■高速道路の逆走事故というと高齢ドライバーばかりと思いがちですが……。
このところ年間での交通事故発生件数は着実に減っています。平成の時代における交通事故件数のピークは平成16年(2004年)の95万2720件ですが、平成30年(2018年)には43万345件と半分以下となっています(警察庁発表値)。しかし、日本の人口分布において際立って多い『団塊の世代』が高齢者の年齢になっていったこともあり、さらに交通事故を減らすには高齢ドライバーの対策が急務といったムードになっています。たしかに統計を見ると75歳以上の高齢ドライバーになると免許人口10万人あたりの死亡事故件数が増えてきます。とくに80歳を超えると11.1件と桁違いに増加します(平成30年のデータ、警察庁発表値。75歳未満の数値は3.4件)から高齢ドライバー対策を無視するわけにはいきません。
高齢者のペダル踏み間違え事故はクルマにも原因がある。左ハンドル推奨論も間違っている
そうした目線で、GW(ゴールデンウイーク)中の交通事故報道を眺めていたのですが、意外にも高齢ドライバーによる事故は目立っていませんでした。むしろ統計的には交通事故を起こしづらいとされている30~50代のドライバーによる死亡事故が目立っていたように感じます。GWということで、いわゆるサンデードライバーが運転する機会も増えますし、帰省などで不慣れな道を走ることも増えるのも、そうした年齢層のドライバーが事故を起こしやすい状況といえるのかもしれません。また、高齢者は運転免許を返納すべきといった報道が増えた影響もありそうです。
さて、GW中に交通事故報道でもっとも他山の石とすべきと感じたのは、東北道で発生した逆走事故です。逆走したドライバーの方は亡くなっていることもあり、原因が不明な部分もありますから、具体的な事故内容については触れませんが、逆走事故を起こしたとされるドライバーの年齢は20代だったのです。高速道路の逆走というと認知機能に衰えが出てくる高齢者が多いというイメージが強いでしょうが、20代でも逆走事故を起こすことがあるということは、年齢にかかわらず交通事故を起こす可能性があるという当たり前の事実を思い出させます。
交通事故に関する議論になると、多くのドライバーは自分自身のテクニックに自信があるためか、自分事としてとらえず「下手なドライバーが事故を起こすだけだ。下手っぴからは免許をはく奪すればいい」といった感想を持つことも少なくないようです。しかし、昔から『魔が差す』という言葉がありますが、いつ何時「魔が差してしまう」かはわかりません。まさか自分がと思っていても平常時からは考えられないような行為をしてしまう可能性は誰もが持っているはずです。交通事故の報道というのは他人事に感じてしまうかもしれませんが、自分自身にも起きうると捉え、気持ちを引き締めるきっかけにしたいものです。それでも「魔が差してしまう」ことはあるかもしれませんが…。
※写真はイメージです。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ
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