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【ハリアー C-HR デリカD:5】 今や世界の潮流に!! クロスオーバーSUVが新未来を切り拓く!!

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【ハリアー C-HR デリカD:5】 今や世界の潮流に!! クロスオーバーSUVが新未来を切り拓く!!

 ポルシェカイエンを筆頭に、高級車も今や続々とSUVモデルを投入するようになった。この世界的な流れはまだまだ続きそう。

 本企画はSUVモデルに代表されるクロスオーバーモデルの盛り上がりを考察する!

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※本稿は2019年4月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年5月10日号

■「いいとこ取り」のクルマはいつの時代も人気者

 国内の新車販売状況を見ると、軽自動車が38%前後を占めて、コンパクトカーも約25%に達する。安全装備や環境性能の向上で、クルマの価格が全般的に高まった影響もあり、小さくて実用的な車種が60%以上を占める。

 その一方で「クロスオーバー」と呼ばれるカテゴリーも人気を高めた。悪路を走破できるSUVと、それ以外のカテゴリーを融合させたクルマを示す言葉だ。

 たとえばスバルXVは、5ドアハッチバックのインプレッサスポーツに「SUVの要素」を加えた。

●車高を上げればアッという間にSUV スバル XV

昨年のマイチェン時にe-BOXERマイルドハイブリッド搭載車が追加されたXV。新ボディ骨格SPGと相まって走りは秀逸だ。ルーフレールもオフロード感を演出

 SUVの要素とは、ボディ側面のホイールアーチと下まわりに装着するブラックの樹脂パーツ、前後バンパーの下側に備わるアンダーガード風のパーツなどだ。

 悪路を走る本格的なオフロードSUVでは、頑丈なスチール製のオーバーフェンダーやアンダーガードを装着するが、クロスオーバーでは装飾として使われるため、軽くて安価な樹脂製になる。

 スバルXVでは最低地上高を200mmに高めて悪路のデコボコも乗り越えやすいが、乗用車と同程度の車種も多い。

 外観(正確にはボディの下側)をSUV風に変更しただけで、本質はワゴン、ミニバン、コンパクトカーなどの乗用車だ。

 ハリアーは、ボディの上側はワゴンに準じた形状になる。前後席ともに居住性が優れ、リアゲートを備えた荷室も使いやすい。

●元祖クロスオーバーモデルがこちら トヨタ・ハリアー(セダン + SUV)

初代登場は1997年。その時のイメージはセダンとSUVのクロスオーバーだった。つまり高級車市場に投入された4WDだった。写真の3代目は2013年登場

 デリカD:5は、一般的には走破力の高いミニバンとされるが、ミニバンとSUVのクロスオーバーという見方もできる。

●進化したダイナミックシールドで登場 三菱・デリカ D:5(ミニバン + SUV)

ミニバンとクロカンを融合させた1979年登場のデリカスターワゴンが元祖。なので、かれこれ40年の歴史を持つクロスオーバー車の首領的な名車といえる

 外観はまさにクロスオーバーで迫力があり、居住性は全長が4800mm以下の乗用車では最も快適だ。カッコよさと実用性の融合は、SUVの本質を突いている。

 ハスラーは軽自動車のクロスオーバーだ。機能は背の高い軽自動車だから、デリカD:5と同じくカッコよくて実用的だ。

●女はカワイイ軽 男は逞ましい軽 スズキ ハスラー&スペーシアギア(軽 + SUV)




軽とSUVを絶妙にミックスさせて大ヒットしたハスラー。その魅力は今も薄れていないが、スズキはさらにスペーシアギアを発表。まだまだこの路線を突き進むようだ

●でっかいハスラーです スズキ・クロスビー(コンパクト + SUV)

5ナンバーに収まるコンパクトさと、ワゴン的にも使えるユーティリティのよさを併せ持つクロスオーバー車。最低地上高はハスラープラス5mmの180mmとなった(4WD比較)

●Aセグメントのクロスオーバーモデル スズキ・イグニス(コンパクト + SUV)

逞しさとブサ可愛さを併せ持つコンパクトクロスオーバー。このフロントフェイスは何よりこのクルマの特徴。マイルドハイブリッドによる燃費のよさも魅力的だ

 好調に売れるC-HRは、5ドアクーペ風のクロスオーバーになる。このほかレガシィアウトバックの北米仕様には、かつてワゴンと同様に車高を高めたセダンも用意された。セダンスタイルのクロスオーバーもあるわけだ。

●トヨタが放つジューク対抗馬/トヨタ C-HR(クーペ + SUV)

5ドアクーペとSUVのクロスオーバーマシン。泥臭くなくアーバンなイメージが特徴だ。昨年、それまで4WDにしか設定のなかった1.2LターボユニットをFFにも設定した

●飛び抜けた独自デザインがステキ 日産 ジューク(クーペ + SUV)

今まで見たことないようなクーペ風ボディにSUV要素を組み込んだジューク。上級モデルに装着される17インチの大径タイヤがこのクルマのフォルムを印象づけている

●ワイドなボディが迫力満点だ! 三菱・エクリプスクロス(クーペ + SUV)

三菱が満を持して昨年登場させたコンパクトSUV。ライバル車と大きく違うのは、三菱ならではの優れた4輪制御技術が投入されていること。このアドバンテージはでかい!

 つまりクロスオーバーとは、クルマのカテゴリーでありながら、 ボディ下側の形状を示す言葉でもある。

 外観を力強くワイドに見せる外装パーツと大径タイヤを装着して、最低地上高に少し余裕を持たせれば、どのクルマもクロスオーバーに変身する。ボディの上側はミニバンも含めていろいろな形状が用意されるから、好みや使い方、ライフスタイルに応じて選べる。

 昔から幅広い車種にエアロパーツを装着するスポーティグレードが用意されたが、今では新鮮味が薄れた。これに代わるのがクロスオーバーだ。

 クロスオーバーは、子育てを終えて、ミニバンから別のカテゴリーに乗り換えるユーザーの間でも人気を得た。

●3列シートが自慢のクロスオーバー マツダ CX-8(ミニバン+ SUV)

クロスオーバーでありながら、7人乗り3列シートを持っていることがこのクルマの大きな特徴。またエンジンほか数々のSKYACTIV技術を投入されていることもライバルに差をつける

 ミニバンを所有して天井の高いクルマに乗り慣れると、セダンやクーペには戻れない。だからといってミニバンに乗り続けたら広い空間がムダになる。背の高いコンパクトカーにダウンサイジングするのも退屈だ。

 このような迷いが生じた時に、実用性とSUVのカッコよさを併せ持つクロスオーバーはちょうどよい選択肢になる。

■クロスオーバーのイメージを変えたベンツ

 欧州車の動向も見逃せない。欧州は走行速度が高く、安定性が重要になる。そのために以前は、重心の高いSUVやクロスオーバーをほとんど開発しなかった。

 それが2000年頃から急に増え始めた。北米での需要が多く、技術進歩によって走行安定性の不安も解消されたからだ。メルセデスベンツなどの上級ブランドにも、伝統的なフロントマスクを備えるクロスオーバーが用意された。

●価格差90万円でクロスオーバー メルセデス・ベンツ・GLA

おとなし目のAクラスが、こんなに逞ましいスタイルになるなんてクロスオーバーマジックは凄いようです。タイヤサイズがAクラスの16インチから17インチになる

 こうなるとクロスオーバーのイメージも変わる。それまでは登山に使うトレッキングシューズを街中で履くような新しい感覚だったが、メルセデスベンツなどが参入すると、フォーマルな価値観も加わる。クロスオーバーがオーソライズされて格付けも高まり、人気はさらに加速した。

 特に中国でもクロスオーバーが人気を高め、世界的な潮流に発展していく。個人的にはSUVとかクロスオーバーが最も似合わないと思っているロールスロイスまでカリナンを発売した。

●クーペボディが新時代をアピールする ポルシェ・カイエンクーペ(スポーツカー + SUV)

●BMW・X6(スポーツカー + SUV)

高級クロスオーバー市場に5ドアクーペのボディをいち早く導入したのはBMWのX6。これに触発されカイエンもクーペを発表した。日本でも間もなく登場!

●もはや何でもありのMINI軍団です ミニ・クロスオーバー(MINI + SUV)

元祖MINIにはカントリーマンとバンのボディ体系があったが、新生MINIはちょっと前までクーペありペースマンありといった何でもあり状態。もちろん商売上手なのでクロスオーバーもラインナップ

●スーパーカー世代もびっくり! ランボルギーニ・ウルス(スーパーカー + SUV)

かつてランボもLM200というオフロードモデルをラインナップさせていたが、33年目にして再投入してきたのが今年日本上陸したウルス。4LのV8ツインターボはなんと650psを発揮する

 このようにクロスオーバーが人気を得た背景には、車両企画の行き詰まりもある。

 セダンは日本だけでなく海外でも旧態依然とした存在になりつつあり、フォードはセダン市場から撤退する。ワゴンも低重心が好まれる欧州以外では車種数が減った。

 スポーツクーペは、フォードマスタング、シボレーカマロ、ダッジチャレンジャーなどが初代モデルに回帰した外観になり、この時代を知る中高年齢層をターゲットにしている。ピックアップトラックは、北米やアジアでは人気が根強いが、世界的に販売できる商品ではない。

●おしゃれな人注目 シトロエン・C3エアクロス

こちらもまだ日本に導入されていないが、C3にオフロードテイストを盛り込んだエアロクロス。ルーフレールのデザインひとつ見てもおフランスものは、違いますね

●パンダにもクロスオーバー登場 フィアット・パンダクロス

フィアット500には500Xというクロスオーバーモデルがあるが、このほど本国ではパンダのクロスオーバーモデル、パンダクロスが発表された。堂々の外観。これは売れそうだ

●ゼロが増えるとオフロードテイストになる プジョー・3008

プジョーの文法によると車名にゼロがひとつ加わるとクロスオーバーモデルとなる。サイドウィンドウの形状から単なる308ではなく308SWがベースか?

■クロスオーバーの未来はアカルイ

 そうなるとクロスオーバーは、実用/低価格志向の軽自動車やコンパクトカーを除くと、最後の売れ筋カテゴリーになる。しかも比較的容易に開発できるから、世界中の自動車メーカーがクロスオーバーに群がり、甘い汁を貪欲に吸っている状況だ。

 まだ知られていない新しいクルマのカテゴリーはあるのだろうか。それを生み出せないとしたら、クロスオーバーを定着させて、甘い汁を吸う時間を長く保つしかない。

 今後はさまざまな車種にクロスオーバーが設定されるだろう。また外観のカッコよさとは違う新しい魅力を創造するために、クロスオーバーを使いこなす研究開発もせねばならない。

 背の高いボディを生かし、床下に駆動用電池を敷き詰めた電気自動車は、クロスオーバーの新しい活用方法だろう。

 これからの発展が最も期待されるカテゴリーだ。

【番外コラム】 生産終了が惜しい! ある意味究極クロスオーバー

 今はラインアップから外れてしまったが、クロスオーバー特集にまさにふさわしいのがこちらイヴォークのコンバーチブル。

※当時の価格は788万円(ディーゼル)

 SUVとオープンの組み合わせはまさに究極だ。かつてアメリカ市場でムラーノのオープンモデルもあったけど、こういうの、売れるかどうかわからないのにメーカーとしてよくやるよね。


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