南国タイのモータリゼーションは多様性をもって発展を続けている
東南アジアのタイは「東洋のデトロイト」と呼ばれるほど自動車産業が発展している国です。筆者は縁があり、2018年はタイに4回ほど渡航しました。すでに20回以上は渡泰したなかで、見聞きし感じたことをお伝えします。
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観光客にもっとも利用されるタクシーはどんな感じか
タイでのタクシーはほとんどがカローラです。プリウスなどの車種もあるようですが、なかなか出会うことはできません。日本ではタクシーもすっかりATとなってしまっていますが、タイのタクシーは昔ながらのMTばかりです(もちろんプリウスならばATのはずです)。料金はメーター制が基本ですが、なかには「どこまでなら何バーツ?」とふっかけてくる場合もあります。こうした場合はだいたいメーターで行くよりも高い金額です。
初乗り料金は35バーツなのでだいたい100円くらいです。空港から市内まで乗って1時間くらいかかりますが料金は300バーツ程度(別途高速料金が100バーツ弱)ですから、1000円(高速道路が300円程度)くらいと日本人旅行者にはかなり、リーズナブルなものです。こんなにリーズナブルなタクシーは日本と同様にLPGを燃料にしています。しかしLPGも以前ほどは安くなく、大量のLPGタンクを積んでいたトレーラーでも数が減ってきていますので、タクシー料金も値上がる可能性が大きくなっています。
日本車との大きな違いはタクシーをはじめベーシックなクルマにはエアコンは装備されずクーラーのみとなります。エアコンというのは冷気と暖機(つまりヒーター)を混合して、任意の温度の空気を作り出す装置で、タイなどの東南アジアではヒーター機能は必要ないので、冷気の量だけが調整できるようになっています。
タクシー以外の公共交通は?
タクシー以外にもバスをはじめとした公共交通は種類が豊富です。バスはエアコン付きのものと、エアコンなしのものがあり、当然エアコンなしのものがリーズナブルです。日本の路線バスのように料金箱はなく、車掌さんが乗っています。乗車すると車掌さんがやってきて、行き先を告げて料金を払い切符(どちらかという切手という雰囲気です)をもらうシステムです。
バスだけでなく、バンコクで重要な交通手段となっているのがトゥクトゥクです。トゥクトゥクは前1輪、後2輪の3輪タクシーで2サイクルエンジンを積んでいるのが通常です。現地の人はリーズナブルな価格で利用していますが、外国人は高い料金を払うことが多いようです。また、バイクタイクシーというものも存在します。その名の通り、バイクの後ろに乗るものですが、2人乗りだけでなく、3人で乗ったり、4人で乗ったり……とかなり自由です。
トラックを改造して荷台に人が乗れるようにしたソンテウという乗り物もあります。バンコク市内ではほとんど見かけないのですが、ちょっと郊外や地方に行くと多く走っています。ソンテウは循環運転しているものが多いのですが、チャーターする事も可能です。
水路を使った交通網とパーク&ライド
バンコクの中心部には南北にチャオプラヤー川という大きな川が流れています。バンコクではこの川を使った交通網が発展。乗り合いボートが数多く運航されています。2011年には大雨で洪水となったのですが、滅多に氾濫はしないので安定した交通網となっています。
また、バンコク市内にはBTSと呼ばれる高架鉄道と地下鉄が存在します。まだまだ郊外への延長が済んでいないので、比較的外側の駅に駐車場が設けられ、パーク&ライド(郊外から周縁部までクルマで移動し、その後鉄道を使うシステム)もできるようになっています。
さまざまな交通手段が選べるようになっているタイは、実験的ではありますが日本よりも進んでいる部分を感じることもできます。
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