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業界ニュース 2019.6.29

CRF250Lをレーサーなみの足に。Technix 5年越しの夢「TRIC」

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トレールマシンは、様々な制限を背負って作られる。技術者達が、思いの丈を性能にこめたとしたら、CRF450Lが生まれたわけだが、あれは本当にスペシャルなマシン。通常のトレールマシンは、手に入りやすい価格を実現しながら用途に合わせた性能を突き詰める。CRF250Lに課された制限は重く、オフロードをスポーツ走行したい人には、サスペンションがプアであることは否めないところ。だが、このたび登場を控えている「TRIC」なら、9万8000円でまるでレーサーのようなオープンカートリッジ化ができるというのだ。

Technix
TRIC

TRIC RACINGキット ¥98,000(予価)
TRIC STREETキット ¥65,000(予価)

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RACINGは左右ともにオープンカートリッジ式。STREETは左右にダンパーとスプリングをふりわけた仕様で、ダンパー側はオープンカートリッジ式だ。どちらも、取り付け工賃は別。RACINGキットの取り付けは、アンダーブラケットを外す必要があるので、ショップ推奨。

現在、国産のモトクロッサーはクローズドカートリッジを採用している(2000年代前半までは、国産もオープンカートリッジ。なお、KTMやハスクバーナは今もエンデュランサーにオープンカートリッジを採用する)が、Technixの土田氏は「むしろエンデューロのような競技なら、オープンカートリッジのほうが合っていると思います。クローズドカートリッジの場合、狭いボディ内にシステムを詰め込んでいて空間に余裕がない。だから、初期の動きが張ってしまうんですよね。エンデューロでは、この初期の動きを殺したくないから、オープンカートリッジのほうがマッチするのです」と言う。

言うなれば、現状で考えられるCRF250Lの性能をもっとも発揮できるサスペンションキット。CRF250Rのサスをつけたら? 剛性が上がりすぎるし、固すぎるわけだ。



サスペンションの受け入れられる衝撃の大小は、減衰力によって決まる。

減衰力をを出せないシステムでは、いかに強いバネをいれたとしてもバネが勝ってしまって減衰してくれないものになってしまう。いささか乱暴に言うとそういうことで、減衰をしっかり出せるシステムは、より上級なものになるということだ。ちなみに、片側をオープンカートリッジにするSTREETでも、林道走行を趣味にするライダーなら、十分に感じてもらえるものだと言う。

中身をごっそり差し替えるから、当たり前だけど別物のサスになる
上が外観、下が中身。CRF250Lのアウターチューブ、インナーチューブを活かしたまま、システムを総入れ替えする。外観こそあまり差が無いが、そのダンパーボリュームたるや別物。

オープンカートリッジのTRICをバラしたところ。すべて、Technixの新設計なのだ。何かから流用したようなものは、ほぼ無い。98%新作のパーツで、すべて図面を引き直したもの。

フルアジャスタブル、の意味をあなたは知っているか
オープンカートリッジらしく、トップで伸び側の減衰をアジャスト。

ボトムでは、圧側の減衰をアジャストできる。元々、CRF250Lのボトムには孔が空いていないので、底のプレートを差し替えてアジャスターを埋め込む必要がある。

下段の左から、アジャスター→コンプピストン→リバウンドピストンだ。これが、ケースの中を行き来して減衰力を発生する。ケースは、ハードアルマイトがかかったアルミ製。スタンダードはスチール製である。

圧側は20段。伸側は37段のクリックがついている。このアジャスターは15段分くらいしか体感できないことが多いのだが、このTRICは全段しっかり効果を体感できるアジャスターになっていると土田氏は胸をはる。「伸側は、誰にでもわかってもらえるくらい、変わりますよ」と。

5年前にできていた、プロトタイプ
2017年、釘村忠が日高2デイズエンデューロに出る際に装着していたオープンカートリッジサスペンションが、この原型だ。

2018年の日高前に、釘村のマシン作りを取材。僕も少しのせてもらったのだけれど、完全に虜になってしまった。というか、「オフロードバイクはサスペンションさえしっかりしたものになれば、レーサーになるのだ」と思った。控えめに言って、またがった瞬間からレーサー感を感じるのだ。足がしっかりしていて、コシがあるからバイク自体がしゃっきりした感触を持っている。感触を探る必要も無いほど、初見でギャップに思い切りつっこんでいけるのだ。まったくの、別物。これが市販化を目指していると聞いていて、とても今回の取材を楽しみにしていた。

TRICの発想自体は5年前からあったのだと言う。CRF250Lのサスペンションを、ハイエンドに高めたらどうだろうか。どうしたら、そうなるだろう? そんな思いをぶつけ、当時の開発部隊は様々な既存のサスパーツを集めまわり、作り上げた。だが、それを商品化するめども立たず、お蔵入り。

時を経て、釘村の「このサスをなんとかいいものにしたい」という要望で、上のプロトタイプを引っ張り出した。

左はSTD。中央がプロトタイプ、右がTRIC。

トップキャップすら、TRICは異なる。左のスタンダードでは、底付きをキャップについているブッシュで受けるのだが、右のTRICは見ての通りついていない。オイルロックシステムで、流動的に受ける。だから、あの底付したときの「ガシャーン」という感覚はないのだ。

リバウンドピストンの開発経緯。左はSTD。中央がプロトタイプ、右がTRIC。TRICは、ピストン径をアップしていて、ダンパーボリュームを上げている。

ボトムアジャスター。左はSTD。中央がプロトタイプ、右がTRIC。というか。左はそもそもアジャスターではなくボルトだ。プロトタイプは、ボルトに孔をあけてねじ切って製作してある。

Technixでは、ミニバイクをメインにTASCというセパレートタイプのカートリッジを開発、販売している。今回のTRICは、このTASCの発想をさらに進化させたプロジェクト。CRF250Lのオーバーホールは、車両持ち込みで3万4000円。このTRICは、オーバーホール2.5回分で買えちゃうのだから、とんでもないコストパフォーマンスだ。7月には、試乗記事も制作予定。とても、楽しみにしている。

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(webオートバイ 稲垣 正倫)

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