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ランエボに続いて欧州車がWRXに宣戦布告か!? 最近2Lターボ4WDの輸入車が増えるワケ

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ランエボに続いて欧州車がWRXに宣戦布告か!? 最近2Lターボ4WDの輸入車が増えるワケ

 ダウンサイジングターボの流行が2リッターターボ車を生み出す

 最近、2リッターターボエンジンを積んだ輸入車のハイパフォーマンスカーが増えている印象がある。たとえばフォルクスワーゲン・ゴルフRやアルテオン、メルセデスA45 AMGなどは2リッター4気筒ターボエンジンと4WDを組み合わせている。

ターボは燃費が悪いんじゃなかった? ダウンサイジングターボは本当に効率の良い仕組みなのか

 まさに、かつてランサーエボリューションやインプレッサWRX(現在はWRXと独立した)といった2リッターターボ+4WDというパワートレインのパッケージと通じるところがある。果たして、ドイツ勢のトレンドはランエボ・インプのフォロワーなのか。それとも、合理的な狙いがあるのだろうか。

 2リッター以下の排気量にすることで自動車税に旨味があるのが日本の税制だが、グローバル展開をしている輸入車が日本ローカルの事情を考慮して2リッターターボエンジンを増やしているわけはない。2リッターという排気量のターボエンジンが増えている背景には、欧州での「ダウンサイジングターボ」トレンドがあると考えるのが妥当だ。

 そもそもダウンサイジングターボのメリットは、ターボという排気エネルギーの再活用システムによる熱効率の良さと、レスシリンダー化による軽量化・フリクションの低減にある。フォルクスワーゲンでいえば、狭角V6エンジンを4気筒ターボに置き換えることは、まさにダウンサイジングターボの正しい使い方といえる。そしてV6エンジンが3リッター級だったことを考えると、同等以上のパワーとトルクを実現するには2リッターという排気量が導き出されるのも自然な話だ。

 では、なぜ2リッターという排気量に帰結するのだろうか。ここでヒントになるのは「モジュラーデザイン」という設計思想だ。エンジンでいえば異なる排気量であっても共通パーツを増やすことでコストダウンを図ることがモジュラーデザインとなる。

 具体的にはピストンを共通化して、気筒数で排気量のバリエーションをラインナップするようにしたい。ピストンを共通にするということは燃焼室設計も共有するという意味だ。高い熱効率を求められる現代のエンジンにとって燃焼室のシミュレーションは時間をかける工程だが、そうした開発コストも共通化できるのがモジュラーデザインなのである。

 ハイパワーを受け止めるには4WDが最適

 結果として、同じシリンダー容積で気筒数を変えることが、効率面から正義になった。BMW(MINIを含む)にしろ、メルセデスにしろ、3気筒・4気筒・6気筒をモジュラーデザインで作ることを目指している。そうなるとシリンダー容積についてもバランスの良いスペックにしたい。そしてウェルバランスのシリンダー容積は400~600ccと言われている。気筒当たり500ccとするのが効率的なエンジンを作りやすいということになる。

 つまり、3気筒であれば1.5リッター、4気筒は2リッター、6気筒は3リッターが理想的な排気量として導かれるのだ。6気筒の横置きというのはパッケージが難しいから、おのずと横置きエンジンのハイパフォーマンスモデルの心臓部は2リッター4気筒ターボエンジンが選ばれるということになる。それが、欧州車における2リッターターボエンジンのブームにつながっている。

 前述したランエボ・インプが競い合っていた時代、その限られた排気量から最終的には280馬力に達していたくらいだから、燃料の直噴化によって耐ノッキング性が向上した現在であれば、300馬力など軽々と越えていく。このカテゴリーでは最強といえるメルセデスAMGのCLA45、GLA45が積む2リッターターボエンジンは381馬力(280kW)の最高出力、475Nmの最大トルクを発生しているほどだ。

 そして2リッター4気筒ターボをハイパフォーマンスグレードに積む車種というのはエンジン横置きのFFベースであることが多い。これほどのトルクをフロントの2輪で受け止めるというのは至難の業。積極的に4WDを選ぶことで、パフォーマンスの高次元でバランスさせることができると考えるのが自然だ。

 そういうわけで、2リッターターボエンジンがハイパワーになるほどに、駆動系も4WDを採用するケースが増えてくるというわけだ。冒頭で「なぜ2リッターターボ4WDの輸入車が増えているのか」と疑問を掲げたが、ロジカルに考えれば、なんの不思議もない話である。

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