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日産小型車の行方 ノートが主力でかつての人気車「マーチ」の存在意義とは

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日産小型車の行方 ノートが主力でかつての人気車「マーチ」の存在意義とは

■マーチからノートへ変わった日産の方針とは

 毎年、国内自動車メーカーの販売台数ランキング(登録車)では、トヨタ車の「プリウス」「アクア」が上位を独占していました。しかし、2018年の年間販売台数において、日産「ノート」が首位を奪ったのです。

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 プリウスやアクアと並んで売れているクルマの代名詞的存在となったノートですが、日産にはコンパクトカーの「マーチ」もラインナップしています。ノートが登場するまでは日産を支えるコンパクトモデルとして存在感があったマーチは、なぜ影が薄くなってしまったのでしょうか。

 マーチは、かつて国内のコンパクトカー市場において絶大な人気を誇るモデルでした。とくに、2代目モデル(1992年-2002年)は日本ならびに欧州にてカー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、グローバルで評価され、当時の日産を小型セダンの「サニー」とともに支えていました。

 1992年の新車販売ランキングでは9位に、1993年から1997年までは上位3位にランクインし続けるほど、いまのノートと同様に人気のクルマといえます。

 その後は、競合車としてトヨタ「ヴィッツ」やホンダ「フィット」といったコンパクトカーが登場し苦戦を強いられますが、2002年に3代目へフルモデルチェンジしたことで復権の兆しが見えるのです。

 しかし、2005年に日産のラインナップにノートが登場。その年の販売ランキングは、ノート5位、マーチ19位と大きな差が生まれますが、翌年以降はトヨタやホンダの各人気モデルに押されたこともあり、しばらくは両者ともに大きく販売台数を伸ばすことができませんでした。

 長年に渡り日産の販売店で営業をしていた元営業スタッフは次のように話します。

「2代目のマーチは、90年代初頭に爆発的に売れました。バブル崩壊後ということやトヨタ『スターレット』との相乗効果によってコンパクトカーに注目が集まり始めていたことが大きかったと思います。

 また、2000年代に入ってからは同カテゴリの強豪車や軽自動車、そしてマーチよりも室内空間が広く使い勝手が良いノートの登場が影響したことや、現行マーチ自体のデザイン・性能がユーザーから評価されなかったなどのさまざまな要因の結果、大幅に販売台数が落ち込みました。

 そして、両者の差を決定的にさせるのが『e-POWER』の登場です。これによりノートは一躍『売れているクルマ』の常連になります。そのほか、マーチは『e-POWER』以外にも大きな改良をすること無く今に至っていることから、国内市場ではかつての柱としての役目は終わったのかもしれません」

■欧州では進化を続ける「マーチ(欧州名:マイクラ)」

 日産にとってマーチは、「重要視されないモデル」になってしまった印象を受ける国内の市場ですが、グローバルモデルとして、とくに欧州では進化し続けているモデルとなっています。

 欧州では、「マイクラ」の名称で販売されているマーチは、3代目モデルまでは「マーチの欧州仕様」として販売されていました。

 しかし、2017年3月には新型マイクラとして、マーチとは別のモデルとなり販売されています。外観デザインは、日産のキーデザインとなる「Vモーショングリル」を採用するとともに、スタイリッシュな印象に変わっています。

 新型マイクラのボディサイズは、全長が3995mm×全幅1743mm×全高1455mmと、現行ノート(全長4100mm)よりも短く、日本では3ナンバー車のサイズです。  パワートレインは、直列3気筒1リッターターボを設定。シリンダーの壁面にGT-Rと同様のコーティングを施すなど、従来のコンパクトカーとは力の入れ具合が違い、部品同士の摩擦抵抗が減ることで、燃費性能の向上を図っています。

 当時、日産のCEOだったカルロス・ゴーン氏は、次のようにコメントをしています。

「最初のマイクラが30年以上前にデビューした際、小型ハッチバックセグメントにおける革命を起こし、日産にとって新たな歴史の幕開けでした。

 最新のマイクラは、自動車デザインのリーダーとしての日産の地位を強化します。世界で最大かつもっとも競争の激しいBセグメント市場で最高の競争を勝ち取ります」

※ ※ ※

 このように、日本国内でのマーチはノートに主力モデルとしての座を譲りましたが、日産のグローバルモデルとしては、別モデルとなりつつも、マーチのDNAは受け継いでいくようです。

 また、日本ではすでに販売を終了している「パルサー」も欧州では販売され続けています。さらに、日本では影の薄い「シルフィ」も中国市場では人気の高いモデルとして、注目を集めています。

 現在も日産の販売店で働くスタッフが次のように話します。

「最近の日産車は、モデルチェンジをなかなかしません。いまは、『e-POWER』のおかげでノートやセレナの販売が好調ですが、販売の現場としてはほかのラインナップでも押して行きたいのが正直なところです。

 いまは、インターネットで世界の動きを見ることができ、海外でしか販売されていないモデルを『日本に入れてほしい』と要望されるお客様も多くなってきています」

 マーチらしさは消えてしまいましたが、マーチのDNAを引き継いだ新型マイクラを日本にも導入することで、日産の国内販売はさらに活気が出るかもしれません。

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