■「技術の日産」を象徴するプロパイロット2.0とは
現在、日産の経営は「電動化」と「電脳化」が柱になります。そのなかの電脳化に関しては、現行「セレナ」に初採用された運転支援システム「プロパイロット」が約3年でグローバルの7モデルに採用拡大し、累計35万台を記録しています。
日産、高速道で手放し運転可能とした「プロパイロット2.0」を新型スカイラインに搭載
その進化版となるのが、今秋に日本で発売する「スカイライン」に搭載予定の「プロパイロット2.0」です。従来のプロパイロットから何が進化したのでしょうか。
プロパイロットとは、高速道路の同一車線内でアクセル/ブレーキ操作(=インテリジェントクルーズコントロール)とステアリング支援を統合制御する運転支援システムです。
その進化版として発表されたプロパイロット2.0は、「高速道路のナビ連動ルート」と「同一車線内のハンズオフ機能」を組み合わせシステムとなり、簡単にいうと「ナビゲーション」と「運転支援」を連動させたシステムなのです。
具体的には、ナビゲーションで目的地を設定しルート走行をおこなう際に、高速道路の本線への合流から高速道路の出口までの間で「ルート上の車線変更と分岐の支援」、その際に前方に遅いクルマがいる時は「追い越し時の車線変更の支援」をおこなってくれます。
更に、同一車線内であれば「ハンズオフ(=ステアリングから手を離す)」も可能と、まさに運転操作も含めて幅広いシーンで支援をします。
使用方法は、メーター内の「インテリジェントインターフェース」に道路・周囲の状況、制御の状態をリアルタイムに表示。地図上の位置と周囲の交通状況を考慮してシステムが運転支援をおこなうかどうかを提案。
ドライバーがボタンを押し承認して初めて支援を開始。その動きは、まるでプロドライバーが運転しているかのような滑らかな走りだそうです。このような運転支援を可能にする秘密は、「3D精度地図データ」と「360度をカバーする周囲センシング(センサーを利用した計測・判別)」の2点です。
3D精度地図データは、高速道路の形状をcm単位レベルの細かさでデータ化した物で、道路の曲率や勾配はもちろん、全ての車線の区分線情報や速度標識、案内標識の情報が入っています。
これにより道路と自車の位置関係を精度高く把握できるのはもちろん、カメラで見える範囲より先の道路状況の判断もできるので走行計画も立てやすく、結果的により正確で滑らかな速度抑制/ステアリング制御が可能です。
ちなみに、プロパイロット初採用モデルがミニバンのセレナだったのは、「より多くの人に使ってほしい」という考えでしたが、プロパイロット2.0初採用モデルがスカイラインなのはどのような理由があるのでしょうか。
副社長の中畔邦雄さんは「スカイラインは時代ごとの最先端技術を搭載し、『技術の日産』の象徴的な一台」と語りますが、筆者(山本シンヤ)はスカイラインのみに採用されている技術のひとつである「ダイレクト・アダプティブ・ステアリング(DAS)」にヒントがあるのではと考えています。
DASとは、ステアリングの動きを電気信号に置き換え、その信号に応じて2つの高機能EPSモーターがラックを左右に動かしタイヤを操舵させますが、プロパイロット2.0で正確かつ滑らかな操舵支援をおこなうには、通常のEPSモーターではなく高機能EPSモーターが必要だったのでしょう。
また、プロパイロット2.0の開発を担当したAD/ADAS先行技術開発部 部長の飯島徹也さんは「システムを確実な物にするために、日本の高速道路は全て実際に走ってテストを行なっています。それ以外にも現時点で考えられる様々なシーンを想定し、6軸の高機能ドライビングシミュレーターも活用しています」と話します。
■プロパイロット作動時の責任はあくまでもドライバーにある
運転支援システムの話題になると、「手放し運転やわき見を助長する」、「事故を起こしたら誰が責任を取るのか?」という意見が出ますが、プロパイロット2.0は自動運転レベルでいえば「レベル2とレベル3の間」であり、運転する上で全ての責任はドライバーにあります。
そのため同一車線内のハンズオフもドライバーが常に前方に注意し、さまざまな状況に応じてステアリングを操作できる状態である必要があるのです。
車内には、ドライバーが前方を注視しているか監視するためのドライバーモニターカメラも装備されています。ドライバーがわき見をした場合、音/表示を用いて何度も注意を行ない(回数が増すに連れて警報度合が上がる)、それでもダメな場合は緊急停止する仕組みになっています。
筆者(山本シンヤ)は、東名/新東名を含む首都圏の高速道路を日々活用していますが、2018年から2019年にかけて何度も偽装されたスカイラインの姿を目撃しました。今思うとそれはプロパイロット2.0の実走テストだったのでしょう。
ちなみに昨今、新たな高速道路の開通が増えていますが、地図データをそれらに対応させるために年に数回のアップデートを予定しているそうです。
しかし、道路環境は時々刻々と変わるため、クルマ側でのセンシングも必要となります。プロパイット2.0では3つの画角(150/54/28度)を持つトライカムとAVMカメラ×4の「7つのカメラ」、フロントとサイド×4の「5個のレーダー」、そして「12個のソナー」で白線/標識/周辺車両などを検知。
これらを組み合わせることで、車両の周囲360度の情報と道路上の正確な位置、そして周囲の車両の複雑な動きをリアルタイムで把握しています。
なお、プロパイロット2.0は日本のスカイラインへの採用を皮切りに水平展開もおこなっていくそうです。具体的な車種は出ませんでしたが、中畔さんは「これから3年間でコアモデルのほとんどをリニューアルします。そこにはプロパイロット2.0を含め、新しいニッサン・インテリジェント・モビリティの機能を入れていきます」と語りました。
また、確定はしていませんが海外展開も計画されているそうです。
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