速い。トルクコンバーターではなくて、湿式多板クラッチを使ったメルセデス独自の9速電子制御オートマチックは、AMG独自のチューニングによって、ときにダブルクラッチ風のマナーを披露し、ブリッピングを入れてシフトダウンする。

AMG GT 4ドアクーペの駆動方式はすべて4WD。H.Mochizukiこれはフロント・エンジンのスーパーカー、フェラーリやアストン・マーティンの世界に踏み込んだ、メルセデスAMG GTのまさに4ドアなのだ。テクノロジーが可能にした、欲張りなかたのための万能GT。もし実用面での難癖をつけるのであれば、リアゲートがフロアから開かない、ということがあるだろう。これでは24本入りビールケースの出し入れが重たい、と。そういうかたはメルセデスAMG E63S 4MATIC+をお求めになってみてはいかがでしょう。

4.0リッターV型8気筒ツインターボ・エンジンのほか、3.0リッター直列6気筒ターボ・エンジンも選べる。H.MochizukiAMG GT 4ドアクーペの日本仕様は、念のため、3.0リッター直列6気筒ターボ・エンジン搭載モデルが2種、4.0リッターV8モデルが今回試乗した1種の計3モデル構成だ。ちょっと心配なのはCLSを駆逐せぬかということだけれど、Life is a Raceである。おそろしいヤツが現れた。

文・今尾直樹 写真・望月浩彦

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(GQ JAPAN 今尾直樹)

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