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業界ニュース 2019.3.22

LPスタンドの閉鎖に中韓メーカーの参入? JPNタクシーがもたらす思わぬ余波 

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 燃費の良さが思わぬ事態を引き起こしている

 2017年10月23日に、クラウンコンフォートおよびクラウンセダンの後継として、JPNタクシーが正式発売された。独特のスタイルを持ち、タクシーとして使用されることを念頭にLPガスエンジンのハイブリッドシステムを搭載している。ちなみにJPNタクシーは一般のひとでも購入可能となっており、けっしてタクシー専用車ではないのである。

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 そもそも平成27年にタクシー車両の基準緩和が行われ、今では好きなクルマをタクシーとして営業運行することができる。その証拠ではないが、街を見まわしてもノートのようなコンパクトハッチバック車もタクシー車両として活躍している。ただ日産のNV200タクシーは、一見するとライトバンとなるNV200バネットと変わらないように見えるが、足まわりなどかなりの部分で専用設計となっているとのことである。

 JPNタクシーが正式デビューして1年以上となっているが、事情通によるとちょっとした“異変”が起きているとのこと。「東京都内にはかなりのタクシーが走っており、その大半の燃料はLPガス。23区内だけでも数多くのLPガススタンドがあるのですが、ここ最近閉店が相次いでいるのです。原因はJPNタクシーがLPガスハイブリッドユニットを搭載し燃費性能が格段によくなったので、個々のタクシーのガス充填頻度が減ってきているのが影響しているようなのです」とのこと。

 クラウンコンフォート系や、Y31日産セドリックタクシーのころの燃費はだいたい、6~7km/Lとされていたが、JPNタクシーは、カタログ数値上のJC08モード燃費は19.4km/Lとなっており、実際でも15~16km/Lになるとのことなので、コンフォート&Y31時代比で燃費性能は倍近くアップしている。

 まだまだ都内でもコンフォート系やY31のタクシーが残っているなかでLPガススタンドの閉鎖が相次いでいるので、今後JPNタクシーへの代替えがさらに進めばLPガススタンド閉鎖もさらに進みそうである。

 一方で山間部や地方部ではLPガス燃料車よりも、プリウス(2代目や3代目)や、先代クラウンロイヤルサルーンのハイブリッドなど、ガソリンハイブリッド車が目立ってきている。JPNタクシーはコンフォート比で100万円ほど価格アップ。コンフォート時代から零細タクシー事業者の多くは新車への代替えができず中古車で入れ換えを行ってきたので、JPNタクシーへの代替えは厳しい。LPガススタンドが最寄りになかったり、走行距離が都市部ほど伸びにくいということもあり、ガソリンハイブリッド車の中古車が目立って使われるようになってきたのではないかと事情通は語ってくれた。

 改めて感じるクラウンの偉大さ

 さて、タクシー車両の規制緩和された内容をみると、座席寸法や乗降口の大きさ、構造などがあった。とくに乗降口の大きさについては、初代マークXがデビューしたときにリヤドアの開口面積が足りず、しばらくの間は開口面積を基準に適するよう拡大する改造が行われ、やがて専用キットが用意されるに至った。

 初代レクサスISもリヤドアの開口面積が基準をクリアしていなかったが、これに関しては「意図的に個人タクシー車両として使わせないようにしたのでは?」という話も出ていた。レクサスは日本国内でブランド展開するときに、ブランド車全体について「タクシーとして使わせない」ということを公言していたとされているので、そのような話になったようだ。

 いまタクシー向け車両はトヨタと日産が用意しているだけであるが、過去には三菱ギャランΣベースや、マツダ・ルーチェ系をベースにした「カスタムキャブ」なども用意されていた。FR最後のコロナベースのタクシー車両では最終型において、Cピラーをわざわざ立たせて室内長を拡大するなどの大規模な改良を行ったほどだ。

 タクシー車両の基準緩和後はミニバンのタクシーが目立っているが、はじめからリヤスライドドアにオートクロージャーシステムがついており、自動ドアへの改造がいらないこともあるようだ。

 最後はマークIIセダンのシャシーベースで、名ばかりのクラウンともなったが、クラウンが初代デビュー登場から60年を経てもラインアップが続いているのは、タクシー車両をずっとラインアップしてきたからといっても過言ではないだろう。

 中国製電動タクシーが日本に上陸するかもしれない

 タクシー車両としての最大のニーズは耐久性能である。クラウン系では走行距離50万kmまでは、致命的な部品交換などが発生しないように、民生版ともいえる一般のクラウンよりも耐久性能ありきで開発されていた。民生版ともいえる一般のクラウンシリーズでもハイヤーや個人タクシーなどのニーズも多いので、30万kmはらくらく走ることができるように設計されていたとのこと。

 タクシー車両としてのニーズの多いクラウンは、耐久性だけでなく、自動ドアへの改造などへの対応も充実しているので、結果としてクラウンが個人タクシーでよく見かけることとなるのである。

「タクシーでも使われている」というのは、ときにはネガティブイメージに働いてしまうこともあるが、クラウンに関しては耐久性能への信頼度の現れとしてポジティブに働き、日本車のなかでも類を見ないステイタスを築きあげたといってもいいだろう。タクシーだけでなく、ハイヤーや重役用などの社有車としても活躍していたことも大きかったようだ。

 クラウンコンフォートシリーズは22年間ラインアップされた。日本だけでなくシンガポールや香港などでもタクシーとして活躍していたが、JPNタクシーについては海外展開は考えていないとのこと。ちなみにシンガポールは今ではヒュンダイに取って代わっている。香港も隣の深センがBYD汽車の地元だったりするので、一気に中国メーカーのEVへタクシー車両が入れ替えられるのではないかといわれている。

 日産はライトバンベースでJPNタクシーはミニバンスタイルを採用しているが、事業者や利用者のなかには、セダン型タクシーを望む声も根強い。いまは各事業者は熱心にJPNタクシーへの代替えを進めているは、やがてセダン型タクシーへの回帰が起こるかもしれないとの声がある。日韓関係の悪化が叫ばれる現状では、一般乗用車レベルでの韓国車の日本再上陸はほぼ考えられないが、それでも韓国はLPガスユニットが充実していることもあり、ヒュンダイグループなどはタクシー車両からまず日本市場への再参入を検討しているのではないかとも言われている。

 セドリックがなくなり、そしてクラウンコンフォートがなくなった今の日本では、今後海外ブランドも巻き込んだ“タクシー車両戦国時代”へ突入しているといっていいだろう。今後BEV(バッテリー・エレクトリック・ビークル)への転換が急加速すれば、日系メーカーはBEVでの立ち遅れが目立っているので、おもに中国国内となるがBEVタクシーの営業実績が豊富な中国メーカーも、“まずはタクシーで”と日本市場への中国車本格参入という道を開きかねないといっても決して過言ではない。

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(WEB CARTOP 小林敦志)

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みんなのコメント

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  • nan*****|2019/03/22 19:37

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    なかなか興味深い考察やな、確かにタクシーなら基本的にタクシー会社の塗装で仕上げるから車両名も一般のお客さんにはわかりにくいやろし。 
    ましてタクシー業界は労働集約型産業、トータルで安く上がるなら買うのかも、、と向こうの連中は考えるかも知れない。

    しかしながらこれ、「クラウン系では走行距離50万kmまでは、致命的な部品交換などが発生しないように、民生版ともいえる一般のクラウンよりも耐久性能ありきで開発されていた」
       ↑
    この耐久性に勝てるんやろか? あと民生車より丈夫な部分はどこなんやろね?
  • mog*****|2019/03/22 20:13

    違反報告

    >タクシー車両の基準緩和後はミニバンのタクシーが目立っているが、はじめからリヤスライドドアにオートクロージャーシステムがついており、~

     オートクロージャ―システム(半ドアから閉まる装置)が付いてても、電動スライドドアじゃなかったら、ドアは開かないと思うんだが。

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