スペアタイヤを載せないクルマが増えている?
かつて、クルマには標準装着と同じサイズのタイヤがスペアタイヤとして搭載されていました。今はスペアタイヤを積んでいても幅が狭いテンパータイヤであることがほとんどです。また、車種によってはスペアタイヤは搭載せずに応急パンク修理剤を搭載しているクルマもあります。さらにランフラットタイヤの場合は、パンク修理剤を積んでいないことが通常です。
なぜスペアタイヤは消えたのか?
スペアタイヤを採用しなくなった理由はさまざまですが、大きな理由は2つあると言われています。ひとつは重量の低減です。スペアタイヤ1本で10kg程度と言われていますので、これをパンク修理剤&エアコンプレッサーに変えればかなりの重量減になります。もうひとつはユーティリティスペースの拡大です。ラゲッジルームから無くせばユーティリティスペースはかなり広げることができます。
また、パンクの確率が減りスペアタイヤが使われることが少なくなったことで、新品のまま廃棄されるスペアタイヤが増えたことも理由になっていると言われます。以前はミカン箱やパレットに釘が使われていたことで、その釘が抜けてパンクを起こすクルマが多かったのですが、今はミカン箱は段ボールになり、パレットは樹脂製になりました。このためパンクはかなり減っているというのです。
ランフラットタイヤの普及もスペアタイヤ未登載への影響があります。ランフラットタイヤは、パンク状態になりタイヤから空気が抜けてもタイヤの構造だけである程度の距離を走れるようにしたものです。ドイツのアウトバーンなどでタイヤ交換をする危険性の排除などが目的だったのですが、日本でも採用が少しずつ増えてきています。
ロードサービスを依頼するしかないパンク
パンクと一言で言ってもどのようなパンクなのか? によってその対処方法は異なります。たとえば、サイドウォールに何かが刺さってしまったり、サイドウォールが裂けるようなパンクの場合はパンク修理剤は役に立ちませんので、こうした場合はロードサービスに頼るしかありません。ゆっくりと空気が抜けたパンクでも、抜けたままの状態で走り続けてしまったような場合も基本的にはロードサービスを呼んだようが安心です。
パンクしたら即パンク修理剤か?
タイヤのトレッド面に釘や異物が刺さっているのを確認したら、そこに石けん水をつけてみましょう。なにもなければ唾液でもいいでしょう。空気が漏れていればそれで確認できます。空気が漏れていないようなら、マイナスドライバーやプライヤーで異物を取り除きます。もう一度石けん水をつけて空気が漏れていないことを確認しましょう。漏れていなければ基本的には問題ありません。
もしエアが漏れているようでもタイヤがつぶれていなければ、ゆっくり走ってガソリンスタンドやタイヤショップまで移動しパンク修理を依頼しましょう。エアコンプレッサーを搭載していたなら、エアを入れてあげればさらに安心です。少しの漏れではパンク修理剤は使わないほうがいいのです。
多くのパンク修理剤は使ってしまうと、パッチやスティックによるパンク修理が行えなくなります。なかにはパンク修理剤を洗浄すれば通常のパンク修理を行えるタイプもありますが、それでも手間が増えます。まずはパンク修理剤を使わない方法を考えたほうが経済的です。パンク修理剤を使ったタイヤは基本的には交換することになります。
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