1989年に登場したロードスターは、2019年で30周年を迎えた。その間、NAに始まり、NB、NC、そして現代のNDまで4世代の進化を果たしている。なぜロードスターは長い間、愛され続けているのか? 歴代モデルを乗り比べて、その理由をひも解いてみたい。最終回は現行4代目のNDロードスターだ。
「人馬一体」に磨きをかけてドライビングに夢中になれるNDロードスター
「4代目 NDロードスター(2015年~)
路上駐車は必ず違反になってしまうのか。実はある“安全地帯”【くるま問答】
2代目のNBは初代NAの延長線上、3代目のNCは一新したロードスターだが、4代目のNDではさらに全く新しいクルマへと進化した。1.5Lにダウンサイジングされたエンジン、軽量化ボディなど、NCの逆を行くと言ってもいい。
従来の延長線ではないということは、エクステリアにもよく現れている。先代と比べて低く安定したスポーツカー的なスタイリングも特徴となっている。
インテリアを機能面で見ると、「ドライバー中心」を貫いている姿勢が見える。ステアリングホイールを通して見た三連メーターのセンターに大型のタコメーターが来るなどスポーツカーらしいもの。
パワーユニットの「SKYACTIV(スカイアクティブ)ーG 1.5」は他のマツダ車にも採用されているが、燃焼室形状以外のシリンダーヘッド、シリンダーブロック、回転系部品を専用設計とし、バルブタイミングも最適化するなどの変更が行われた。
一般道を走ると乗り心地として表現した場合、「スポーツカーでこんなに乗り心地が良くていいの?」という印象すら受ける。ブレーキフィールはリニアに効き安心感がある。
アクセルペダルはオルガン式を採用している。これは人間工学的には正しいが、スポーツドライビングでのヒール&トゥには必ずしも適しているといえない。ただ、これは慣れの問題もあるだろう。
エンジンは軽快に回るというよりも低速域からトルクフルな感じ。物足りないと思う半面、MT車に初めて乗る人にも安心感を与えるものだ。
ワインディングに持ち込むと、挙動が落ち着いているという感じで、軽快というのとはちょっと違う。ただ、しっかり操作すれば、そのとおりにクルマが動く感覚は好印象だ。
とはいえ、あくまでも一般道のレベルなので、もう少しハイスピードで走れるコースにもっていけば印象も違ってくるだろう。(文:HA編集部/写真:永元秀和、井上雅行)
2018年のMC後モデル
2018年にNDロードスターはマイナーチェンジを受けた。見た目の変更点は少ないが安全装備などを充実させ、1.5Lエンジン搭載車は燃焼改善技術を取り入れたことで、全回転域でのトルクアップを果たした。
ロードスター RF
2016年に追加されたリトラクタブルハードトップのRFも18年にマイチェンを受け、エンジンは従来と同一の2Lだが最高出力は26psアップの184psに向上した。
マツダ・ロードスター(2015年) 主要諸元
●全長×全幅×全高:3915×1735×1235mm
●ホイールベース:2310mm
●エンジン種類:直4DOHC
●排気量:1496cc
●最高出力:131(132)ps/7000rpm
●最大トルク:150(152)Nm/4800(4500)rpm
●価格:249万4800円(255万4200円)~
※( )内はMC後
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