1971年に登場したカウンタックは画期的なレイアウトと斬新なデザインで、スーパーカーというジャンルを確立したモデルとして記憶されている。たしかにこのクルマにはそれまでとはまったく違う魅力があった。
ランボルギーニのレジェンドを作り上げたもうひとつの名車
1971年のジュネーブ・オートサロンに自動車界を揺るがす壮大なモデルが登場した。革新的なまでに美しいラインを持ったクルマを前に入場者は言葉を失った。ランボルギーニ カウンタックの登場だ。
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V型12気筒 4Lエンジンを通常とは前後逆に(クラッチを前方に配置)ミッドに縦置きし、ギアボックスを室内に侵入させることで、良好な重量配分と優れたハンドリングを見事に実現していた。パオロ・スタンツァーニの天才的な発想だった。
そして、このスーパーカーとしては前のめりのパッケージを逆手にとって、独創的なスタイリングを実現したのはマルチェロ・ガンディーニだった。車体を極端に低くし、フロンウインドウを伸びやかに寝かせた結果、ポップアップ式のドアを採用することになったのも、このクルマの人気を決定づけた。
スタンツァーニとガンディーニという、ふたりの天才が生み出した革新的なモデルは、ミウラとはまた異なる、完全に新しいスーパーカーの世界観を作り上げた。
カウンタックはLP400→LP400S→5000クワトロバルボーレへと進化しながら、1990年まで生産が続けられた。1973年に起きた石油ショックからの不況が続く、スーパーカーにとって困難な時代ではあったが、カウンタックは究極のスーパーカーのシンボルとして長く存在感を発揮するのだった。
ちなみに1985年にデビューしたカウンタック5000クワトロバルボーレのライバルは、1984年に登場していたフェラーリ テスタロッサだった。テスタロッサの5L V型12気筒エンジンは最高出力390psを発揮、対するカウンタック5000クワトロバルボーレが搭載する5.2L V型12気筒エンジンは455psというスペックだった。
カウンタックにはもうひとつストーリーがある。カウンタックをもとにランボルギーニ創立25周年「アニバーサリー」モデルが製作されることになり、そのデザインはベルトーネではなくオラチオ・パガーニに任されることになった。そして実際に完成したボディは、カウンタックの基本シルエットを継承しながら、パガーニらしい繊細で美しいものになっていた。
カウンタックは後継車のディアブロが1990年に誕生するまで生産が続けられたが、生産台数は25thアニバーサリーモデルが最多の657台を記録したという。カウンタックで最も大きな成功を収めたのは25thアニバーサリーモデルだったのだ。スタンツァーニとガンディーニという才能に、パガーニの感性が盛り込まれて、カウンタックはさらなる高みに達したことになる。
ランボルギーニ カウンタック主要諸元
●全長×全幅×全高=4140×1890×1070mm
●ホイールベース=2450mm
●エンジン=V12DOHC
●排気量=3929cc/4754cc/5167cc
●最高出力=353ps/375/455ps
●トランスミッション=5速MT
●駆動方式=MR
●最高速=295-300km/h
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