世の中に、サウナブームが巻き起こると同時に、僕はサウナにどっぷりはまっていった。今では、週に3回はサウナに入らないと体調が悪くなったような気になるし、常に「サウナが足りないなぁ」と思いながら生きている。この連載は、サウナにとりつかれた、あるバイクメディア編集者のサウナ活動を追うものである。
写真/井上演
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3月某日。気温2度、奥多摩町某所
セローで、サウナに来た。
ええ。サウナです。背中に背負っているのが、サウナです。実は、連載「バイクサウナ」をやるために、サウナを買い、そしてセローにキャリアとスクリーンを付けた。
テントサウナとは…
まぁ、これだ。
サウナの中には、この鉄製のストーブが入っている。ここに薪をくべていくシステムだ。もちろん、煙突で煙を外に排出する。
ストーブの下段が、窯。上段には水を入れる。二重煙突の外側を通って水蒸気が熱され、テント内に高温スチームを満たすわけだ。スペック上、気温90度を超える。
連載「バイクサウナ」は、もちろん普通にバイクでサウナへ行くこともあるけれど、基本的にはバイクでしか到達しそうにない場所へ行き、テントサウナを実行し、自然とセッションをすることを多めに扱っていく。自然とセッションをする。大事なところは二度言うことにしている。
キャンプ場に行けば、薪は販売しているのだが、サウナストーブに入る薪は30cm以内。これになかなか当てはまらないことや、薪自体がしょぼかったりするので、薪を持参することが推奨される。なお、薪は広葉樹が望ましい。杉のような針葉樹はすぐにもえてなくなってしまうからだ。このあたりは、薪ストーブに詳しい人なら、よく知っているはずだ。
テントサウナにハマってから、薪の調達について調べるようになって、斧を選ぶのが愉しくなった。人生はテントサウナで垂直に上を向く。
現地に着いてテントを立てたら、まずは薪を割ることからはじまる。焚きつけとよばれる細い薪を作って、火種を作るためだ。
ガンガン燃やしていく。この火の調整が、テントサウナの難しいところ。常に最大火力で燃やしていかないと、スチームが熱くならないのである。
さて。入ろう。実にいいサウナだ。
テントサウナの何がいいかと言うと、もちろん自然の中でサウナに入れることもいいんだけど、自分の作った火でサウナに入れるという充実感である。冗談抜きで、かなり熱くなるし、通常のサウナよりも温度は上がる。僕は、いつもサウナに入るときに、サウナに入るために買ったfitbit(アクティビティを計るウォッチ)をつけているんだけど、通常は脈拍130くらいまであがったら水風呂にいくようにしているのに、テントサウナだと一気に150までふけ上がる。やばいぜテントサウナ。
気温-2度、川へざぶん。
10秒くらいしか浸かってられない。まじで痛い。このあと、しっかり体を拭いて休むと、すんごいリラックスする。そりゃもう、とんでもなく。何もかもがよくなる、まじで。
さて。サウナの何がよく、何が流行っているのかというと、これは「ととのい」に集約される。
ヤマハ発動機に何が取り憑いてこうなったのかは定かではないが、2年続けてサウナを3輪バイクに結びつけるPRをしている。本来的にいうと、名著「サ道」がサウナを学ぶにはうってつけなのだが
ここは僕の大好きな、小山健さんの漫画でサウナを学んでいただきたい。
簡単に説明すると…
サウナでぎんぎんに暖められた体表面を、水風呂で「シメる」ことによって、毛細血管が急激に収縮し、血流がよくなり、脳内でなにか危ないモノが分泌されてディープリラックスになって、星空がまわりだして、地球の自転はとまるような錯覚に陥るし、そういうのサウナトランスって言うらしいよ、昔はシャーマンがサウナに入ってトランス状態目指してたんだってさ、サウナトランスを「ととのう」って言い出したのは誰なのかわかんないけど、天才的なマーケティングだと思う、マジでそうさ、サウナで交感神経、水風呂で副交感神経を刺激することで交感神経のスイッチがシーソーすることで交感神経が活発になるとかなんとかで、とにかくリラックスするのだ、しかもめっちゃ熱いからマイナス2度でも川に飛び込んでも平気なんだぜ、マジでそうさ。
「マジでそうさ」「いや、寒くてむりっすね…」
今回は、東京の秘境奥多摩でバイクサウナをしてみたが、今度からもっと「オフロードバイクでしかいけないじゃん」を目指して活動していきたい。意地でも続くよ。
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