2019年6月23日、F1第8戦フランスGPでレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが4位に入賞した。メルセデス勢には差をつけられたが、今後の欧州ラウンドに可能性を感じさせる結果となった。
スペック3投入も打倒メルセデスならず
フランスGP決勝が行われたポールリカール・サーキットは気温が上がり暑い一日になった。4番手スタートのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)はミディアムタイヤでスタート、チームメイトのピエール・ガスリーは9番グリッドからソフトタイヤでスタートと、異なる戦略をとることになる。
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フェルスタッペンはスタートで素晴らしい動きを見せ、3番手のシャルル・ルクレールに迫るなど、序盤からフェラーリとバトルしながら4番手を走行。フェルスタッペンが20周目にピットインしハードタイヤに交換すると、すぐさまフェラーリもルクレールをピットインさせて応戦、フェルスタッペンのアンダーカットを許さない。
5番手セバスチャン・ヴェッテル(フェラーリ)は、フェルスタッペンを逆転するのは難しいと判断、逆にステイアウトして第1スティントをできるだけ引っ張る作戦をとった。フェルスタッペンとフェラーリの2台の速さはほぼ同等、その後、順位を変動するには至らなかった。
ソフトタイヤでスタートしたガスリーは、タイヤに厳しいコンディションの中で奮闘を見せると、17周目にピットインしてハードタイヤに交換。そのままフィニッシュまで走行した。ただ、ハードタイヤで走行した第2スティントのペースが上がらず、後でピットインしたマシンに先行を許すなど11位でフィニッシュ、レース後の裁定により10位となり1ポイントをゲットした。
レース後、7位フィニッシュのダニエル・リカルド(ルノー)に、コース外に出たことでアドバンテージを得たとして5秒のペナルティ、さらに安全にコースに戻らなかったことで5秒の計10秒のペナルティが科され、リカルドは決勝結果11位に降格している。
トロロッソ・ホンダも難しい戦いを強いられた。11番グリッドからスタートのアレクサンダー・アルボンはミディアムタイヤでスタート。開始直後の混乱で16番手までポジションダウンしたが、タイヤを労わって走行しながら、25周目のピットストップまでに多くのオーバーテイクを披露、15位でゴールした。
ダニール・クビアトは、アルボンと反対のタイヤ戦略で、ハードタイヤでスタートして残り21周でミディアムタイヤにスイッチ。最後列からのスタートにもかかわらずオーバーテイクも見せて14位でフィニッシュしている。
ホンダ勢は4台すべて完走、レッドブルの2台がポイントを獲得した。今回投入したスペック3のパワーユニットは週末を通して問題なく機能し、信頼性も確認できたが、打倒メルセデスに向けてはさらなるパワーアップの必要性も感じさせる結果となった。
次戦第9戦オーストリアGPは2019年6月30日、シュピールベルクのレッドブルリンクで開催される。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「レースはひとり旅が続きましたが、退屈することはなく、ルクレール選手がいつも視界に入っていたので、彼のラップタイムに合わせながらモチベーションを上げて走行できました。僕はいつでも自分がどれだけの速さで走れるのか知りたいので、限界までプッシュして走行しています。第2スティントでいい感触だったのですが、残り6~7周でリアのグリップがなくなり、リアタイヤに頼ることができなくなってしまいました。レース前半でルクレール選手についていこうとしたことにより、タイヤを少し使いすぎたのかもしれません。しかし僕たちにとって相性のいいコースではなかったにもかかわらず、フェラーリの1台より前の4位でレースを終えることができました。このレースウイークで少し前進はできましたが、勝つためにはすべての面でまだやるべきことがあります」
ピエール・ガスリー(レッドブル・ホンダ)
「地元フランスでの一戦でもあり、長く困難な一日になりました。とても残念に思っています。予選からグリップをつかむのに苦戦しましたが、それは決勝でも同じでした。現時点で明確な答えは見つかっていませんが、なぜペースが不足していたのか理解するためにすべてを解析していく予定です。コクピットの中からできることはすべて試しましたが、マシンがスライドしてしまい、思ったようにプッシュすることができませんでした。このようなマシンの感覚は初めてだったので、チームと共に早急に解決策を見つけ出し、次戦のオーストリアGPまでにまとめ上げなくてはなりません」
ダニール・クビアト (トロロッソ・ホンダ)
「今日のレースはそんなに悪くなかったと思っています。できる限りのことはしましたし、コース上でいくつかいいバトルも繰り広げることができました。とくにグロージャン選手とのバトルではアウト側から上手くオーバーテイクすることができたし、レース終盤のアレックス(アルボン)とのバトルはとても楽しかったです。ペナルティがなく、もう少し上位のグリッドからスタートしていたらどの位置で終われたかはわかりませんが、ポイント獲得圏内に食い込むのは少し難しかったかもしれません」
アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)
「1周目のターン2でコースアウトしたことにより、妥協せざるを得ない一戦となってしまいました。アウト側がどれだけグリップするのかわかっていなかったため、ポジションをいくつか下げてしまうことになりました。前方にいるマシンよりも速さはあったのですが、DRS圏内でマシンが連なり、隊列状態になっている集団を抜くのに苦戦してしまい、レース中のほとんどの時間を誰かの後ろで走っていました。今日は少しペースが足りておらず、その原因の追究と改善をしていかなければなりません。ダニー(クビアト)とのバトルはとても楽しかったのですが、ポイント圏外のポジション争いは、僕たちが望んでいた位置ではありませんでした」
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