最近のフォルクスワーゲンは、コンパクトカーでヒットをとばしている。2018年で感心したのが「ポロGTI」と、マニュアル変速機搭載の「up! GTI」だった。そして今回登場した「T-CROSS(ティークロス)」でハットトリックというかんじである。
T-CROSSはポロをベースに開発されたSUVテイストのクルマで、前輪駆動版しかないが、フォルクスワーゲン(VW)では堂々と“SUV”とうたう。もっともSUVはすべからく4輪駆動たるべし、と決まっているわけでもない。アメリカのカントリー・サイドでは定番の地上高の高いピックアップ・トラックは、ほとんどが前輪か後輪の2輪駆動で、あれもまた、定義によっては「SUV」といえないわけでもない。さらに、SUVの最初の文字である“S”、つまりはスポーツを「心を浮き立たせる運動性」と解釈すれば、はたしてこれは、十分にSUVだった。
熟成肉もいいが熟成ゴルフも捨てがたい──フォルスクワーゲン ゴルフ試乗記
スペインのリゾートであるマヨルカ島で試乗した印象では、楽しさが際立っていた。その理由は、ハンドリングのよさにある。ステアリングホイールは適度に重く、かつ剛性感があり、カーブで切り込んだときの車体の動きは俊敏なのだ。
いっぽうで乗り心地は快適である。ホイールベースはポロと同一の2551mmと、決して例外的に長いわけではないけれど、その乗り心地ははるかに長いホイールベースを持つ大型車のように悠然たるものだった。車高はポロより上がったため、サスペンションアームの動きが制約を受けているかんじはまったくない。
車内は驚くほど広い。みごとなパッケージングだ。とくにリアシートの居住性は秀逸である。フロントシートより着座位置を高くし、後席住人の視界をよりよく確保するいっぽう、後席じたい前後に14cmスライド可能で、高い機能性も与えられているのだ。しかも、ラゲッジルーム容量は455リッターにも達する。
日本には2019年中の導入が目指されているという。予定されているモデルのドライブトレーンは(日本でもポロに搭載されている)1.0リッター直列3気筒ターボエンジンで、これに7段DSG(ツインクラッチタイプのオートマチック)を組み合わせる。なお、駆動方式は前述の通り前輪駆動(しかない)である。
せっかくポテンシャルの高いシャシーなので、1.5リッター直列4気筒ターボエンジンもいいと思う。いまは設定がないものの、GTIといったスポーツモデルの登場も期待してしまう。それだけ、走りのいいモデルである。
くわえて、インテリアもしっかり作りこまれていてハイクオリティなので、コンパクトでかつ上質なクルマが欲しい人にはぴったりであると私は感じた。都市部の人に勧められる。
フォルクスワーゲンではT-CROSSを、「多様性に富み、実用性の高いモデル」と位置付けている。同時に「クールなモデルでもある」とうたう。つまり、スタイリッシュさと実用性を両立したモデルであるのだ。
太陽の日差しが輝くマヨルカ島では、赤や青、黄色の服を着た若い男女が試乗会のスタッフを務めていた。色鮮やかな服と若い彼らはぴったりで、エネルギーに満ちていた。T-CROSSもまた。なんだか、T-CROSSに乗れば身も心もアクティブになれそうでな気がしてきた。
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