2019年6月27日に、稲沢市(愛知県)で想定外の事故が発生しました。
愛知県警察本部の発表によると、母親がクルマのエアコンをつけたまま2歳と6歳の子どもを車内に残し、約10分間クルマを離れて戻ってきたところ、3列目にいた6歳の子どもが、2列目シートの背もたれと3列目のシートの間に首が挟まり、意識不明になっていたということです。しかし、一部報道ではシートベルトで首が締めつけられたことが原因とも報じられています。
走行中もブレーキランプ、なぜ多い?「ブレーキ踏み過ぎ運転」 エンブレ知らない人が増加?
親がクルマに子どもを置き去りにしたとき、車内では何が起きていたのでしょうか。
子どもを置いて親がクルマを離れたとき、車内で起きることとは 母親としては、車内の温度が上がることを防ぐためにエンジンをかけたままエアコンをつけた状態にしたものと推測されます。
2列目シートには2歳の子どももいましたが、その子は無事でした。なお、ドアはロックされた状態だったとのことです。
どのような車種なのか、いつ頃のモデルなのか、といった情報については一切明らかにされていません。警察の発表で判明しているのは、3列シートを備え、3列目シートの背もたれが前に倒れて、ラゲッジルームがフラットになるタイプのクルマということです。
6歳の子どもはチャイルドシートに座っていたのか、それともシートベルトだけをしていたのかも公表されていません。また、関係者によると3列目のシートは母親がクルマから離れたときには倒れていなかったということです。
そうなると、6歳の子が3列目シートの背もたれを前に倒した際に、何らかの理由で首が挟まって抜け出せなくなり、さらに頭を下にした状態で意識を失ったことが考えられます。
NHKや民放が警察発表に則った報道をするなか、独自取材をおこなった中京テレビは、警察とはかなり異なる内容を報道しました。
まず、2列目シートの背もたれと3列目シートの間に挟まれたのではなく、実際には3列目のシートベルトが首にかかっていたということです。
ここから筆者(加藤久美子)は、3列目のシートを前に倒した際に、天井の方向から出ているシートベルトが引っかかり、子どもの首にかかってしまったと推測します。
また中京テレビは、ベルトが首に巻きつき宙づりのような状態で発見され、顔が紫色になっていたことや、ドアにロックがかかっていて、母親が近くにいた男性に依頼して窓を割り救出したことも報じています。
母親はカギを持っていたはずですが、おそらく気が動転していたのでしょう。
実際に救出を手伝った男性もニュースに出ていたので、中京テレビの報道がより深堀りした内容になっていました。
わずか10分でも目を離せば、子どもに命の危険が 今回の事故では「『わずか』10分離れたすきに」と報道されていたケースが目立ちましたが、10分「も」あれば、命を失う危険はすぐそこです。
エアコンをつけないと夏場は車内温度がグングン上昇する 毎年ゴールデンウィークごろから盛んに報道される「車内熱中症」に関しても同様です。
JAFが実施するユーザーテストでは、エアコンを停止して10分もしないうちに「厳重警戒レベル」となることがわかっています。
体温調節機能が大人ほど発達していない子どもや、温度に対する感覚が鈍くなる高齢者では、もっと早い段階(7分から8分程度)で命の危険が迫ってきます。
筆者も昨年実験をしてみましたが、外気温が40度近いときに、エアコンを切ってわずか数分で、日の当たるシートは60度に達しました。
では「エアコンをつけて車内を涼しくしていれば大丈夫」と、子どもをエアコンのついた車内に残したままクルマから離れた場合、どんなことが起きるでしょうか。
チャイルドシートで寝ていた子どもが目を覚ましたら、親を探すかもしれません。ほとんどのチャイルドシートはハーネス(シートベルト)が正しく締められておらずユルユルですので、子どもの小さな体はすき間をすり抜けてシートから降りようとします。
回転式チャイルドシートなどの台座が高いタイプだと、転落する危険もあります。子どもの頭は重たく、比重も大きいので頭から床に落ちて大けがをすることも懸念されます。
また、運転席に移って、ハンドルを握ったり、動かしたり、いろいろなスイッチ類をいじり始めたりするかもしれません。
エアコンをつけているということは、一般的にはエンジンもかかっている状態でしょう。最近のクルマには、ボタンひとつでパーキングブレーキを解除できるものもあります。なにかのはずみでクルマが動き出すかもしれません。
長時間アイドリング状態でかつエアコンONの場合、エアコンが効きづらくなることもあるでしょう。最悪のケースとして、ガソリンが無くなってしまうことも考えられ、エアコンが完全に止まった車内の温度は急上昇していきます。
また子どもの車内放置は、外からドアが開く状態であれば誘拐や連れ去りのリスクがあります。なかから開く場合は、子どもがひとりで外に出てしまい、交通事故や転落などの危険に晒されることも考えられるでしょう。
それでは、親はどう対応するのが良いのでしょうか。
日々の買い物などで駐車するときは、短時間でも子どもをクルマから降ろして一緒に連れていくべきです。
「うちの子、お店の中を走り回るし、大声で騒ぐから…」と気にする人もいます。それでも、気にせず連れてきましょう。子どもの命の方が大切です。
周囲の人々も、子どもが走り回って騒いでいたとしても、親がそれを注意しているなら、大目に見てあげてください。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
四国と関西をつなぐ「紀淡海峡大橋」はいつできる? 新たな本四連絡橋で関西圏に環状道路網の誕生なるか。
既存モデルの新車の「バックカメラ」が5月から義務化されます 本当にバック事故対策になるのでしょうか?
ホンダ新型「“スポーティ”セダン」世界初公開! 斬新ハンドル&モニター&鮮烈“レッド内装”採用! ド迫力ボディがカッコイイ「GT C」登場
ホンダ 新型「プレリュード」まもなく復活!? 次期型“流麗クーペ”は「デートカー」それとも「スポーツカー」? 歴代初の「タイプR」登場はあるのか
ランクル250に430万円「最廉価グレード」あるか? 「GX」にガソリン登場を絶対期待したいワケ
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?