「もっといいクルマづくり」を標榜するトヨタGAZOO レーシングが発足直後から手掛けているのが、市販車をベースとした究極のスポーツカスタマイズカー=GRMN。その先駆けとなったのが、実はマイクロカーの「iQ」だった。
GAZOO Racing初のコンプリートカーはiQベース
2007年のトヨタGAZOOレーシングプロジェクト発足直後から企画が立ち上がり、2008年に開発が始まったiQベースのコンプリートカーが「iQ “GAZOO Racing tuned by MN”」。翌2009年8月に100台限定で受注開始したものの、11月13日の発売日にはすでに完売していたという伝説のコンプリートカーだった。
運転免許証番号、12桁の意味。最後の一桁であれがわかっちゃう!
専用チューニングが施された30mmローダウンのサスペンション、ベースモデルの国内仕様にはラインアップされていなかった6速MT、リアのディスクブレーキなどを装備。さらに専用デザインの前後バンパースポイラーやサイドマッドガードをセットしたGAZOOレーシングスタイルパッケージもオプション設定するなど、「クルマの味づくりの追求」を具現化したGAZOO Racing初のコンプリートカーだった。ちなみに価格は197万2000円で、オプションは29万8000円だ。
エンジンにまで手が入った本格派
その第2弾として2012年7月9日に発表されたのが、「TOYOTA iQ GRMN Supercharger」である。
4年前はまだ足回りのチューニングが主であり、エンジンなどのパワートレーンは手つかずだったが、今回はスーパーチャージャーを装着してノーマル比30%アップの122psを発生。最大トルクは174Nm(17.7kgm)にアップしている。さらに、専用チューニングのサスペンション、クロスレシオ化された6速MTなど、増大したパワー/トルクを使い切るためのチューニングが施されていた。
外観は、専用バンパーやリアスポイラー、ブリスターフェンダーを標準装備。インテリアにも、タコメーターが追加されたほか、専用のスポーツシートが奢られていた。その出で立ちは、まさにマイクロレーサーだった。
車両価格は税込み355万円で、限定台数はわずか100台。同年7月22日よりWeb限定で先着順に商談申し込みを受け付けたものの、瞬く間に予定数に達して商談権の抽選が行われたという。絶対数が少ないこともあり、見かけることはほとんどないが、現在のGRのコンセプトづくりはこの特別なiQなくしてはあり得なかったかも知れない。
iQ “GRMN Supercharger” 主要諸元
●ボディサイズ:全長3140×全幅1705×全高1470mm
●車両重量:990kg
●乗車定員:4名
●エンジン型式・形式:1NR-FE+スーパーチャージャー・直4DOHC
●エンジン総排気量:1329cc
●エンジン最高出力:122ps/5200rpm
●エンジン最大トルク:174Nm(17.7kgm)/4800rpm
●駆動方式:FF
●サスペンション形式:前ストラット・後トーションバー
●ブレーキ形式:前Vディスク・後ディスク
●タイヤサイズ: 195/55R16
[ アルバム : iQ “GRMNSupercharger” はオリジナルサイトでご覧ください ]
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