■レクサス「LM300h」のベースはモデリスタのコンプリートモデル?
上海モーターショー2019で世界初公開されたレクサスの高級ミニバン「LEXUS LM300h」は世界中で注目されている1台です。向かうところ敵なしともいえるレクサス初のミニバンは、どこが凄いのでしょうか。
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世界を驚かせたレクサス初のミニバンは、後席2座仕様の4人乗り。すでに、2018年4月にモデリスタから発売されている1500万円超の高級ミニバン「アルファードロイヤルラウンジ」(以下RL)がベースとなっているのは間違いなさそうです。
RL、LM共に後席は2座仕様で、それぞれ仕様が異なるパーテーションを標準装備しています。これによって前後の空間は完全に分けられ、非常にゆったりとした後部2座席の空間が生まれます。
RLのパーテーションには、下4分の1くらいの左右両側にフットレストとその下に靴入れがセットされていますが、LMの方に靴入れはない模様。シートの機能もかなり違いますが、RLの方はほぼ完全なフルフラットシートです。LMの説明にはフルフラットの機能はありませんでした。
パーテーションに組み込まれたテレビの大きさにも違いが存在。RLは24インチに対してLMは26インチと一回り大きめです。LMのテレビは、スマートフォンやタブレットなどの機器に接続でき、Blu-ray再生をサポートしているほか、19スピーカーサウンドシステムを搭載しています。
そして、LMならではの装備がテレビの上にある天井との間のすりガラスです。中国の伝統的なスクリーンからインスパイアされたガラススクリーンはLMのオリジナルで、しかも単なるすりガラスではなくガラス窓を上下させることで透明度を調整できるというユニークなアイデアも盛り込まれています。
中国市場では、2010年に「アルファード」が導入されるまで、米国GMと上海汽車集団(SAIC)の合弁会社「上汽通用」のビュイック「GL8」がほぼ唯一の高級ミニバンでした。
初代は、2000年に発売され、2016年に発売された3代目が現行モデルです。中国がまだ本格的なモータリゼーションを迎える前から中国で製造販売されているモデルとあってすっかり中国市場に溶け込んでいます。
中国でのビジネス経験が長い日本企業の重役は、次のように話します。
「中国に行くといつもこのGL8が空港まで迎えに来てくれます。街中でも空港でも良く見かけます。中国の経済発展と共に増えて来た印象で、中国では多くの企業がこの車をVIP用の送迎車として使っています。
いわゆる日本のミニバンとサイズの感覚、室内の広さは同じ感じですが、アルファードと比べると内装はややチープで雑ですね。また、日本のミニバンは家族で使うケースが多いからか乗り降りのしやすさを重視して最低地上高が低めですが、GL8は道路状況があまりよくない中国での使用を前提として設計されているためか低床設計ではありません。また、社長級VIPの送迎は今もメルセデスやアウディのセダンです」
■「LM300h」が目指すところは、超高級ミニバンのさらに上?
今回の上海モーターショーには、ビュイックの「GL8アベニールコンセプト」というモデルも展示されていました。アベニールは、GL8の最上級車種で価格は約45万元(約720万円)となり、レクサス「LM300h」同様に後部2座席仕様です。
シートにはかなり気合が入っているようで、シート単体での展示もあり、実際に座って快適性やベストなポジションの設定方法、そして標準装備される「マッサージ機能」までを体験することができました。
後部座席のマッサージ機能といえば、日本発祥のVIPおもてなし機能です。GL8のコンセプトモデルはやはり、中国で大人気のアルファードおよび、トヨタ製高級車を意識しているようです。
レクサス「LM300h」について、ビュイックの説明員は「GL8コンセプト」では、後席からエアコンやオーディオの調整が音声で行えるようになっています。そこがLM300hにはない機能だと思います」とコメントしています。
レクサス「LM300h」には、音声操作の機能はありませんが、割と細かいところまでよく勉強していると感じました。
中国市場はもちろん、世界のどこを探しても最上級のおもてなしといえるレクサス「LM300h」のようなクルマは存在しません。価格はまだ発表されていませんが、アルファードの中国価格が80万元から(日本円:約1300万円から)、ロイヤルラウンジが約1500万円以上であることから、「LM300h」は軽く2000万円は超えてきそうです。
しかし、「LM300h」が中国で目指すところは高級ミニバンの頂点ではないでしょう。前述したように、「大企業のトップを送迎するにはミニバンではなくメルセデスやアウディの最上級セダンを使う」という中国の事情を考えれば、ミニバンの形をした世界最高級VIPカーとして君臨していくことも十分考えられます。 【了】
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