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最速をかけた熱き戦い!「湾岸Midnight」に登場するクルマ5選【其の1】

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最速をかけた熱き戦い!「湾岸Midnight」に登場するクルマ5選【其の1】

■狂気のスピードと繰り広げられる人間模様が魅力の「湾岸ミッドナイト」

 速いクルマはいつの時代も男たちの憧れです。そのなかでも「首都高最速」というフレーズには心が踊る方もいるのではないでしょうか。

走り屋からヤンキー仕様まで クルマ漫画の主人公が乗るクルマ5選

 法定速度があるリアルワールドの公道では速さを競うことはできませんが、マンガ、アニメ、ゲームを通じて夢を見ることは可能です。高速道路を走る一般車を縫うように走り、300キロオーバーの速度で編隊を組んで走る者たち。今回は、首都高最速の称号に命をかけた者たちの物語、湾岸MIDNIGHT(以下、湾岸ミッドナイト)に出てくるクルマをご紹介します。

 湾岸ミッドナイトは、楠みちはる氏によるクルマを題材にした漫画の名称で、「ビッグコミックスピリッツ」および「週刊ヤングマガジン」でシリーズ連載され、その後アニメやゲームなど幅広いジャンルで人気を博した、日本を代表するクルマ漫画です。

 物語の舞台は東京・首都高速。作中では極限までチューンナップした愛車を駆り、首都高速最速の称号に命を賭けて走る者たちと、彼らを取り巻く人間模様が生々しく描かれています。クルマでただ速く走るだけ、という漫画ではなく、走り続けることの意味と、それに費やしたこれまでの人生への問い。クルマ、人間、金、恋人、家族など、生きることの意味さえ考えさせられる作品です。

 そんな湾岸ミッドナイトの魅力をより一層大きくする要素といえば、登場するキャラクターたちが乗るクルマにあります。今回は、物語のメインキャラクターとなる人物達の愛車を5車種ピックアップしてご紹介します。

日産 フェアレディZ(S30)

本作の主人公である「朝倉アキオ」が駆るクルマが、日産 フェアレディZ(S30)です。もともとは解体屋でスクラップになるのを待っていたフェアレディZでしたが、アキオの手によって修理され再び走ることになります。しかし、そのフェアレディZは、乗る者に不幸をもたらすという「悪魔のZ」だったのです。

 日産 フェアレディZ(S30)は、1969年に発売されたクルマで、北米市場で大ヒットした2ドアクーペです。搭載された直列6気筒エンジンL型は、2リッター、2.4リッター、2.6リッター、2.8リッターとさまざまなタイプが用意されました。

 日本国内のモデルでは、SU製ツインキャブレターを装備したSOHCのL20型エンジンと、ソレックス製ツインチョークキャブレターを3基装備した、DOHCの直6 2リッターエンジンが設定されました。

 ベースモデルの「Z」では4速MTと5速MTを搭載。「Z-L」では5速MTに加え、AMラジオ付きステレオ、助手席フットレスト、リクライニングシートなどが与えられました。

 当時の新車販売価格は廉価版の「Z」が84万円、「Z-L」が105万円となっており、当時としては比較的安価だったこともあり日本でも爆発的にヒットしました。作中に出てくる悪魔のZでは、L28型エンジンを3.1リッターまで排気量アップし、TD06タービンによってツインターボ化され、約600馬力までチューンナップされています。

「いくら拒否しても、オレはお前だ悪魔のZッ!」「たとえ悪魔でも、俺はこいつがいい。ただそれだけだ」主人公のアキオによる数々の名言が、彼のフェアレディZへの思い入れの強さを物語っています。

■永遠のライバルとヒロインのクルマはあまりにも有名な存在

ポルシェ 911ターボ(930)

 主人公アキオのライバルとして、作中ではメインキャラクターの一人として登場する「島 達也」が駆るマシンは、漆黒のポルシェ「911ターボ(930ののち964に乗り換えます)」、通称「ブラックバード」です。

 作中では、「湾岸の帝王」として君臨していたブラックバード(ブラックバードは島 達也の愛称でもある)は、アキオと走っていくうちに不思議な信頼関係を徐々に築いていきます。当初は通常のモノコックボディだったブラックバードですが、物語が進むにつれチューンナップは加速し、最終的にモノコックフレームの前後を切り落とし、パイプフレーム化。外装にはカーボンファイバーを使用して、大幅な軽量化を施します。

 作中初期のベース車両であったポルシェ 911ターボ(930)は、1976年に日本で発売されました。3リッター水平対向空冷エンジンは、245馬力、35kgmのトルクを発生。大パワーを受け止める太いリアタイヤに対応するため、全幅1775mmまで広げられたフェンダーを備えます。

 トランスミッションは4速のMTで、ポルシェでは「ありあまるパワーには4速で充分」と説明していましたが、「シンクロトランスミッションの許容量がターボのトルクとパワーに耐え切れず破損する恐れがあったため、やむなく4速にした」というのが通説のようです。当時は豪華な高性能スポーツカーであったため非常に高価でしたが、販売は好調でした。

 島 達也の名言である「湾岸だけは違う ここだけは飛び切りだ」「カンタンですヨ 全部つぎ混んでるからですヨ」の言葉から分かる通り、主人公のアキオと並んでクルマへの思いは相当なものです。島 達也は医者なので収入はそれなりに多いはずですが、それを全部クルマにつぎ込むとはある意味狂人と言えるのかもしれません。

日産 スカイラインGT-R(R32)

 本作のヒロインである「秋川 零奈」の愛車は、BNR32型のスカイラインGT-Rです。NISMO T25タービンツインターボ仕様で、約600馬力を発生させます。連載初期のボディカラーはガングレーメタリックでしたが、途中でチューニングショップの社長の独断でクリスタルホワイトに塗りなおされ、後にヤマモトスピードの白い32R」や「Rのヴィーナス」として有名になります。

 ベースとなったスカイラインGT-R (BNR32)は、1989年に発売されました。先代スカイラインGT-RであるKPGC110の生産終了から、実に16年ぶりのGT-R復活となったモデルです。

 搭載されたエンジンは、名機として名高い直列6気筒ツインターボエンジン、RB26DETTです。モータースポーツ参戦を前提に開発されたこのエンジンは、最高出力280馬力と36kgmを発生。

 トランスミッションは5速MTのみの設定で、駆動はトルク可変型の4WDシステム、「アテーサ E-TS」で武装しています。当時の日産の持てる技術を全てつぎ込んで開発したスカイラインGT-Rは、まさに「反則級」の速さを誇りました。

 レースで勝つことを前提に生まれたスカイラインGT-Rは、レース投入初戦で優勝を飾り、圧倒的なパフォーマンスを披露します。その勢いは留まることを知らず、前代未聞のレース29連勝を達成。 そして1991年にはグループNの優勝に加え、グループAでゼクセル・スカイラインが2位以下を20周も引き離して独走状態で総合優勝を果たします。

 2019年で誕生からちょうど30年が経ちましたが、速さだけでいえば今でも一級品の性能を誇ります。一時期は日本でも購入しやすい価格まで値段が落ちましたが、海外での需要が高まった今では30年前のクルマとは思えないほど高価格で取引されています。

 これからさらに海外への輸出が増え、日本国内にある台数は減っていく傾向です。伝説のGT-Rが欲しい人は今のうちに買っておいた方が良さそうです。

■メインキャラクターが乗るクルマ以外も個性派揃い

フェラーリ テスタロッサ

 メインキャラクターではありませんが、「石田 義章」も非常に印象が強いキャラクターです。人気カメラマンであるこの人も悪魔のZの魅力に惹きつけられてしまったひとりで、愛車はフェラーリ「テスタロッサ」。

 石田が駆る純白のテスタロッサは固定ライト化され、特徴であるサイドのフィンが取り外されています。のちに、「地獄のチューナー」と呼ばれた北見のチューニングによって、メカチューンでありながら600馬力というハイパワーを手に入れます。

 ベース車両のテスタロッサは、1984年に発売された当時のフェラーリのフラッグシップモデルです。ミッドシップに搭載された5リッターのV型12気筒エンジンは、380馬力の最高出力と48kgmのトルクを誇ります(日本仕様の数値)。5速MTのトランスミッションを介して後輪を駆動するMRレイアウトを採用したテスタロッサは、比較的重心の高いエンジン位置のおかげで走りの性格はグランドツーリング志向ですが、メーカー公表によると0~100キロの加速は5.8秒、最高速度は300キロを超えるとされています。

 低く構えたスタイルとリトラクタブルヘッドライトのテスタロッサは今でもファンが多く、登場した当時は胸を躍らせた子供も多いのではないでしょうか。

「走り続けてくれ、アキオ…。このまま終わりにしないでくれ、アキオ…。そして忘れないでくれ。あの日いっしょに走ったオレを…。」癌に犯されながらも走ることを選んだ彼の言葉からは、湾岸という閉ざされた世界で走るものの生き様を感じることができます。

トヨタ スープラ(JZA80)

 2019年春に、17年の時を経てトヨタ「スープラ」が復活することで話題になっています。そのスープラも、湾岸ミッドナイトを語る上で外すことのできないクルマです。

 復活を遂げるスープラの前モデルである、A80型スープラを駆るのは、ケイこと「相沢 圭一郎」。かつて「幻の最高速ランナー」と呼ばれた相沢 洸一の息子で、最高速に生き、そして死んでいった父の後ろ姿を追い、自らも首都高を走り始めたキャラクターです。

 相沢 圭一郎のスープラは、自らの手によってT78タービンを装備したスープラRZ(JZA80)で、スクランブルブースト時には最大700馬力を発生します。ストーリー終盤では最高出力が800馬力まで高められます。

 ベースとなるスープラ(JZA80)は、1993年に発売された2ドアクーペです。トップグレードのRZに搭載されたエンジンは、3リッターの直列6気筒ツインターボエンジンで、最高出力280馬力と最大トルク44kgmを発生します。

 トランスミッションには4速ATと6速MTが用意され、リアホイールを駆動するFR方式のレイアウトです。大柄なボディのおかげでスポーツカーというよりはグランドツーリングカー寄りの性格ですが、前後ダブルウィッシュボーンサスペンションとフロント53:リア47というバランスの良い前後重量配分により、非常に扱いやすい性格です(踏まなければ)。

 また、スープラの特徴として印象深いのが、まるで戦闘機のようにドライバーを包み込むコックピットで、ここに座りたくてスープラを購入した方も多いことと思います。少し前までは比較的手の届きやすい価格帯で推移していたスープラですが、GRスープラが登場したことにより中古車価格が高騰しています。

 この車種もスカイラインGT-Rと同じく年々タマ数が減っていくクルマですから、状態の良いモデルを見つけたのであればすぐに買ってしまった方が良いでしょう。

「いいコトもあるし悪いコトもある、そしてお前はそれを自分でわかっていかなきゃならない。いつもお前がキメるんだ、そしたら転んでも自分で立ち上がれる。いろんな人がいろんなコトを教えてくれる。いいコトが正しいとは限らないし、悪いコトが全てダメなワケじゃない。お前がキメるんだ、すべてーー」

 回想シーンで出てくるこのセリフは、父親である相沢 洸一が幼少期の相沢 圭一郎に放ったセリフです。悪魔のZとブラックバードに勝負を挑んだ相沢 圭一郎ですが、パワーに耐えきれなくなったスープラのボディは歪んでしまい、バトル継続不能になります。その後、一線を退くことになりました。

※ ※ ※

 ブーストの立ち上がりと共に湧き出るようなパワーを感じるクルマは今でもたいへん魅力的で、今でも多くの人を虜にしてやみません。もしかしたら上記で紹介したクルマをこれから購入する予定がある人もいるかもしれませんが、身をよじるようにして走るのはクローズドコースだけにしておきましょう。

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