車両盗難が頻発しているアメリカ。FBIの報告によると41秒ごとに盗難が起こっているという。そうした状況に歯止めをかけるべく、ゼネラルモーターズ(GM)では、盗難車両の発見も目的とした会員向けサービスを提供している。盗難にあった際にセンターを経由して、遠隔操作で走行車両のエンジンを停止させることなどができるという。
このサービスは、GMのグループブランドであるOnStarが提供する「OnStar’s ストールン・ビークル・アシスタンス」と呼ばれるもの。OnStarは、GM系ブランドの純正アクセサリーを展開している。その製品ラインアップのひとつとして、会員向けのサービスとして提供される。
「OnStar’s ストールン・ビークル・アシスタンス」の会員は、次のような流れで盗難車両のエンジン停止などをセンターに依頼することができる。まず盗難にあった際、被害者は警察に届け出を行い、OnStarセンターに報告する。するとOnStarセンターは通信を用いて盗難車両の状況を確認し、必要に応じてエンジンの再始動を不能にしたり、走行中の場合は遠隔操作で徐々にエンジン出力を下げて車両を停止させるなどの対応を行う。
遠隔操作によるエンジン停止は、警察車両が容疑者を捕獲するのにも役立つ。これは盗難車両の発見に加え、容疑者が逃亡を試みた際、カーチェイスにより周囲を巻き込むような事故が発生する、といった事態を防ぐ効果が期待できそうだ。
日本でも、盗難車両の位置を特定したり、任意で警備員を派遣するといったサービスは実用されているが、走行中であってもエンジン停止を可能にした「OnStar’s ストールン・ビークル・アシスタンス」は、現地での盗難事情を踏まえた、さらに一歩踏み込んだサービスといえる。
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