合流・車線変更・出口…高速道路での運転はいつ何時も気が抜けず、かといってガチガチに緊張していてもかえって危険。
とはいえ、ただでさえこの時期は、免許取り立て初心者ドライバーがたくさん「路上&高速デビュー」してくるタイミングでもある。
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思わぬ事故やトラブルに見舞われないために、危険を回避して高速道路を安全快適に走るためのテクニックを考えていきましょう!!
※本稿は2019年4月のものです
文:ベストカー編集部/写真:AdobeStock、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年5月26日号
■突然のクルマ停止 まず落ち着く → 他車に状況を知らせ → 道路外に退避
高速道路で最も怖いのが本線上での停止だ。車両トラブルで停止しそうになったなら、惰力で動いているうちになんとしても路側帯に移動させるべき。
それでも不測の事態で本線上に停止してしまう状況になったら、ハザードランプを点灯し、緊急事態を後続車に伝えるため発煙筒を焚いて後方に投げる。
車内にいるのは極めて危険なのだが、慌てて車外に飛び出すのも危険。
後続車が遠くに見えても100km/h以上で迫ってくるのであっという間に接近する。右車線で停止したなら中央分離帯でもいいので、とにかくガードレールの外に脱出する。
事故や故障時はためらわずに非常電話、あるいは緊急ダイヤル「♯9910」を!
■「煽られない運転」でストレスフリーの安全ドライブ
前走車にピタリと張り付く「煽り運転」は危険極まりなくもってのほかなのだが、自衛策として「煽られない運転」を意識したい。
煽る側の心理を読み解けば、つまりは「前をゆっくり走っているんじゃねーよ!」、「オレの邪魔をするんじゃねーよ!」に尽きるわけで、それが走行車線だろうが追い越し車線だろうが、後から迫り来るクルマがいたら、スッとよけて先に行かせるのが吉。
合流などで「割り込んだ」と勝手に思い込まれて煽られることもあるので要注意
ここでうっかり速度を上げて引き離そうなんて思ったら、それはそれで「煽りスイッチ」を入れてしまうので×。とにかく関わらないことがいい。
■渋滞時は自車が最後尾になるな!!
大型連休の高速道路では渋滞に遭遇することも多くなる。
それまで順調に流れていた先に渋滞の最後尾を発見したなら、なるべく手前から注意喚起のためにハザードランプを点滅させて、バックミラーで後続車の状況を確認しつつ徐々に速度を落として、自分の後方に後続車の列を作るようにしながら渋滞の最後尾に付くようにする。
渋滞の最後尾になるということは、高速道路の本線上に無防備な状態で停止していることにほかならないから、極力避けるようにする。
ただし、あまり車間を開けて速度を落としていくと後続車が追い抜いて行ってしまうため、そのあたりの距離感は状況を見ながら調節していただきたい。
さらに完全停車になるようなら、できれば前もって左側車線に位置取りをして、ピタリと前車に接近させて止まるのではなく、いざという時にハンドルを左に切って路側帯に逃げられる程度の距離を開けておくことだ。いざという時の逃げ道を作っておくのだ。
■出口を間違えた!! JCTで方向を間違えた!! そんな時はどうする!?
慌てず落ち着いて次のインターチェンジまで行く。ETCを使っている場合でも有人ブースへと進み、出口を間違った旨を伝えればいい。
『特別転回』という手続きをしてくれて、本来降りる予定だったICまでの料金で戻ることができるよう、スタッフが誘導してくれる。ジャンクションで進む方向を間違えた時も同様だ。
ジャンクションで行くべき方向を間違えたような時にも、慌てず先のICで降りて有人ブースで事情を話して手続きをしてもらえば戻れるのだ
入口で料金所ゲートを通過して、行きたい方向と逆のルートへ進んでしまった場合も同様。流入路で停止したり、ましてやバックして戻ろうなどしてはダメ。
そのまま進行して、次のICで同様の手続きを取って戻ればいい。間違えても慌てないことだ。
■大きなSAよりも小さなPAが狙い目だ
レストランやガソリンスタンド、売店などの設備が整った大規模SAはどうしても混雑する傾向がある。仮眠などをしたい場合、狙い目はトイレしかないような小規模のPA。
混雑した大規模SAは、場合によってはクルマを止めるだけでも時間がかかってしまうが、小さなPAならば比較的すいていることが多いのだ。地方の高速道路には、このようなPAが意外と多いので、事前にチェックしておくといい。
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■逆走車発見!! 減速して左へよけよ!!
逆走車を見かけたら、慌てるなといっても難しいだろうが、基本は『左によける』ことだ。
逆走車のドライバーは自分が正しい方向に走っているつもりなので、多くの場合、キープレフトのつもりで追い越し車線を走ってくる。対向車を認識しているため、逆走車もよけるために左側を走ろうとするのだ。
同乗者がいれば携帯電話で即座に110番通報。ハザードランプで後続車に異常を伝え、速度を落として安全を確保する。
■トンネル出口は天候急変に気をつけろ!!
高速道路にかぎらないが、長いトンネルは山岳を貫くために掘られているので、トンネルの出口では天候が急変している可能性が大きいのだ。
入り口側では晴れていても、トンネルの向こう側、つまりひと山越えた向こう側はまったく天候が違っていることはよくある。
景色が開け、明るくなると安心してしまうのが人間というものだが
トンネル内を100km/hで快適に走行した先が豪雨でヘビーウェットだと、ハイドロプレーニングの恐怖もあるし、巻き上げられた水しぶきで視界も奪われる。
■高速道路でガス欠は違反になる!! 100km以上給油できない区間はこんなにある
通常、高速道路上では50km程度ごとにSAあるいはPAが設置されていて、ガソリンスタンドがあり給油できるようになっている。
クルマのインパネにはガソリン残量警告灯があり、走行可能距離が100kmを切るような残量になると点灯し、給油を促すようになっている。なので、警告灯の点灯を確認したら、速やかに次の給油施設のあるパーキングに入ればいいのだが……。
高速道路では「まだ大丈夫」と思わず、早め早めの給油が安心だ
高速道路網が充実したことで、既存の高速道路同士が新設高速道路で繫がったりして、長距離ガソリンスタンドがない「空白区間」が全国に増えている。
もともとガソリンスタンドがあったSAやPAから業者が撤退して空白区間が広がったエリアもある。
また、高速道路上のガソリンスタンドは24時間営業ばかりではなく、深夜時間帯に営業を休止している場所もあるので要注意。
国交省では高速道路上で150km以上ガソリンスタンドがない区間は「解消された」としているが、上の表に示した区間は「高速道路外ガソリンスタンド給油サービス社会実験」によって解消された区間。指定された途中のICで一時的に高速道路を降りて、近隣のガソリンスタンドで給油して元のICから再度乗ることで高速道路料金が継続して計算されるとしたもの。道東道は無料区間なので特に社会実験の対象ではない
■タイヤエア圧チェックで燃費も安全性も高まる
最近のクルマは高性能なので、高速道路を走行するからといって、特に身構えることはないのだが、タイヤのエア圧には充分注意していただきたい。
扁平タイヤが増え、多少内圧が低下していても見た目にわかりにくくなっているため、最低でも月イチでのエア圧チェックは心がけたい。
内圧が減った状態で走行すると異常発熱をしてタイヤがバーストする危険がある
エアが不足していると、高速走行時にタイヤが遠心力で変形し、異常発熱をしてバーストする危険がある。また、エア圧が低いと転がり抵抗が増えるため燃費も悪化してしまう。
給油時にガソリンスタンドでエア圧のチェックをして調整しよう。
【番外コラム】 ガス欠も違反!!? 高速隊はスピード違反だけではなく車間距離や通行区分違反も見ているぞ!
高速道路での交通違反取り締まりというと、スピード違反が真っ先に思い浮かぶだろう。実際、警察の取り締まりも強化されており、年間40万件程度と、速度違反の検挙が圧倒的に多いことは間違いない。
しかし、警察が見ているのはそれだけではないのだ。
いろんな違反が多発中
●車間距離不保持
以前からわりと頻繁に取り締まりが行われていたのだが、昨今の「煽り運転」に対する取り締まり強化により、高速道路での車間距離不保持取り締まりは強化されている。
GPS内蔵レーザー距離計なるものが導入され、パトカーの助手席から簡単に車間距離を測定し証拠とすることができるため、取り締まり頻度も高まっている。検挙されれば2点、9000円の反則金。
高速道路での車間距離は例えば100km/hならば100m、80km/hならば80mを目安とする。
●通行区分違反
追い越し車線を走り続けているとこの違反に問われる。年間7万件程度の取り締まりがあり、高速道路での取り締まりとしてはメジャーな案件だ。違反点数1点、反則金6000円となる。
具体的に何キロ走り続けたら違反になる、ということはなく、追い越し完了後速やかに走行車線に戻らないことが違反の要件。前のクルマを追い越すために右車線に出たものの、その先で走行車線が混んでいて戻れないような状況であれば問題ない。
現実的な取り締まり場面としては、速度違反を現認したパトカーが計測のために追尾体制に入るところで察知した違反車が速度を落とし追尾計測ができなかった様な時に「かなり速度が出ていましたね。厳重注意ということで、今回は通行区分違反で切符を切ります……」。
●ガス欠
上でも触れているように、高速道路上でのガス欠は道交法75条の10「高速自動車国道等運転者遵守事項違反」により違反に問われるケースがある。2点、9000円の反則金。
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