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業界ニュース 2019.6.25

和製SUVの先駆者は今──三菱 パジェロ試乗記

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最近、1990年前後の“バブル期”を振り返るのが流行している感がある。そうしたなか、当時のクルマとして思い出されるのは三菱自動車の「パジェロ」である。

初代は1982年に登場し、2代目とともに一世を風靡した。いまは4代目。頑張ってきたが、ついに2019年4月、最終モデル「ファイナルエディション」が700台限定で発売となった。日本市場での販売は、このモデルをもって終了になる。

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ファイナルエディションは、3200ccの巨大な直列4気筒DOHCディーゼルターボ・エンジンを搭載したモデルで、ベースグレードは「エクシード」だ。それに、特別装備として、本革シート(フロントは電動調節式)、ブラックルーフレール、大型サンルーフ、リアディフロックを装着する。なお、ファイナルエディションにガソリン・エンジン車の設定はない。

試乗すると、なかなか味のあるクルマだった。力強いエンジンと、意外なほど快適な乗り心地、そして静粛性の高い室内……SUVとクロカン4WDの中間的なキャラクターにあふれた操舵感覚も魅力だった。

エンジンは直噴コモンレール式で、インタークーラー付ターボチャージャーを組み合わせている。数値をみると、441Nmの最大トルクが2000rpmで発生する設定だ。加速は力強くて、走りはスムーズだった。そして、全長4900mm、車両重量2.2t超にもかかわらず、意外なほど軽快に走るのもおどろきだった。

くわえて、居住性も良好だった。快適装備こそ、最新モデルに及ばないものの、広々とした室内は、居心地がよい。くわえて、開口部の広いサンルーフも魅力だった。ただし、スタイリングは馴染めなかった。良くも悪くも、初代パジェロに引っ張られている感が拭えない。1980年代の韓国車を見るような気さえしてしまった。

パジェロは全グレード4WDだ。「スーパーセレクト4WDII」なる副変速機つきのパートタイム4WDシステムを搭載する。通常は後輪駆動で走り、雪道などではセンターディファレンシャルにビスカスカプリングを使ったフルタイム4WDモードが選べる。また、とんでもない悪路は、センターディフロックを使う直結4WD(ハイとローの切り換え式)で走れる。

今回試せたのは、後輪駆動モードとトルク可変のフルタイム4WDモードのふたつ。その印象は、良い意味で悪路を得意とするクルマというかんじとは無縁だった。おそらく、気筒あたり800ccもある巨大な直列4気筒ディーゼルターボ・エンジンであるにもかかわらず、不快な振動が室内に伝わってこなかったからかもしれない。

また、操舵性やレーンチェンジなどの操縦安定性については、パワフルなエンジンとのバランスが上手にとられていた。パジェロは、「ラダーフレームビルトインモノコック」という独特のシャシーを使い、かつサスペンションシステムは前後とも独立懸架式だ。それによる乗り味はまさに、クロカン4WDとモノコックボディSUVとの中間的なものであった。

私自身は、ラダーフレーム型4WDの乗り味が好きだ。ゆっさゆっさと揺れはするものの、路面からの突き上げがきつくなく、ステアリングホイールを抱えて、馬ならぬクルマを御して走る感覚が好みであるが、パジェロもそんな楽しみを少し味わわせてくれた。

また、ホイールサイズが18インチというのも常識的で好ましい。コーナーをせめるようなクルマでないし。乗員の快適性を考えれば、径は小さく&タイヤの扁平率が高いにこしたことはない。また、マッド&スノータイヤが標準であるが、路面からの情報はしっかり伝わってくるのも好ましい。

ひとつだけ慣れなかったのは、ステアリングホイールを切り込んだときである。うっかりしていると、意図しているより車両が外側にふくらんでしまう。また、小さなコーナーでは一所懸命、ステアリングホイールをまわさなくてはならない。

燃費は、メーカー公表値のJC08モードで10km/L。実燃費はもうすこし低くなるかんじだった。ディーゼルエンジン車としてはそれほどよくない。とはいえ、燃料は軽油だから、ランニングコストは抑えられる。

なにはともあれ、いったん日本の“パジェロ伝説”に終止符が打たれるのは寂しい。振り返れば、1980年代から1990年代にかけてパリ・ダカールラリーを舞台に大活躍したモデルだったのだから。

パジェロは、1983年にパリ・ダカールラリー初参戦し、いきなり「市販車無改造T1クラス」でクラス優勝(総合順位11位)した実力車だった。その後も、1985年、1992年、1993年は総合優勝をものにし、さらに、1997年は篠塚建次郎氏が日本人ドライバーとして初めて総合優勝した。そして、2002年と2003年には増岡浩氏が総合優勝の栄冠を勝ち取っている。

1987年にはユーミン(松任谷由実)も、「ユーミン・マリクレール号」と呼んだパジェロで、パリ・ダカールラリーに参戦したのだ。

過去を懐かしめば懐かしむほど、不思議とパジェロが魅力的に映る。そんなパジェロの終売を惜しんで、「ファイナルエディション」を買うのもアリだ。

現行モデルは2006年登場と、すでに13年前のクルマかもしれないが、魅力はたっぷりある。また、最長10年10万キロ保証もついてくるから、長くパジェロとの生活が送れる。

クルーズ・コントロールにアダプティブ機能はないし、7名乗車でもUSBポートがひとつしかないなど、現代のクルマとして見ると少々古い部分は目立つかもしれない。

しかし、そんな古さも、今となっては“味”みたいなものに感じる。今のクルマでは得られない古き良き“味”だ。もし、「この味がいい!」と、思うのであれば、今すぐ購入すべきだろう。たった700台の限定モデルなのだから。

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(GQ JAPAN 小川フミオ)

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みんなのコメント

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  • nan*****|2019/06/25 21:18

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    しかしながらパジェロやランエボ、古くは初代ランサーにはワークスレプリカカラー等々、他社に先駆けた商品、或いは一時代を築いた商品を出しながらも尽く途中で他社に競り負け、生産販売を止めてしまうのは何故かと思うね。
    車を持っていない社長、運転免許を持っていないエンジン開発担当者もいたよね。
    問題はこの辺りに有るんちゃうの??

    [重要] 益子も怪しいと思う方
  • mrd*****|2019/06/25 23:07

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    もう完売していますよきっと…売れてなくてもやっぱり知名度は高かったんですね。
    燃費はカタログ燃費よりも良いですよ。4輪独立懸架サスペンションだからランクルよりもオンロード性や乗り心地は良いのです。
    やっぱり時代に流されないパジェロの姿は漢を感じますね♪

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