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主人公の成長を見守るクルマ漫画!? 「オーバーレブ!」に登場する車5選

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主人公の成長を見守るクルマ漫画!? 「オーバーレブ!」に登場する車5選

■頭文字Dに負けず劣らずの名作クルマ漫画!

 クルマによるバトルを題材とした漫画は数多くあり、そのなかでも有名な作品は、古くは「サーキットの狼」、そして「頭文字D」といったところでしょう。しかし、そのほかにもぜひ読んでもらいたい名作は数多く存在します。そのひとつが山口かつみ著の「オーバーレブ!」です。

トヨタが1000馬力、価格も1億円級のモンスターマシンを市販化へ

 本作はクルマを通じて成長する若者たちや、明るい人生を取り戻す人々の姿が描かれています。

 1997年の連載開始から、2004年の連載終了に至るまで31巻が刊行され、2019年3月からはその続編「クロスオーバーレブ!」が電子書籍として連載を開始しました。

 そこで「オーバーレブ!」から、作中で印象に残るクルマを5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「MR2」(志濃涼子)

「オーバーレブ!」の主人公である、志濃涼子(しの りょうこ)の愛車はトヨタ「MR2」です。

 志濃涼子はもともとクルマ好きだったわけではありません。陸上選手としての道を絶たれ失意のなかドリフトと出会い、クルマの世界へと飛び込みます。そんな彼女が「ドリフトができる安いクルマ」として選んだのが初代MR2でした。

 物語の序盤では、まだ彼女はクルマに詳しくはありません。ドリフトができる後輪駆動のクルマを買おうと解体屋を訪れますが、後輪駆動という言葉を覚えておらず、解体屋の主に「『ローリンクドー』のスポーツカーが欲しい」と言ってしまったほどです。

 志濃涼子の駆るMR2は、国産初のミッドシップ2シーターとして1984年に発売されました。

 初代MR2は1.5リッターエンジン搭載車が「AW10型」、1.6リッターエンジン搭載車では「AW11型」という型式でしたが、作品中に登場するMR2は後期型のAW11型で、グレードはG-Limitedです。

 この後期型G-Limitedは145馬力を発揮するスーパーチャージャー付きエンジンを搭載しており、車体重量が1100kg程度であること、そしてミッドシップレイアウトということで、非常に高い加速性能と運動性能を持っているクルマです。

 ボディサイズは全長3950mm×全幅1665mm×全高1250mmと、いまのクルマに比べかなりコンパクトな車体となっています。

 ちなみに初代MR2にはパワーステアリングが装備されていませんが、身体能力が高く、かつ体育会系の志濃涼子は、最終的にこのMR2を難なく操り、ライバルたちを圧倒するまでに成長しています。

 なお、MR2は「ミッドシップ・ランナバウト・ツーシーター(Midship Runabout 2seater)」の略ですが、作中で志濃涼子は「ミスター」と呼んでいます。

●プジョー「106ラリー」(橘沙璃)

 浮世離れしたお嬢様キャラの橘沙璃(たちばな さり)の愛車がプジョー「106ラリー」です。

 橘沙璃はフランス帰りの帰国子女という設定で、おっとりした性格が特徴ですが、彼女が乗る106ラリーはそんなユルさを微塵も感じさせないスパルタンなクルマです。

 プジョー106は同社におけるエントリーモデルで1991年に発売されました。3ドアと5ドアのバリエーションがあり、エンジンについても豊富なラインアップを持った人気モデルで2003年まで販売されました。

 そのなかでも、ストイックなモデルが106ラリーです。その名の通り、ラリー参戦を前提とした競技ベース車両で、エンジンは初期が1.3リッターで後に1.6リッターへ拡大。パワーステアリングやエアコンを装備しないといった潔さから、一部のファンから熱狂的な支持を集めました。

 日本では、1995年から106シリーズの輸入を開始していましたが、106ラリーが日本市場へ正規輸入されることはありませんでした。

 しかし人気の高さから並行輸入というかたちで日本にも入ってきており、現在でも台数の少なさも相まって、高い中古相場を維持しています。

 作品中では、お嬢様とラリー仕様車というギャップや、リズムを重視しスムーズな走りを見せる様子が印象的でした。

●ホンダ「シティ」(竹内徹)

 ヒロインの志濃涼子に想いを寄せる心優しき青年、武内徹(たけうち とおる)が乗るのがホンダ「シティ」です。

「GA2型」のシティは二代目の後期型です。初代シティは1981年に、背の高さを売り物にして大きなヒットを飛ばしましたが、1986年発売の二代目ではその路線を大きく変更し、低さとワイドさを強調したスタイルへと生まれ変わっています。

 GA2型のシティには1.2リッター、そして1.3リッターエンジン搭載車が存在し、前者は76馬力、後者は電子式燃料噴射装置仕様で100馬力というスペックです。

 最高出力だけを見ると頼りなく思えてしまいますがシティの武器は軽さで、車重はわずか760kg(CZ-i 5MT)です。現行の軽自動車であるホンダ「N-ONE」の最軽量グレードが830kgであることを考えると、いかにシティが軽量だったかがわかります。

 作中ではさらに軽量化を施すことで大排気量スポーツカー相手に、高い戦闘力を見せたことが印象的です。実際にジムカーナなどの競技ではシティの強さは圧倒的でした。

 武内徹はシティの中古車を15万円で購入している設定でしたが、現在では同型のシティは当時よりも相場が大きく上昇しており、平均して50万円以上の価格をつけています。

■ドリ車人気が沸騰した「マークII」3兄弟の

●マツダ(オートザム)「AZ-1」(副島孔太)

 軽自動車のみで構成されるという特殊なチーム「JERRy’s(ジェリーズ)」で、最速を誇る副島孔太(そえじま こうた)の愛車がマツダ(オートザム)「AZ-1」です。

 AZ-1が発売されたのは1992年ですが、その1年前である1991年にはホンダ「ビート」、スズキ「カプチーノ」など軽自動車のスポーツカーが相次いで発売されました。AZ-1、ビート、カプチーノの頭文字を取って、当時は「ABCトリオ」と呼ばれるほどでした。

 なかでもAZ-1はひときわ異彩を放っていて、その理由はガルウイングドアを採用していたことです。さらに、ボディパネルにFRPを採用したおかげで軽量に仕上がり、その車重はわずか720kgと、現在のホンダ「S660」では最軽量モデルが830kgですから110kgも軽いことになります。

 ミッドシップによる高い旋回性能、スーパーカー並みのクイックなステアリングレシオという、走り屋のために作られたようなクルマでしたが、その構造上サイドシルが高く乗降が困難であったこと、価格がビートやカプチーノに対して5~10万円ほど高かったこと、車体の挙動がシビアで乗り手を選ぶことなどが災いし、発売からわずか3年で生産が打ち切られています。

 ただし、当時は不人気だったクルマが後に再評価されて人気が高まるのはよくあることです。このAZ-1もその例に漏れず、程度の良い個体だと新車価格を遥かに上回る、200万円以上の値をつけていることも珍しくありません。

●トヨタ「チェイサー ツアラーV」(日下達也)

「オーバーレブ!」には数多くのクルマが登場しますが、そのなかでは比較的珍しい4ドアセダンのトヨタ「チェイサー ツアラーV」を自在に操るドリフターが日下達也(くさか たつや)です。

 当時の自主規制枠の上限ギリギリであった最高出力280馬力を発生する最強グレードだった「ツアラーV」では5MTが存在しました。さらにチェイサーは後輪駆動であり、つまり「ハイパワー/MT/後輪駆動」というドリフトに不可欠な要素が揃ったクルマだったのです。

 そしてチェイサーは兄弟車種であった「マークII/クレスタ」に比べてスポーティな外観が与えられ、丸目4灯ヘッドライトが醸し出す強面な表情が人気でした。

 チェイサーはこのX100系で6代目ですが、この世代を最後に消滅してしまい、後継車として「ヴェロッサ」が登場します。クレスタもこのX100系をもって廃止され、ヴェロッサに統合されますが、後にマークIIも含めすべて「マークX」へ統合され、MTがカタログモデルからなくなってしまいました。

 さらにはスポーツカー人気も下火となり、スポーツ走行に対応できるクルマの多くが販売終了というなかで、このX100系3兄弟は中古市場において「安価で購入できる、ドリフト向きのクルマ」として脚光を浴びることになります。

 その人気は現在でも変わることはなく、そのため良質な個体は数を減らし、相場は150万円くらいと、年式の割に高めの相場を維持しています。

 もともとATとして販売された個体を、後にMTに換装したという車両も珍しくありません。

※ ※ ※

「頭文字D」のように、最初からハイレベルな技術を持つ走り屋たちがバトルを繰り広げる内容とは異なり、「オーバーレブ!」ではクルマの知識、運転技術ゼロという状態から、練習や失敗を重ねて主人公たちが成長していきます。

 それぞれが選ぶクルマにもストーリーがあり、きっと共感できる部分が見つかるかもしれません。

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