関係者は「ベンツ」とは呼ばない
日本でメルセデス・ベンツのクルマやブランドは、広く「ベンツ」と呼ばれていますが、今後、この慣習は大きく変わるかもしれません。
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その大きな要因となりうるのが「音声認識」です。2018年10月に日本で発売された「Aクラス」では、クルマがドライバーの呼び掛けに応じて目的地の設定や空調の調整などを行うシステム「MBUX」が装備されました。これを起動させる場合、「ハイ、メルセデス」と呼び掛けると説明されています。
メルセデス・ベンツ日本によると、このシステムは「ハイ、ベンツ」といった呼び掛けでは起動しないそうです。
「『ベンツ』も創業者のひとりの名前ですので、クルマの呼称としては決して間違いではありません。ただ、『メルセデス』は女性の名前に由来し、語感としてもやわらかい印象があり、その名に親しんでいただくためにも、『メルセデス』と呼んでいただけるよう、わたしたちも心掛けています」(メルセデス・ベンツ日本)
同社によると、海外のメルセデス・ベンツのオーナーも多くは「メルセデス」と呼んでいるといい、関係者のあいだで「ベンツ」という呼称は使わないようにしているそうです。それとは裏腹に、日本ではオーナーも含めて「ベンツ」の呼称が広く定着しています。これについてメルセデス・ベンツ日本は、「短いからではないでしょうか」とのこと。新聞などでは字数に制約があるので「ベンツ」と書かれることが多いものの、「思いとしては、ぜひ『メルセデス』とお書きいただきたいところです」と話します。
前出の「MBUX」は、「ハイ、メルセデス。ちょっと暑いんだけど」といった話し方で反応する自然対話式音声認識機能が特徴です。日本でも、少なくともオーナーのあいだでは「メルセデス」呼称が定着していくかもしれません。
「ベンツ」と「メルセデス」、そもそも何?
「ベンツ」は、1885(明治18)年に世界初のガソリン自動車を完成させ、翌年にドイツ政府から特許を取得した技術者カール・ベンツに由来します。のち、ベンツ社を設立し、自動車の生産を本格化させます。
一方の「メルセデス」は、現在に続くメルセデス・ベンツの販売元である、ダイムラー社が使っていたブランド名で、同社の黎明期における上得意だった富豪エミール・イェリネックの娘、メルセデス・イェリネックに由来します。当時まだ一般的ではなかった自動車を多くの人に愛してもらうには、「クルマは女性の名前でなければならない」と、エミールがダイムラーにブランド名として使用することを提案し、1902(明治35)年には「メルセデス」がダイムラー製品の名前として商標登録されました。
1926(大正15)年にベンツ社とダイムラー社は合併し、ダイムラー・ベンツ(現・ダイムラー)が発足、これによりブランドとしての「メルセデス・ベンツ」が誕生します。これを略して言う場合、関係者のあいだでは「ベンツ」ではなく、「メルセデス」が使われ続けてきたようです。メルセデス・ベンツ日本は、「スペイン語で『神の恩恵』『深い慈悲』といった意味を持つ『メルセデス』という名は、上得意だったお客様の娘さんのお名前をいただいたものでもあり、昔から大切にしてきました」と話します。
またメルセデス・ベンツ日本としても、「ベンツ」より「メルセデス」と呼んでもらいたい別の理由があるそうです。
「『ベンツ』は語感も固い印象があるうえ、『ベンツ=Sクラス=高い』というイメージがどうしてもつきまといます。確かに昔は車種も少なかったのですが、現在はラインアップが広がり、手の届きやすい価格帯のものも増えました」(メルセデス・ベンツ日本)
昔ながらの「高い」イメージが変わってほしいという思いも込めて、「メルセデス」と呼んでほしいと、メルセデス・ベンツ日本は話します。
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