「インスタ映えするカッコいいクルマの写真が撮れた!」、そんな会心の1枚が撮れたら、さっそくみんなに見てもらいたいものです。いざ、アップロードする際に、よく見るとナンバープレートが鮮明に写り込んでいました。
クルマのナンバープレートはモザイクなどの加工をしないままでも公開していいのでしょうか。
ナンバープレートの情報だけでは個人情報はわからないが、公の場では隠すことで不用意なトラブルを防ぐことができる クルマの写真をウェブやSNSに公開するとき、ナンバープレートを消した方が良いのか気になるものです。ナンバープレートに表記される漢字や英数字は、クルマ一台にそれぞれ割り振られたもので、そのナンバーをつけたクルマは世界に1台しかありません。
そのような情報を不特定多数が見られる環境で公開してもいいのでしょうか。実際に、ナンバープレートにボカシを入れた写真は、ネット上でよく見かけます。
ナンバープレートを隠す理由としてよくいわれるのは「ナンバーから個人が特定されるから」というものです。しかし実際には、ナンバープレートの情報だけではクルマの所有者情報はわかりません。では、なぜ個人情報が流出するという噂が出たのでしょうか。
実際に2007年までは、ナンバープレートの情報があれば、請求者情報などと合わせて「登録事項等証明書」を請求することができました。しかし、個人情報保護の観点やストーカー行為といった犯罪防止などに考慮し、2007年11月に請求方法が変更され、以前よりも請求事由のチェックが厳しくなっています。
クルマ(登録車)の登録情報を管理している、自動車検査登録事務所(旧称:陸運局)は次のように話します。
「クルマの所有者情報などが書かれた『登録事項等証明書』の請求には、ナンバープレートの情報(自動車登録番号)のほかに、車台番号(下7桁)が必要です。
これらの番号に加え、請求者の住所氏名、請求者本人が確認できるもの、請求事由、手数料印紙と合わせた申請手続きが必要です。なお、手続き自体は、最寄りの陸運支局か自動車検査登録事務所の窓口でできます」
※ ※ ※
クルマの所有者情報を申請するには、ナンバープレート情報のほかにも「車台番号」が必要です。車台番号は、車検証またはエンジンルーム内に刻印されたものを確認するほかなく、基本的には所有者しか見られません。
写真に写り込んだナンバープレートの情報をだけでは申請できないほか、車種名から調べるといったこともできないことになります。
また、軽自動車の場合では、軽自動車検査協会で「検査記録事項等証明書」を申請することになりますが、ナンバープレート情報や車体番号のほかにも、クルマの所有者の氏名や住所を記入する必要があるため、申請条件は登録車と比べてより厳しいものになっています。 そもそもクルマの所有者情報を、なぜ所有者以外にも開示できるのでしょうか。「登録事項等証明書」は、クルマの所有権を公証する書類です。クルマの売買や保険の適用などの確認に使用されるケースがあり、要件を満たせば第三者でも開示請求できます。
また、私有地内の放置車両の所有者を知りたいといったケースもあります。放置車両の場合は、車台番号なしでも申請できますが、放置車両についての資料提出が別途必要です。
ナンバープレート情報は、個人情報に当たらない?でも注意すべき点も! 現在では、ナンバープレート情報だけで個人を特定することは容易ではありません。日本自動車整備振興会連合会のホームページによると、「自動車のナンバープレート情報は個人情報にあたらない」といいます。
個人情報とは「特定の個人を識別できたり、ほかの情報と照合することで個人を識別できるもの」であり、「自動車登録番号だけでは個人を識別することはできない」というのがその理由です。
過去方法にはナンバープレートの一部分だけを消す方法も! 個人情報にあたらないとはいえ、ナンバープレートからは大まかな登録地がわかるほか、ナンバープレート情報に問題なかったとしても、不用意なトラブルを避けるためにはネット上のマナーとして、ナンバープレートは隠した方がよいでしょう。
例えば、個人が特定できる顔が一緒に写り込んでいる場合は注意が必要です。本人の許諾なしに勝手に公開することはやめましょう。肖像権やプライバシー権の侵害にあたる可能性があります。
また、デジカメやスマホで撮った写真データには、撮影日時やカメラの設定などを記録したExif(イグジフ)情報が自動的に付与されています。GPSを積んだ機種の場合、詳細な位置情報が記録されるため、注意が必要です。
大手のSNSでは、位置情報を含むExifデータを自動で削除するサービスも多いですが、念の為に確認した方がよいでしょう。Exif情報はパソコンで編集や削除できます。
近年では、誰もが手軽に写真をネットに公開することができるようになりましたが、気付かずにトラブルに巻き込まれることもあり、あらゆる面で細心の注意が必要です。
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