2019年3月2日、ドライバー支援プログラム「TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラム」のもとで腕を磨く勝田貴元が、フィンランド・ラリー選手権第3戦のイタ・ラリーにヤリスWRCで出場。無事に完走して優勝を飾った。
WRカーでの初めてのラリーを走り切る
フィンランド・ラリー選手権第3戦イタ・ラリーで勝田貴元が乗ったのはヤリスWRC。初めて実戦でWRカーをドライブすることになった。
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フィンランド・ラリーはR5規定のラリーカーが選手権の対象で、R5より格上のWRカーでの参戦は勝田の1台のみ。勝って当然と言えるラリーだったが、WRCではグループR5規定のフォード・フィエスタで参戦する勝田にとって、優勝することよりもWRカーで挑戦することが重要だった。
ヤリスWRCにはテストで数度乗っただけ、本番のラリーはまったくの初体験、しかも舞台は高速のスノーラリーという簡単ではない状況だった。そんな中、ラリー半ばに一度はタイムロスして首位を明け渡したものの、最終ステージに逆転して優勝を飾った。
ラリー終了後、勝田は「先頭スタートは雪かき役で大変でしたし、なによりもWRカーは速かった。すごくチャレンジングなラリーでした。素晴らしい経験をさせてもらったと思います」とヤリスWRCでの初ラリーを十分に堪能した様子だった。
今シーズンのWRCに“フル参戦”
祖父と父も日本のトップドライバーというラリー一家に生まれた勝田は、世界に通用するラリードライバーの育成を目的とした「トヨタ・ガズーレーシング・ラリーチャレンジプログラム」のメンバー。
今年はヤリスWRCでのフィンランド・ラリー選手権出場2戦に加えて、WRCではWRC2クラスに12戦でエントリーする(マシンはフォード・フィエスタR5)。出場しない2戦(メキシコとオーストラリア)でもトヨタ・ワークスに帯同し、レッキ(コース試走)やエンジニアミーティングに参加するなどのラリー修行を行うことになっており、実質的な“フル参戦”だ。かつてこれほどのスケールでWRCに参戦した日本人ドライバーは皆無で、トヨタの本気と勝田への期待を感じさせる。
今年のWRC2は例年よりドライバーの層が厚くなっており、勝田が好成績を残すのは容易ではなく、昨年は優勝した第2戦スウェーデンでも苦戦を強いられた。だが、これを乗り越えなければワークスドライバーへの道は拓けない。さらなる勝田の奮闘が期待される。
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