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風間深志×CRF450L vol.2 「“じゃじゃ馬ぶり”は僕たちのような平均的な中級ライダーには十二分な好感度だったよ」

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風間深志×CRF450L vol.2 「“じゃじゃ馬ぶり”は僕たちのような平均的な中級ライダーには十二分な好感度だったよ」

昨年、開基150年を迎えた北海道。この地は、1970年代まで、特に道東地区はどこもかしこも砂利道ばかり、まさに道内全体がさながらオフロード天国だった。100kmを超える林道がそこら中にあったのだ。近年は舗装化が進み、林道もめっきりと少なくなったが、残存する林道の数はまだまだ本州の比ではない。

連載vol.1はこちらからどうぞ!

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いざ、心踊る北海道の林道へ
林道の入り口に立つと、「よし、いよいよだな!」と、少しの緊張感となんかとても嬉しい気分とが入り混じって、“弱”戦闘モードで林道に入って行く。

さてさて。「美深」のゲートから林道に進入したCRF450Lと私である。同行の仲間は、先述の「Nouthern1000Rally」に出場し、選択ルートに林道を志願した11名の精鋭たち。マシンはCRF1000Lアフリカツイン、CRF250L、セロー225、GS1200、TT250Rなど様々。

久しぶりの北海道に心が踊った。ダートの入り口から1速→2速→3速…と、モトクロスばりのシフト
UPで大地を蹴ったのだったが、デジタル表示のスピードメーターは3速ですでに60km/hをオーバー! 「おいおい、ちょっと気合い入れ過ぎじゃないのか?」と自戒の心が生まれた。誰しも最初は必ず気持ちが逸るのだ。「ここは冷静に、冷静に、このままじゃそのうち必ずぶっ飛んじまう!」と、次の4速はハーフスロットルで流した。

CRF450Lのエクゾーストサウンドは大自然の中を走るに相応しい静けさと軽快さ(その中にある何とも頼り甲斐のある低トルク音も手伝って)で好感度はMAX(10/10点)。

やがて前方に緩やかに登る左コーナーが迫って来る。コーナーに進入しつつ3速へシフトダウン。バイクを寝かし、ハーフスロットルからリアタイヤのグリップを感じながらの、微妙なアクセルワークで(リアタイヤを外側へパワーを吐き出すような感覚で)左コーナーを格好よくクリアする。そして再び、今度は右コーナー、同じ感覚で右コーナーもクリア。続くストレート。そしてまた左、右、ストレート。

道は緩やかに下って川へ。10m程の橋桁のないコンクリートの橋を渡る。渡りながら、多分、この川でフライを振ったら、きっと沢山のオショロコマ(蝦夷イワナ)が「入れ食い」状態なのだろう、と後ろ髪を引かれる気分で走り去った。

これも一つの北海道の林道の魅力だろう。沿道は北海道名物の大きなフキの葉のストリートである。

低~中速域が扱いやすい。林道ではほぼ満点のCRF450L
「ザッ、ザッ、ザッ」と、フロントタイヤが路面の石をリズミカルに、小気味好く踏みしめる音。マシンがこんな感じで軽快に走る感覚の時は、快調に“乗れている”時だ。

CRF450Lのハンドリング・フィーリングは極めてニュートラルで落ち着いていた。例えば石が浮いていてガレたコーナーでも、一見パニックになりそうな泥濘のコーナーでも、黙って、静かに落ち着いてコーナーリングが可能なのだった。ハンドリングの好感度は高い(10/10点)。

次に、走りのパワー&トルクの感覚は、一体どうだったのだろう? 何といってもこのマシン、母体(というより実の正体)は現行モトクロッサーとしての最先端ハイメカニズムと最新のパフォーマンスを誇る“フラッグシップマシン”CRF450Rの直系モデルなのだから、その性能は言うに及ばず「最高水準」のものである。

CRF450Rの最大出力が41.5kw/9000rpmで、最大トルクが50.7Nm/6500rpmであるのに対して、CRF450Lは最大出力は18kw/7500rpmで、最大トルクは32Nm/3500rpmと言う数値で示すように、CRF450Lのエンジン特性はストリートユースにしっかりとモディファイされ、僕たちの普段走る一般道(そして林道=クロスカントリーロード)には、とても走りやすいようにセッティングされたものとなっている。

すなわち、先述のコーナリング中の低~中速域への立ち上がりはなんともスムーズなもので、現代オフロード車の進化の様に目を見張ったほど(レベル10)。そして、(多分、苦手と予想した)広々とした草原や広場でトライアル車よろしく、低回転域でのんびりとトコトコと走る低速走行も、全く問題なし。ただし多少のクラッチ操作は時として必要だった(レベル9)。モトクロッサーのようなレーシングマシンにはこんな走行は出来ない。

もちろん、それとは対照的なモトクロスさながらの”ギンギンな走り”は「CRF」の最も得意とするところだから、決して期待を裏切ることはない。が、この辺りの味付けも「450L」の肝! 初~中級者向けの安全セッティングとなっていて、よりアグレッシブな走りを好むライダーには少々のもたつき感?が印象として残るのかも知れない。

然るに、”じゃじゃ馬走り”は僕たちのような平均的な中級ライダーには十二分な好感度でレベルは
10だが、より戦闘的上級者にはレベル8~9かも知れない(但し、セッティングで如何様にもなる)。

そんな北海道の”皆んなで走れば怖くない”楽しい楽しい林道走行は、「函岳」への分岐となる「加須美峠」を越え、玉砂利ザクザクの手強いつづら折れを抜けると、これぞ北海道! と言った真一文字のフラットなダート道となって「歌登」まで62km。仲間たちと共に一人の転倒者も出さずに無事に走り切り、ついに青々と広がるオホーツクの海に出た。

vol.3に続く!

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