振り返ると、ボクのフェラーリ購入はずいぶん大胆だった。試乗をせず、パッと見のコンディションだけで購入を決めてしまったのだ。ゆえに、所有してはじめて気づいた点がいくつかある。
まず、フロア・マット。フェラーリの正規輸入代理店である「CORNES(コーンズ)」(以前は輸入元だった)のロゴ入りタイプが敷かれている。
29歳、フェラーリを買う──Vol.10 フェラーリ・オーナーとの交流
とはいえ、インテリア・カラーと調和しているか? と、言えば、ノーである。ボクの360モデナはシートやドアライニング、ルーフにタンのレザーがあしらわれ、カーペットはレッドのモケットという珍しい組み合わせだ。
しかし、濃紺のフロア・カーペットが、そんな優美な世界をスポイルする。模様もスタイリッシュとは言い難いパターンだ。とはいえ、頻繁に乗るわけでもないので、そのままにしていた。
ある日、ふとマットを見ると妙に厚いことに気づいた。「随分、厚いフロア・マットだなぁ」と、思い、触ると、なんとフロア・マットが2重になっていた!
コーンズの純正フロア・マットの下には、フロア・カラーとおなじ鮮やかなレッドのマットが敷かれていた。なぜか?
コーンズに聞くと「以前は、オリジナルのフロア・マットがよくズレてしまったほか、マットを汚したくないといった要望があったためです」とのこと。当時、コーンズ純正のフロア・マットは全車標準だったという。
ちなみに現在は、フェラーリ純正フロアマットのクオリティが向上したゆえ、コーンズではフロア・マットを作っていないそうだ。
詳細な製作経緯について尋ねると、古い話になるためわからないという。
そこで1990年代、コーンズ に勤めていた自動車ジャーナリストの武田公実氏に話を聞いた。
「たしか、日本国内のサプライヤーが手がけていたはずだよ」とのこと。どうやら、汎用品にコーンズのロゴを装着していたようで、フェラーリ専用というわけではなかったらしい。気になったデザインについては、「当時、担当していた人のセンスが……」と、歯切れの悪い返事が。
とはいえ、おかげでフロアは綺麗だ。フェラーリ純正のフロア・マットは、ほとんど汚れていない。センスはさておき、クルマを綺麗に保ちたいから、コーンズ のフロア・マットはそのままにしている。
360モデナを購入して驚いたのは、積載性である。想像以上に荷物が積めるのだ!
フロントにあるラゲッジ・ルームは深さがあるため、小旅行程度の荷物なら余裕で入る。しかも、ステーはダンパータイプだから開閉はスムーズ。くわえて、夜間の出し入れに便利な照明付きだ。
どれくらい積載可能か実際に調べた。すると、ボクが普段使っている機内持ち込み用サイズのスーツケース(RIMOWAの「ESSENTIAL LITE Cabin S」)を2個も積めたのだ(横倒し置き)。
とはいえ、スーツケースを2個同時に使うケースはない。そこで、普段の出張時に使うバッグの組み合わせ(機内持ち込み用サイズのスーツケース1個+トラベル用ソフトバッグ1個)を試したが、もちろん問題ナシ。
しかも、スーツケースが1個であれば、縦にして積めた。
くわえて、フロント・シートのうしろにも荷物は置ける(小物入れ用のネットもある)。横幅があるので、長尺物は楽々だ。大型スーツケースも積める。
ただし、気になる部分もちらほら。まずはラゲッジ・ルームの開閉。電磁式のため、エンジン・オフでは開けられないのだ。ゆえに、出し入れの際はいちいちアクセサリー・モードないしはエンジン・オンにしなければならない。
もうひとつは室温である。遮熱対策が甘いのか、すこし走らせるだけで、ラゲッジ・ルームに熱がこもる。エンジンがうしろにあるというのに……。以前、スーパーで購入したアイスクリームを入れて自宅に戻ったら、すべて溶けてしまったほど。以来、生鮮食品は車内に置くようにしている。
外気温が時折り30℃超になったものの、フェラーリは問題なく走っている。エアコンも十分すぎるほど効く。
ちなみに、360モデナのエアコンはオートエアコンだ。20年以上前のモデルゆえ、機能は期待していなかったものの、必要十分だった。
思っていたよりも緻密に温度や風量をコントロールしてくれる。したがって、普段は「auto」の位置にあわせたままだ。
ちなみに30℃超の日、首都高の渋滞に一瞬はまったが、エアコンを使用したままでも、問題なく走った。とはいえ、心理的に怖いので、なるべくエアコンは使わないようにしている。
また、インパネに5つならぶ送風口のうち、2つから風が出ない。現状、困ってはいないので、いずれ故障の原因を調べようと思う。
最近気付いたが、ボクの360モデナのルームミラーには、なぜかハムスターをモチーフにしたキャラクターのシールが貼られている。
ワンオーナーゆえ、貼ったのは前オーナーだろう。理由は不明だ。
ボクの360モデナには、ボディサイドのストライプや社外品ダンパーなど正体不明なパーツがいくつか装着されているが、1番の謎はこのハムスターだ。“跳ね馬”に、なぜ“ハムスター”???
これもまた中古フェラーリの醍醐味(?)かもしれない……と、自分に言い聞かせるのであった。
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