現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【昭和の名車 11】トヨタ2000GT(昭和42年:1967年)

ここから本文です

【昭和の名車 11】トヨタ2000GT(昭和42年:1967年)

掲載 更新
【昭和の名車 11】トヨタ2000GT(昭和42年:1967年)

昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。

デビュー以来半世紀以上、今なおコイツを超えるクルマは現れていない!!
トヨタ2000GT:昭和42年(1967年)5月発売
「トヨタ2000GTの血統を継ぐ3000GT」(先代スープラ)、「トヨタ2000GTの再来」「トヨタ2000GT以来の6気筒DOHCをしめすDOHC-6のエンブレム」(ソアラ)…。

【スクープ】次期アテンザではなかった! マツダのプレミアムFR第一弾の正体判明

いずれもトヨタの高級GTのデビュー時のコピーの一節である。流れるように美しいスタイリングと最高速220km/h、ゼロヨン加速15.9秒の高性能、そして当時としては最高級の豪華な内外装備を身につけた高性能スポーツカー。

トヨタ2000GTの魅力は、それを知る人びとによって今でも熱っぽく語り継がれているが、当のメーカー自身のトヨタ2000GTに対する思い入れも前出のコピーからヒシヒシと伝わってくる。事実、国産スポーツカーの歴史を語るとき、外すことのできない名車のひとつがトヨタ2000GTであることは誰しも認めるところである。

トヨタが市街地や高速道路走行も可能な本格的な高性能スポーツカーの開発を決めたのは、1963年(昭和38年)5月の第1回日本GPの直後だったといわれる。

開発に着手したのは翌1964年5月で、当時のトヨタは66年から68年にかけて、カローラ、センチュリー、スプリンター、コロナ・マークIIというニューモデルの相次ぐ発売の計画を進めており、生産余力もなかったところから、エンジンのチューニングや試作・生産はヤマハ発動機に委託、トヨタ・ヤマハの共同開発の形をとった。設計やエンジンほかの主要部品の供給はトヨタの担当である。

試作1号車の完成は1965年(昭和40年)8月で、その年の10月の第12回東京モーターショーに美しい2シーター・ファストバックのトヨタ2000GTプロトタイプが姿を現わしている。

ショーでの人気をさらったトヨタ2000GTはその後も入念な走行テストを繰り返し、1966年5月の第3回日本GPではプロトタイプ・レーシングカーのプリンスR380に1位、2位は奪われたが、無給油で3位に入賞。6月の鈴鹿1000kmレースには2台が出場して総合1位、2位を占めた。

さらに10月には谷田部の高速試験場で高速耐久スピードトライアルに挑戦、昼夜ぶっ通しの78時間連続走行で3つの世界新記録と13のクラス別国際新記録を樹立し、このクルマの高速耐久性を実証した。

ショーのデビューから約1年半後、ファンをヤキモキさせたトヨタ2000GTの市販は1967年(昭和42年)5月から開始された。ロングノーズ・ファストバックのボディスタイルはショーに展示されたままだったが、センターロックのワイヤーホイールは、市販車ではマグネシウムホイールに改められていたほか、細部で多少の変更も行われていた。

エンジンはクラウン用の新エンジン、M型をベースにヤマハがチューニングし、DOHCとした3M型を搭載した。3M型は直列6気筒、ソレックス3連キャブ、DOHC、1988ccで、最高出力は150ps/6600rpm、最大トルクは18.0kgm/5000rpmを発生した。

足まわりはサスペンションが前後ともダブルウイッシュボーン/コイルの4輪独立懸架で、ブレーキは4輪ディスクを採用した。現在は珍しくない4輪ディスクブレーキだが、当時は国産車としては初めてであった。国産初といえばリトラクタブル・ヘッドランプもトヨタ2000GTが先べんをつけた装備である。

ローズウッドの1枚板のダッシュボードやレザー張りバケットシートなど、内装の豪華さも当時のトップレベルで「すべて純国産」も自慢のひとつであった。

しかし「ハイグレードな車づくり」による高価格も響いて、1970年(昭和45年)8月の生産打ち切りまで3年3カ月の生産累計はわずか337台。

すべてのパーツのひとつ一つを銭単位(円単位ではなく)でコスト計算して生産されるが、2000GTほどコストを無視して作られた例はない。トヨタの技術を世に知らしめる目的があればこそ、歴史に名を残せたのだ。

トヨタ2000GT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4175×1600×1160mm
●ホイールベース:2330mm
●重量:1120kg
●エンジン型式・種類:3M型・直6・DOHC
●排気量:1988cc
●最高出力:150ps/6600rpm
●最大トルク:18.0kgm/5000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:165HR15
●価格:238万5000円

[ アルバム : トヨタ2000GT はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

粉っぽい空気に要注意!! クルマの健康寿命を縮める[粉]の正体と対処法
粉っぽい空気に要注意!! クルマの健康寿命を縮める[粉]の正体と対処法
ベストカーWeb
カブト、新グラフィックモデル『KAMUI-3 RIDGE』を追加。2024年4月から発売
カブト、新グラフィックモデル『KAMUI-3 RIDGE』を追加。2024年4月から発売
AUTOSPORT web
ニッサン・フォーミュラE、伝統のモナコへ。連続する好成績に「チームの士気は高い」と監督も期待
ニッサン・フォーミュラE、伝統のモナコへ。連続する好成績に「チームの士気は高い」と監督も期待
AUTOSPORT web
変なあだ名のクルマと言わないで! あだ名は[愛されキャラ]の証なんです
変なあだ名のクルマと言わないで! あだ名は[愛されキャラ]の証なんです
ベストカーWeb
メルセデスの「SL」の始祖は「300SL」だった。ル・マン24時間でも優勝したアイコンはなぜ生まれ、どのように発展したのでしょうか?
メルセデスの「SL」の始祖は「300SL」だった。ル・マン24時間でも優勝したアイコンはなぜ生まれ、どのように発展したのでしょうか?
Auto Messe Web
「4EVER Untamed」のキャッチを掲げた第6世代の新型トヨタ・4ランナーが米国デビュー
「4EVER Untamed」のキャッチを掲げた第6世代の新型トヨタ・4ランナーが米国デビュー
カー・アンド・ドライバー
フォルクスワーゲン「ポロGTI」誕生25周年!記念モデルを227台限定で発売
フォルクスワーゲン「ポロGTI」誕生25周年!記念モデルを227台限定で発売
グーネット
ヒョンデ 新型高性能EV「アイオニック5N」発売!50台限定の特別仕様⾞も設定
ヒョンデ 新型高性能EV「アイオニック5N」発売!50台限定の特別仕様⾞も設定
グーネット
日産 コネクテッドサービス「ニッサンコネクト」が進化!アプリから操作できる機能が倍増
日産 コネクテッドサービス「ニッサンコネクト」が進化!アプリから操作できる機能が倍増
グーネット
メルセデス・ベンツ 「GLCクーペ」PHEVモデル登場!電気モーターのみで118キロ走行可
メルセデス・ベンツ 「GLCクーペ」PHEVモデル登場!電気モーターのみで118キロ走行可
グーネット
マツダ、新型電動車セダン「MAZDA EZ-6」とSUVコンセプト「MAZDA 創 ARATA」を北京モーターショーで初公開
マツダ、新型電動車セダン「MAZDA EZ-6」とSUVコンセプト「MAZDA 創 ARATA」を北京モーターショーで初公開
月刊自家用車WEB
加藤陽平TD、転倒後も「表彰台にはチャレンジできるなと思っていた」。新加入ダン・リンフットの印象も/EWCル・マン24時間
加藤陽平TD、転倒後も「表彰台にはチャレンジできるなと思っていた」。新加入ダン・リンフットの印象も/EWCル・マン24時間
AUTOSPORT web
ダッシュボードは大改善 フォルクスワーゲンID.5 GTXへ試乗 「7」と同モーターで339ps
ダッシュボードは大改善 フォルクスワーゲンID.5 GTXへ試乗 「7」と同モーターで339ps
AUTOCAR JAPAN
「ミウラ」「カウンタック」「ストラトス」はガンディーニの作でした! オートモビルカウンシル2024で「追悼展示」が急遽開催
「ミウラ」「カウンタック」「ストラトス」はガンディーニの作でした! オートモビルカウンシル2024で「追悼展示」が急遽開催
Auto Messe Web
クルマの買取もグーネットアプリにおまかせ!相場価格がわかる新サービス、3つの便利なポイント
クルマの買取もグーネットアプリにおまかせ!相場価格がわかる新サービス、3つの便利なポイント
グーネット
「お金なさすぎて家賃払えなくて…」大阪出身“売れっ子芸人”が高級SUV「Gクラス」を納車! 東京で“人生初”の車購入「盛山さんがベンツ購入って感慨深い」「夢あるなー」と反響
「お金なさすぎて家賃払えなくて…」大阪出身“売れっ子芸人”が高級SUV「Gクラス」を納車! 東京で“人生初”の車購入「盛山さんがベンツ購入って感慨深い」「夢あるなー」と反響
くるまのニュース
キドニー・グリルからキンクまで 「BMWらしいデザイン」とは何か 8つの特徴を紹介
キドニー・グリルからキンクまで 「BMWらしいデザイン」とは何か 8つの特徴を紹介
AUTOCAR JAPAN
マツダ、北京モーターショーで新型電動車2機種を初披露。2024年中に1車種を発売
マツダ、北京モーターショーで新型電動車2機種を初披露。2024年中に1車種を発売
driver@web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5789.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

144.81870.0万円

中古車を検索
スープラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5789.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

144.81870.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村