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由緒正しい空冷4気筒をスポーティに愉しむ「走りのCB」『HONDA CB1100RS』(2019年)#試乗インプレ

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由緒正しい空冷4気筒をスポーティに愉しむ「走りのCB」『HONDA CB1100RS』(2019年)#試乗インプレ

往年のビッグバイクの感触を思わせる仕上がり
CB1100の開発にあたり、開発陣は69年発売のCB750fourに触れ、古き良き時代の「CBテイスト」を体感してから作業を始めたという。

となれば、当時流行したカフェレーサーも意識しただろう。

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イメージスケッチの中には、低いハンドル、前後キャストホイールに太いタイヤ、小ぶりなウインカーを装着した仕様も描かれていたはず。

それを具現化したのがCB1100RSだ。

イギリス発のカフェレーサーブームが日本に及んできたのは70年代に入ってから。

当時の国内では認可されていなかったセパレートハンドルやキャストホイール、カウリングをはじめ、バックステップや集合マフラー、欧米製のサスペンションなどを使ったカスタマイズが流行した。

しかし、80年代のレースブームを受けてレーサーレプリカと呼ばれるオートバイが続々と登場し、急速に本物のレーシングマシンに近付いたことでカフェレーサーブームはいったん幕を下ろす。

だが、90年代から旧車の人気が高まり、そのカスタム手法として見直されたのがカフェレーサースタイル。

そしてここ数年はメーカー純正カフェレーサーとも言うべきモデルが世界的に人気となっている。

このCB1100RSはCB750fourをベースにしたカフェレーサーのような仕上がりで、50~60歳代のライダーにとっては懐かしい雰囲気だが、若い世代のライダーには金属の質感を強調したシンプルな機能美が新鮮に映るという。

252kgという車重もあって、走行フィーリングは重厚。

ハンドル幅が狭いので、特に低速域ではどっしりとしている。加えて、スロットルの開け始めと閉じた瞬間の空冷エンジンらしい穏やかな反応や、意図的にバラつかせた排気音、極低回転から発生する太いトルクで、市街地を流しているだけでも大排気量4気筒バイクを駆っている充実感がある。

コーナーを攻めるキャラクターではないが、RSは専用の現代的な足回りを与えられていて、ワインディングでのアベレージスピードは意外なほど高い。

体重移動とスロットル、ブレーキを積極的に使った荷重移動で重量級の車体を手なづける、70~80年代の大型バイクの乗り方を堪能できることも魅力。

レトロ感を強調したEXに対し、70年代のロードスポーツ車が正常進化したような印象を抱かせるのがRS。

圧倒的な質感の高さとあわせ「違いの判る」大人のライダーにさりげなく乗ってもらいたい。

SPECIFICATION
全長x全幅×全高2180x800x1100mm
ホイールベース1485mm
シート高785mm
最低地上高 130mm
車両重量252kg
エンジン形式空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量1140cc
ボア×ストローク73.5x67.2mm
圧縮比9.5
最高出力90PS/7500rpm
最大トルク9.3kg-m/5500rpm
燃料供給方式PGM-FI
燃料タンク容量16L
キャスター角/トレール量26度/99mm
変速機形式6速リターン
ブレーキ形式 前・後φ310mmダブルディスク・φ256mmディスク
タイヤサイズ 前・後120/70ZR17・180/55ZR17

上質さを極めた「走る工芸品」
HONDA CB1100EX

RSと同時にラインアップされるのが、クラシックスタイルにまとめられたもうひとつのCB、CB1100EX。

冷却フィンの美しさを際立たせる、シルバー仕上げの空冷エンジンや思わず触りたくなるような質感を目指した、上質な塗装が施されたフランジレスタンク、前後18インチのスポークホイールなどを採用。

バイクの持つ機能美を高め、思わず見とれてしまうような美しいたたずまいにこだわった、工芸品のようなマシンである。

RIDING POSITION 身長:176cm 体重:62kg
低いハンドルと後退したステップで、着座位置を中心に身体全体を僅かに前方向に回転させたようなポジション。

上体は軽い前傾だが、走行中は風圧を受けるため肩や腕に掛かる負担はない。

車格の割に足着き性は上々だ。

DETAILS
いまや貴重な空冷直4ユニットは90PSを発揮。

ミッションは6速で、このRSはユニット自体を精悍なブラック仕上げとしている。

肉厚のワンピースシートは滑りにくい専用の表皮と、縦基調のワディングを施した、スポーティな専用デザインが与えられている。

クラシカル丸形ケースの内部にはLEDヘッドライトが収まる。

ライトとメーターのケースはブラック仕上げで精悍さを強調。

[ アルバムはオリジナルサイトでご覧ください ]

TEXT:太田安治、本誌編集部

公式サイト

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