シーメンスは7月23日、マツダが次世代車載電装システム設計において最大限のイノベーションを発揮する支援とすべく、メンター、シーメンス・ビジネスのCapital電装設計ソフトウェアスイートを採用したことを発表した。
革新的な技術を次々と打ち出すことで世界に認知されているマツダは、車両プラットフォーム全体の電気/電子(E/E)システムのモデルベースジェネラティブ設計にCapitalを使用している。Capitalの自動生成型ジェネラティブ設計フローは、マツダの車両設計チームによる車両プラットフォーム全体にわたっての設計複雑性への対応と変更管理を支援し、ミスを最小限に抑えつつコストを削減する。
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自動車業界が電動パワートレインや自動運転に代表される大規模なシステム開発に舵を切るなか、安全で効率的な電気デザインの開発が重要なタスクとなっている。それに対応した自動車の電装設計は全く新しいアーキテクチャに基づいており、極めて複雑なため、その複雑な設計に対応するには最先端ソフトウェアツールが必要とされる。Capitalは、コストや重量、ネットワーク帯域幅の使用率などターゲットとするメトリクス(基準)に対するフィードバックをリアルタイムで提示。この機能により、エンジニアは幾通りもの設計アプローチを検討できるようになり、これは電気自動車や自動運転車両に代表される大規模なシステム開発にとって特に大きな意味を持つ。Capitalソフトウェアは、さまざまなシミュレーション機能や検証機能も提供する。
これまでマツダのエレキ開発は、 システム設計からハーネス設計、検証、さらにはモノづくりやサービス資料作成まで、各工程のoutputが自然言語で生成され、工程間の翻訳、穴埋めを設計者のスキルで繋いできた。マツダ、主幹研究員、藤阪和市氏は、「マツダでは、自然言語の良さであった表現の多様性は維持しつつも自然言語が苦手としていた曖昧性を排除するべく 、形式手法を適用して情報伝達におけるロスをなくし、最後のモノづくりまで一気通貫の開発環境を構築することを目指すと同時に、開発の早い段階で全バリエーションを見越して車1台視点で最も無駄がないように全体最適化する開発手法へのシフトを目指しました。これらを実現するには、車1台の回路を一括で『見える化』して机上で開発できる開発環境が必要です。その手段として、言語、ツール、プロセスを全社で妥協せず共通化し、モデル化に取り組みました。メンターのCapitalテクノロジーはその環境を下支えし、マツダのエレキ開発の効率化が実現されました」と述べている。
Siemens Digital Industries Software のIntegrated Electrical Systems、シニアバイスプレジデントであるMartin O’Brien氏は「マツダは、その長いイノベーションの歴史が示すように『一見不可能なチャレンジに果敢に挑み続けた者が、イノベーションを牽引する』という事実を明確に意識しています。Capitalの長年の顧客であるマツダは、電気から電子、ネットワーク、組込みソフトウェアドメインにまで及ぶプラットフォームレベルのアーキテクチャ最適化などの新機能を早期から導入してきました。日本の自動車OEMによるCapital採用が進むなか、マツダは、顧客を第一に考えるという観点からCapitalの洗練された機能を長年活用してきた先見の明ある早期導入企業として、その存在感を強めています」と述べている。
なお、マツダはCapital電装設計ソフトウェアスイートの他に、エンタープライズ・コラボレーション向けにシーメンスのNXとTeamcenterも使用している。
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