自動車税は10年でコンパクトカーよりも23万7000円安い
今、日本で一番売れているクルマはなんでしょう? トヨタ・プリウス、日産ノート、トヨタアクア? いえ、違います。軽自動車のホンダN-BOXなのです。軽自動車はまさに日本専用車。日本の自動車ユーザー、日本の道、日本の環境、日本の生活に密着して開発されているクルマでもあります。だから使いやすくて当然。
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ただし、最近は軽自動車にも先進安全支援機能や高い安全性能、快適装備が求められ、価格は高騰。たとえば、上記の日本で一番売れているホンダN-BOXの事実上の基本グレードとなるG・LホンダセンシングはFFで約150万円。もっとも高いN-BOXカスタムG・EXターボ ホンダセンシングに至っては約195万円もするから驚きです。これにナビを加え、諸費用を払ったら、いったいいくらになるのか!
ちなみにホンダ・フィットのホンダセンシング付き最廉価グレードの13G・Lホンダセンシングは約143万円なのです。軽自動車の新ベーシックと呼べるダイハツのミラ・トコットでさえ、もっとも安い、先進安全支援機能付きグレードのL “SA III”でさえ約114万円。軽自動車が100万円以下で圧倒的に安く買えた時代は、はるか昔のことなのです。
では、高額化した軽自動車がなぜ売れているのか。また、購入にどんなメリットがあるのか? じつはいろいろあったりします。
1)自動車税がお得
まずは家計のメリット。軽自動車の費用でもっともメリットがあるのが自動車税。軽自動車は年1万800円(19年7月時点)。対して、1.3リッターのフィットは1リッター超え、1.5リッター以下の区分になり年3万4500円(19年7月時点)。10年乗れば23万7000円も安いのです。もちろん軽自動車は燃費性能にも優れているので、ランニングコストも低レベル。
2)圧倒的に走りやすく止めやすい
もちろん、全長3395mm、全幅1475mm以下という車体寸法制限のミニマムサイズですから、狭い道の走行も、駐車も楽々。最小回転半径も基準タイヤなら小さく、小回り性抜群。Uターン、料金所での幅寄せもしやすいというわけです。自宅の駐車スペースが狭いケースで、乗り降り、荷物の積み下ろしがラクラクになることもあるでしょう。
室内空間は大型車をしのぐことも!
3)室内空間はコンパクトカーの比ではない
とはいえ、限られた車体寸法だから、室内が狭いのではないか? なんていう心配もあるでしょうけれど、それは時代錯誤。とくにハイトワゴン系、モアスペース系などと言われている、日産デイズやホンダN-BOXなどの室内空間は、はっきり言って、コンパクトカー以上、どころか、頭上方向、後席ひざまわり空間では大型車をしのぐこともあるからびっくりです。
たとえば、身長172cmのドライバー&乗員基準で、日産デイズの運転席背後のスライド機構を備えた後席のひざ回り空間は最大約32cm(2019年7月上旬現在、クラス最大)。マツダCX-5が同19cm、コンパクトカーで異常に後席ひざまわり空間が広いフィットで27.5cm。
いやいや、それぐらいで驚いている場合ではありません。ホンダN-BOXだと、後席ひざ回り空間はシートスライド最後端位置で驚愕の約45cm! これはステップワゴンの2列目席の最大値、約36cmを大きく上まわるのです!
広く、窓面積の大きい軽自動車の場合、後席の空調環境が気になりますが、一例として、スズキ・スペーシアや三菱ekスペース、日産デイズルークスには後席天井部分にスリムサーキュレーターを装備するなどの工夫も施され、そのあたりの快適性にもしっかり配慮されているのです。
4)荷室の使いやすさも抜群
限られた全長、室内長のなかで、どうしてそんなパッケージング、室内の広さを可能にしているかといえば、ズバリ、キャビン優先の考え方。つまり、荷室の奥行きが犠牲!? になっているのです。ホンダN-BOXの荷室奥行きは、後席が後端位置だと約33cm、日産デイズも38.3cmでしかありません。
ただし、後席を前方にスライドすることで、N-BOX、デイズともに約54cmまで拡大できるのですから、十分でしょう。さらに、後席を格納したアレンジでは、ハイト系、モアスペース系ならではの室内高の余裕によって、自転車など大きな荷物の積載も可能なのですから便利です。
5)先進安全支援機能も充実
軽自動車は、今や先進安全支援機能も充実しています。自動ブレーキはもちろん、デイズには日産自慢の同一車線半自動運転技術のプロパイロットやヘルプネットのSOSコール、N-BOXにはACC(アダプティブクルーズコントロール/現時点で渋滞追従機能なし)も備わりました。
スズキのスペーシアなどには、上級車でもまだ普及していない、後退時踏み間違いブレーキサポートまで用意されているのです。「最近の軽自動車は高額になった」という感覚は間違いではありませんが、そうした安全性能・機能などが満載されているのですから、しょうがないとも言えるのです。
今後は、軽自動車にも歩行者や自転車を認識する自動ブレーキ、前後踏み間違いブレーキサポート、そして渋滞追従機能付きACCが普及してくると思われます。軽自動車だからこそ、そんな先進安全支援機能が不可欠ですからね。
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