■「スープラ」の成功によっては復活もありうる!?
2019年4月24日にクルマ好きには悲しいニュースがふたつ配信されました。ひとつは37年の歴史がある三菱「パジェロ」の国内生産終了が発表され、もうひとつはトヨタ「マークII」以来51年の歴史がある「マークX」の生産終了が発表されたというものです。
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2台とも長い歴史がありますが、販売台数の低迷や、安全面と環境対応の法規制に適合するのが難しいなど、理由はいろいろあるようです。
一方、トヨタ「スープラ」や「RAV4」のように、顧客のリクエストやニーズに合わせて復活するクルマもあります。
そこで、スープラのように復活を期待したいスポーツモデルのなかから5車種をピックアップして紹介します。
●日産「シルビア」
最後の日産「シルビア(S15型)」は2002年に生産を終了しました。手頃なサイズでパワフルなFR車ということで、走り好きなユーザーから人気を誇りました。
シルビアはもともと長い歴史のあるモデルで、初代が1965年に発売されています。歴代シルビアは一貫してFRの2ドア(3ドアハッチバックもあり)にこだわっており、どの時代でもスペシャルティカーとして若者に支持されました。
とくに1988年に発売されたS13型シルビアは、折しもバブル景気だった背景もあり、女性に好まれるデートカーとしてブレイクします。
2002年以降これまでも、モーターショーで次期シルビアを期待させるコンセプトカーが何度か出展されましたが、未だ市販化には至っていません。
●マツダ「RX-7」
マツダは2020年中にロータリーエンジンを復活させると発表しています。ただし、電気自動車に搭載する発電用(レンジエクステンダー)としてで、駆動用ではない模様です。
最後のロータリーエンジン搭載車は2003年発売の「RX-8」で、フルモデルチェンジすることなく2012年に生産を終了しました。
RX-8に搭載されたロータリーエンジンは、新世代のもので、自然吸気でした。生粋のロータリーファンならば、やはり「RX-7」に搭載された13B型ターボの復活を願うのではないでしょうか。
最終のRX-7(FD3S型)は1991年に発売され、当時マツダが展開していた販売チャネルの「アンフィニ」ブランド名が付いていました。
初期の出力は255馬力でしたが、後年、自主規制いっぱいの280馬力にアップ。アルミを多用した軽量ボディと、専用に開発された4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションにより、高い運動性能を誇りました。
ロータリーエンジンの復活はアナウンスされましたが、やはり歴代RX-7のようなパワフルかつスポーティな走りこそ似合うパワーユニットではないでしょうか。
●スズキ「カプチーノ」
平成が始まってまもなくの1991年から1992年、この2年は軽自動車にとって記憶に残る年でした。
1991年にはホンダの軽ミッドシップ「ビート」と、スズキ「カプチーノ」が発売され、翌年にはマツダからミッドシップ+ガルウイングドアの「AZ-1」が発売されます。後にそれぞれの車名の頭文字から「平成のABCトリオ」と言われました。
どのモデルも2シーターで、カプチーノがFR、ほかはミッドシップですが、みな高い性能を誇っていました。
しかし、ビートは自然吸気のためレスポンスが優れていたものの大トルクは期待できず、AZ-1は乗り手を選ぶじゃじゃ馬ぶりで、素直な操縦性とパワフルなターボエンジンの組み合わせから、カプチーノがもっともバランスの良い軽スポーツだったのかもしれません。
この3車はすでに生産を終了していますが、ビートは「S660」として復活を果たし、マツダは軽自動車の生産から撤退していることから、カプチーノの復活に期待します。
エンジンは「ジムニー」に搭載している縦置きのものがあるので、現実的に見てもカプチーノ復活は十分に可能でしょう。
■惜しまれつつ消えていった2台の高性能車
●三菱「ランサーエボリューション」
三菱とスバルは世界ラリー選手権(WRC)において1990年代から熾烈な戦いを繰り広げていました。そのベース車となっていた「ランサーエボリューション」と「インプレッサWRX STI」は、毎年のように改良を重ねて性能を向上させていました。
ラリーが「グループA」というカテゴリから「WRカー」に移行してからは、両メーカーは規模を縮小し、最終的にラリーから撤退してしまいます。
その後インプレッサはスポーツ路線のクルマではなくなり「WRX」にその座を譲りましたが、ランサーエボリューションは、2015年に発売した「ファイナルエディション」をもって消滅してしまいました。
三菱はSUVと軽自動車に集中するカタチで、ラインナップを整理し、もはや高性能セダンの復活はほぼ不可能な状態となります。
しかし、ランサーといえば1970年代からラリーで活躍してきた名車ですから、三菱にスポーティなモデルがなくなってしまったいまこそ、ランサーエボリューションのような高性能車復活を期待したいところです。
●ホンダ「S2000」
日本で初めてF1に参戦したホンダは、常にレースで戦いながら、その技術を市販車にフィードバックしてきました。
とくに「VTEC」のような高回転・高出力なエンジンを多数生み出してきたこともあり、かつてはホンダ=エンジン屋というイメージが定着したころがあります。
ホンダが誇る数々の高性能エンジンのなかでも集大成ともいえるのが、1999年に発売されたオープンFRスポーツの「S2000」に搭載されたF20C型ではないでしょうか。
2リッター直列4気筒エンジンは自然吸気でありながら250馬力を発揮し、レッドゾーンは9000rpmと、市販車のエンジンとしては異例の高回転・高出力なものとなっていました。
車体もホンダとしては29年ぶりのFR車で、すべてが新設計されるなど、ホンダ創立50周年を祝うメモリアルカーという意味合いもありました。
エンジンは途中から2.2リッターに排気量がアップされ、かつての高回転エンジンではなくなりましたが、それでも十分にパワフルで扱いやすくなり、国内外のファンから愛されたものの、発売から10年後の2009年に生産を終了します。
ホンダは現在も「NSX」や「シビック タイプR」「S660」といったスポーツカーを作り続けていますが、自然吸気ならではのレスポンスの良いエンジンを搭載したスポーツカー復活の可能性はないのでしょうか。
なぜなら、それこそがホンダの原点でありDNAだからです。
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