「PROJECT BIG-1」のコンセプトでビッグバイククラスに堂々君臨するホンダのフラッグシップ、CB1300シリーズが、2014年に更なる熟成を受け、堂々たる走りに磨きをかけた。新採用した6速ミッションの威力やいかに?
車体の熟成が生み出したカッチリ感が絶妙!
HONDA CB1300 SUPER FOUR
峠道でこそ輝く!? 新型「KATANA」試乗インプレッション!
ホンダというより、日本を代表する「高級ビッグバイク」だ。
どこを見ても、オトナのバイクマニアが納得できる上質な造り込みで仕上げられ、走りもパワフルかつオールマイティ。
大柄な車体だが、それがウソのように扱いやすく、素直なハンドリングを活かした快活な身のこなしと、ビッグバイクらしいどっしり感が見事に融合している。
大型高級バイクたる感触や質感、力のゆとりを誰もが楽しめるトータルバランスのいいバイクだ。
こうした特徴は歴代CB共通の魅力。それはこの新型にもしっかりと受け継がれている。
とは言っても、今回の新型も見た目が激変することはなかった。
なにしろCBはビッグバイク界の「孤高のキング」。この走り、それにこの姿をまとめてひとつのブランドとし、絶大なる信頼を得てきたのだ。
キャラクターや姿は大きく変えられない「宿命」がある。だが、中身はけっこう進化している。
今回のモデルチェンジでの表立った変更点は、オーバードライブを意識した6速ミッションの採用と、重積載に対応したフレームの剛性アップ。
それに伴ったフレーム全体バランスの取り直し。そしてエンジンの制御マップの更改だ。
変更点は以上のはずなんだが、乗ってみたら、まるで足回りを一新したかのようにハンドリングが違っていた。
もう少し詳しく言うと、強引に素早く切り返した時のフロントの接地感、それに節度が大幅に良くなっている。
もともと、どっしりとはしていたが、フロントにカウルという荷重が載っているSBと比べればやはり軽く、SFは安定性も少し希薄な傾向だった。
個人的にはこれがかなり気に入らなかったのだが、新型はまるでノーズをちょっと落とした姿勢に変え、トレールを増やしたかのような「カッチリ感」がプラスされていたのだ。
しかも、これで舵角が強く付くようになりすぎたり、無駄にフロントが粘るようなオマケが全くない。
…試乗後、技術者に「フロントサスも換えたでしょ?」と思わず聞いたほどだ。でも、そうではなかったのである。
この乗り味、シートレールの補強にバランスさせてフロントの剛性も上げたことが上手く作用したものらしい。
SFについては、この接地感と接地性の向上による、乗りやすさ、運動性能の進化がイチバンの違いであり、すばらしい進化を遂げたパートだと思っている。
間違いなく、これまでのモデルより峠道が楽しくなっているし、ツーリングも気楽になっているハズだ。
RIDING POSITION ●身長:176cm ●体重:68kg
シート前方はスリムで足着きが良く、そのすぐ後ろには充分な肉厚と幅の広さが合ってロングランも楽。
ステップとの距離も絶妙で、ヒザにストレスが溜らない。
前傾度は極々自然で高速に風圧にも耐えられるし、ツーリングでリラックスもできる。
自由度のある完成されたライポジだ。
主要諸元 ※( )内はEパッケージ
●全長×全幅×全高:2200×795×1110(1125)mm
●ホイールベース:1520mm
●シート高:780mm
●車両重量:267(268)kg
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
●総排気量:1284cc
●ボア×ストローク:78×67.2mm
●圧縮比:9.6
●最高出力:101PS/7000rpm
●最大トルク:11.7kg-m/5500rpm
●燃料供給方式:PGM-FI
●燃料タンク容量:21ℓ
●キャスター角/トレール:25度/99mm
●変速機形式:6速リターン
●ブレーキ形式 前・後:φ310mmダブルディスク・φ256mmディスク
●タイヤサイズ 前・後:120/70ZR17・180/55ZR17
DETAILS
ノンカウルのSFは、従来どおりH4バルブを使用したマルチリフレクタータイプの丸目1灯ヘッドライト採用している。
日本車としては量産初となるLEDヘッドライトを採用。
ヘッドライトの輪郭を縁取るU字型の導光帯が、独創的な顔つきを実現。
SBと共通のアナログ2眼メーターは、高級感があり視認性にも優れる自発光タイプ。
ギアポジションや燃費計、外気温も表示される。
COLOR VARIATIONS
さらに優しさを増したオールラウンドCB!
HONDA CB1300 SUPER BOL D'OR
新型のスーパーボルドールがSFと違うのは、まず、LEDヘッドライトを装備したカウルがあること。
バネは同じだが、フロントサスの初期荷重が少し多めにかかっていること。
大型のパニアケースを取り付けられるように、サイレンサーの跳ね上げ角が抑えられていること。
それに少しだけハンドルグリップ位置が高く、アップライトなライポジになっていること。それくらいだ。
今回、CB1300シリーズはミッションが6速になったが、これにより100km/h・6速の回転数が500回転ほど低い、約3100回転になっている。
高速巡航はもとより、空いた田舎道を流すような走りではかなり穏やかな感覚になり、ビッグバイクらしい、のんびりとしたクルーズができる。
しかし、新型はのんびりしてはいるが、活力も抑えられたわけではない。
もともとパワーにゆとりがあったのに加え、PGMーFIのセッティングも見直されたことが効いているのだろう、6速のままでも、2000回転以下から自然に再加速ができる。
大型の直4をアピールするパンチと粘りは、これまでより確実に強力だ。
それに、これまでより吹けが軽やかで、パワーの立ち上がり方がいちだんとリニアになったように感じるのだ。
それにSF同様、SBもハンドリングがけっこう変わった。LEDヘッドライトのヒートシンクで重くなったというカウルだが、その分鈍重になるはずの左右への切り返しは、これまでより少し軽く感じる。
セルフステアの付き方も明らかに素直で、まるでカウルが軽くなったようにすら感じる。
どうして? と技術者に尋ねると、やはりSFと同じく、フレームの剛性アップの威力だという。
威力を発揮しているのは、ステアリングヘッドパイプから下りる2本のダウンパイプのクロスメンバー。それにダウンパイプ下部の肉厚アップが効いているという。
加えて、横や斜めからの風に対する抵抗を抑えたカウル形状になったことで、これらが極低速域から身のこなしを軽くしているのだそうだ。
このSBも熟成を重ねることで、絶妙なセットアップを手に入れたのだろう。
積載性や扱いやすさでツーリング適応力か向上しただけでなく、広く、走りのポテンシャルまで上げている。やはりじっくり構えて煮詰められたバイクは違う。
このシリーズはホンダが誠意を込めて、非常によく造り込んだバイクだ。今回改めてそう思った。
RIDING POSITION ●身長:176cm ●体重:68kg
SFよりハンドルが高いので少しだけ上体が起きる。
かつてよりハンドルの遠さは感じないが、もしそう感じるならハンドルを替えればいい。
着座位置に自由度があるので、多少ハンドルを替えたりしても、何処かしらでつじつま合わせができる。そんなライポジだ。
DETAILS
前面のスラントが強められ、よりシャープになったハーフカウル。
ヘッドライト脇のエアインテークもデザインが変更され、サイドのアウトレットも大型化されて後方に移動した。
主要諸元 ※( )内はEパッケージ
●全長×全幅×全高:2200×825×1205mm
●ホイールベース:1520mm
●シート高:780mm
●車両重量:273(274)kg
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
●総排気量:1284cc
●ボア×ストローク:78×67.2mm
●圧縮比:9.6
●最高出力:101PS/7000rpm
●最大トルク:11.7kg-m/5500rpm
●燃料供給方式:PGM-FI
●燃料タンク容量:21ℓ
●キャスター角/トレール:25度/99mm
●変速機形式:6速リターン
●ブレーキ形式 前・後:φ310mmダブルディスク・φ256mmディスク
●タイヤサイズ 前・後:120/70ZR17・180/55ZR17
COLOR VARIATIONS
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