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業界ニュース 2019.7.7

軽自動車の安全性能はどこまで進化したのか?ホンダの衝突安全テストに密着

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ホンダの軽自動車、N BOXと言えば、2017~2018年2年連続で国内販売台数NO.1の乗用車。そして4年連続、軽自動車販売台数NO.1の超人気車種でもある。それだけ売れているからこそ、街を走る台数も多く、その安全性能が気になるところではないか。

今回、ホンダが2000年4月に完成させた、リアルワールドの事故を研究する、栃木の屋内型全方位衝突実験施設(世界初)での衝突安全テストの現場を、ホンダ・テクニカル・ワークショップへの参加として、訪れることができた。

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厳重なセキュリティーの先にある施設に入ると、そこは延べ床面積41000m2、衝突テスト棟は南北に271m、東西に178m、屋根高15mという、未知との遭遇、まさに宇宙船のマザーシップの内部のような、非現実的な空間だった

そもそも、日本の交通事故の発生状況は、1970年をピークに減少。直近の24時間以内の交通死亡事故死者数は、2004年の7436人から、2018年には3532人と半数以下になっている。それは、自動車メーカーのたゆまない安全への取り組みが功を奏している「安全」の進化のたまものと言っていいだろう。今、大きく関心が高まり、間もなく世界40カ国が合意した2020年に義務化される自動ブレーキを始め、車体そのものの安全性が、事故から乗員、さらには歩行者や自転車などを守ってくれるのだ。

ホンダはSafty for Everyoneという安全スローガンを掲げ、クルマやバイクに乗っている人だけでなく、道を使う誰もが安全でいられる「事故に遇わない社会」をつくりたい・・・としている。

その成果の一端が、これまで築き上げてきたホンダの先進安全技術の数々である。何しろ、衝突軽減ブレーキ(CMBS/自動ブレーキ)を世界で始めて搭載したのは、2003年6月登場のホンダ・インスパイアだったのだ。さらにホンダは今では当たり前の運転席SRS(Supplemental Restraint System(補助拘束装置)エアバッグを1987年にレジェンドで日本初採用。トップダッシュマウント助手席エアバッグ、運転席i-SRSエアバッグシステム連続容量可変タイプ、歩行者ダミー、そして今回、屋内型全方位衝突実験施設での衝突安全テストで目の当たりにした、コンパティビリティ対応ボディもまた、ホンダが世界で初めて採用、実現しているのである。

ホンダが2003年9月に登場した軽自動車、ホンダ・ライフに初採用したコンパティビリティ対応ボディとは、衝突時の「自己保護性能」と、「相手車両への攻撃性低減」を両立する車体安全技術であり、クルマ相互の衝突時に衝突エネルギーをエンジンルームで効率よく分散・吸収することで、自己保護性能を大幅に向上するとともに、相手車両への攻撃性を低減する効果があるという。

つまり、大きく重いクルマと、軽自動車のような小さく軽いクルマが衝突した際、お互いの衝突被害を最小限にしてくれるというわけだ。

屋内型全方位衝突実験施設での衝突安全テストは、厳粛な空気の中で行われた。そう、宇宙船の中でこれから未知の何かが始まろうとしているかのように、である。

10,9,8,7,6,5,4,3,2,1・・・とカウントダウンが始まり、今日の実験の主役であるホンダN BOXと、車重比1・5倍のホンダ・インサイトが実験施設の中心に向かって一目散に走ってくる。どちらも時速は50km/h。ラップ率50%(車体前方の半分同士が衝突する感じだ)、そして重要なことは、50km/hで走行するクルマ同士が正面から衝突した場合、相対速度は50km/h×2の100km/hに達するということだ。

やがてホンダN BOXとホンダ・インサイトが、施設内の空気を震わせ、大きな音をたてて衝突した。それが実験だ。

見学者のわれわれは、安全のため、離れたところから高みの見物だったが、事故の重大さはその衝撃音からも十分に理解できた。ホンダ・インサイトのほうは、衝突した場所からほとんど動かず、前を向いたまま停止していたが、軽く小さいN BOXは一瞬、宙に浮き、回転した後、停止したのである。

しかし、驚かされたのは、実験終了後、現場に歩いて到着した時だった。すでに飛び散ったボディの破片は片づけられていたが、まず、ホンダ・インサイトのほうはボンネット部分片側が損傷していたものの、Aピラー以降はダメージがないように見え、フロントウインドーさえ割れていない!

一方、気になるホンダN BOXのほうはと言えば、さすがにフロント部分の損傷度合いはインサイトを上回り、フロントウインドーとAピラーの三角窓部分は割れていたが、なんと、衝突した側の運転席フロントドアですら無理なく開けることができ、さらにリアスライドドアはアウトサイドオープナーを引くだけで何事もなくスルスルとスムーズに開いたのである。ホンダのコンパティビリティ対応ボディの面目躍如というしかないだろう。

もちろん、N BOXの標準車、カスタム全18グレードのうち、G、Lを除く14グレードに標準、G、LにもOP装備できる前席用i -サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグシステム〈前席/後席対応〉が展開していたことはいうまでもない。そして先進安全支援技術のHonda SENSINGの衝突軽減ブレーキ〈CMBS〉、誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリング、路外逸脱抑制機能、ACC〈アダプティブ・クルーズ・コントロール〉、LKAS〈車線維持支援システム〉、先行車発進お知らせ機能、標識認識機能、後方誤発進抑制機能、オートハイビームは今や全車標準装備なのである。

ホンダN BOX、ホンダ・インサイトともに、運転席にはダミー人形が搭乗していたが、ここでもうひとつ、紹介したいのが、世界初の安全技術、歩行者ダミー「POLAR」である。ホンダは1988年からすでに歩行者保護研究に着手しており、歩行者ダミーの「POLAR」を開発。現在は「POLARIII」となり、各部の精度を高め、対象傷害部位も拡大しているとともに、サイクリストにも対応。単にクルマとの衝突だけでなく、歩行者エアバッグによる挙動コントロールにも使われているという。



こうして、ホンダの安全に対するさまざまな取り組みにじかに触れた今回の取材だったが、とくにコンパティビリティ対応ボディによる、衝突時の「自己保護性能」と、「相手車両への攻撃性低減」を両立する車体安全技術など、あらためてホンダの安全スローガン、Safty for Everyoneの考え方を深く理解できた経験だった。

とはいえ、ドライバーは、ホンダのコンパティビリティ対応ボディ、進化を続ける先進安全支援技術のHonda SENSINGに甘えることなく、安全運転を心がけることが大切である。

なお、ホンダN BOXとホンダ・インサイトの衝突実験の様子は、以下の動画で見ることができる。





文/青山尚暉

モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。

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