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業界ニュース 2019.7.3

オジサンたちの憧れ? バブル期に登場した国産名車5選

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 1980年代は、アメリカの経済が低迷するなか、日本が経済的に世界トップになるほどの成長を見せた時代でした。日銀が円高不況対策として金利を大幅に引き下げた結果、銀行の貸付や不動産投資、証券投資などが過剰なまでに白熱し、バブル景気につながっていきます。

 当時は、いかにオシャレなファッションに身を包み、素敵なレストランで食事するか。デートに使われるクルマで女性が男性を選ぶなど、日本中が浮かれまくっていました。そんな時代背景を受けて、コストも手間もかけたクルマが続々と登場しました。

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 そしてそのコンセプトは、現在のクルマにもしっかり受け継がれています。今回は、現代でも魅力的で、しかも中古で買える「名車」たちをご紹介します。

●マツダ「ユーノス・ロードスター(NA型)」

 当時の国産車には「280馬力規制」がありましたが、世界のスーパースポーツカーに負けないほどハイパワー競争を繰り広げていました。

 そんななか、清涼な風のごとく「人馬一体=クルマを操る楽しさ」をコンセプトに1989年に登場したのが、マツダ「ユーノス・ロードスター」です。

 ハイパワー志向のターボや大排気量&多気筒エンジンがもてはやされるなか、全長3970×全幅1675×全高1235mmのコンパクトなボディに120馬力を発生する1.6リッターの直列4気筒DOHCエンジンを搭載したオープンカーは、少しクラシカルな印象を与えるフォルムで登場しました。

 1トンを切る軽量さ、FR駆動を採用した自然なドライブフィーリングで、「見た目もオシャレで、パワーがなくても楽しい」と当時の人々に気付かせたのです。

 ユーノス・ロードスター登場の衝撃は世界を巡り、その後BMWが「Z3」を、ローバーは「MGF」を、フィアットは「バルケッタ」など、同じコンセプトのコンパクトなオープンカーが数多く誕生したほどです。

 「人馬一体」を具現化したロードスターは、現在4代目が登録車として日本唯一オープンスポーツの歴史を守り続けています。

本格的な走行性能を秘めたスペシャリティカー●日産「シルビア(S13型)」

 1989年から1991年にあった好景気、いわゆるバブル景気の時代は、良いクルマが男のステイタスでした。当時は「デートに誘う=クルマで迎えに行く」が定番で、どんなクルマに乗っているかが男としての価値に直結した時代。デートにふさわしいオシャレなクルマ、いわゆるスペシャリティカーの全盛期でした。

 そんな時代の影響を受けて登場したのが、5代目の日産「シルビア(S13型)」です。2ドアクーペで近未来的なデザイン、低い全高などのスペシャリティカーに求められる要素を盛り込みつつ、走行性能にも優れるFR駆動を採用。

 新開発のリアマルチリンクサスペンションを搭載するなど、走る楽しさをも併せ持ったスポーツカーとして人気を集めました。

 この5代目シルビアは型式名で「S13」と呼ばれており、全長4470×全幅1690×全高1330mmのコンパクトなボディを持っています。とくにターボエンジンを搭載した「K’s」グレードのMTモデルは、今でもドリフト愛好家などから好まれています。

 走りの性能が高いシルビアですが、当時の日産はスポーツカーではなく「デートカー」としての側面をウリにしていたため、走行性能がやや低い自然吸気エンジン搭載グレードが1番の売れ筋でした。

時代を先取りした大型&高級クーペの先駆者●トヨタ「ソアラ」

 1980年代は、日本の経済が上昇カーブを描いていた時代でした。がむしゃらに働いてどんどん給料を上げ、高級なモノをバンバン買うという「日本全国総成り上がり」状態です。

 クルマを買う際はまずコンパクトカー、次はセダン、そしていつかは高級車を目指すというのが定番で、若者はどんどん大型化&高級化していくクルマに憧れていました。そして高級志向のクルマは「ハイソカー」と呼ばれていました。

 そんな1980年代初頭に、トヨタ「2000GT」のようなイメージリーダーを念頭に開発され、1982年に登場した高級クーペがトヨタ「ソアラ」です。

 ソアラは当時としては画期的な機能を満載していました。タッチパネル式オートエアコンや、全グレード6気筒のDOHCエンジン(デビュー当時は3リッター/2.8リッター/2リッターのエンジンをラインナップ)を搭載し、トヨタ初の回転数感応式パワーアシスト付きラックアンドピニオンステアリングなども搭載していました。

 これら最新の機能が「ハイソカーの証」として多くの人に注目され、1980年から始まった「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を1981年に受賞するなど、性能や高級感、デザインでも時代の最先端を行くモデルでした。

 そのイメージは、1986年に登場した2代目ソアラへと引き継がれます。スポーツカーとは違うデートカーとしての側面も持ち合わせていたこともあり、2代目も大ヒットモデルに。当時大人気だった漫画「シャコタンブギ」にも登場するなど、少しヤンチャな人にも絶大な人気を誇りました。

デートカーの大本命として絶大な人気を誇った王道クーペ●ホンダ「プレリュード」

 今ではすっかり死語の「スペシャリティカー」は、大衆車のコンポーネンツを使用しつつ、スポーティな走りやスタイリッシュなデザインをもつクーペのことです。このスペシャリティカーで高級なレストランや行楽に出かけるのが当時の最新トレンドで、お出かけするときは欠かせない「オシャレアイテム」だったのです。

 そんなスペシャリティカーの代表ともいえるモデルが、ホンダ「プレリュード」です。プレリュードは北米で爆発的なヒットをした「シビック/アコード」と同じエンジンを搭載したクーペとして、1978年に初代がデビューしました。

 1980年に入ると、日本の景気上昇に合わせてクルマに求めるものも変化します。スタイリッシュなクーペであるプレリュードも1982年に2代目へと進化します。

 リトラクタブルヘッドライトを採用した近未来的なルックスと、乗り心地と走行性能を両立させたダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションを搭載し、その先進性などが時代のニーズにマッチして、大注目されるモデルになります。

 そしてプレリュードの人気を不動にしたのが、1987年に登場した3代目モデルです。サスペンションは前後ともにダブルウィッシュボーン化され、マイナーチェンジではステアリングを切ったときに前輪と後輪が逆の方向に動く「機械式4WS」を量産車として世界初採用しました。

 また、当時のF1で絶対的な存在だった「HONDA」のブランドイメージもあって、当時は「シルビア派vsプレリュード派」が対立するほどでした。しかしその後、トレンドがミニバンへ移っていくことで、スペシャリティカーの代表格であるプレリュードは役目を終えていくことになります。

「ワゴン」や「4WD」を世間に認めさせた歴史的な名車●スバル「レガシィ」

 1980年代は国産車の販売が好調でした。しかし、当時のスバルは高い技術力で開発された水平対向エンジンや4WD技術を持ちながら、他社からの買収や吸収合併が噂されるほど経営がうまくいっておらず、倒産の危機にありました。そんな危機的状況を救った救世主こそ「レガシィ」です。

 1980年代に誕生したブームが定着化したジャンルのひとつに「アウトドア」があります。当時のアウトドアはスキーが空前のブームで「スキー場までの雪道をガンガン走れるクルマ」が必要不可欠でした。

 レガシィは、バブル景気に突入した1989年に登場しました。水平対向エンジンの搭載はもちろん、「アルシオーネ」で培った4WD技術を投入するなど、当時のスバルが持てる技術を全て投入して設計されました。

 デビュー直前は、アリゾナ州フェニックスで行われた「10万km耐久走行における平均速度223.345km/h」という世界記録をCMで打ち出し、アウトドアにも使える自由度・高い耐久性・速さ・スタイリッシュさなどを兼ね備えたクルマこそがレガシィというイメージを定着させます。

 その後、各メーカーのさまざまな車種にワゴンモデルがラインナップされ、ワゴンブームのきっかけを作ったクルマといっても過言ではありません。

 さらにレガシィが画期的だったのは、当時は「ワゴン=商用車」というイメージが強かったボディスタイルを「アウトドアにも使えるスタイリッシュなクルマ」として確立させたことです。レガシィの登場によって経営難だったスバルは業績をV時回復させました。レガシィなくして今のスバルなしともいえる、奇跡の1台だったのです。

※ ※ ※

 みんなが憧れた1980年代の名車たち。しかし、それらのクルマを振り返ってみると、スタイリング・高い走行性能・余裕のあるパワー・使いやすさ・耐久性といった、現代のクルマにも求められてるニーズはそう変わってはいません。

 このニーズに的確に応えた先駆者的なモデルこそが「名車」の称号を授けられ、未来永劫語り継がれるクルマになるのではないでしょうか。

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(くるまのニュース くるまのニュースライター 金田ケイスケ)

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