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見た目以上に中身が激変!──新旧ラングラーを乗り比べてみた

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見た目以上に中身が激変!──新旧ラングラーを乗り比べてみた

ジープブランドのアイコン的存在であるジープ・ラングラーが昨年、11年ぶりにフルモデルチェンジした。一見すると変わっていないように見える先代(JK型)と新型(JL型)を比較試乗してみた。

ジープはそもそも第2次大戦で使用された米軍の軍用車だった。メルセデスのGクラスやランドローバーのディフェンダー、トヨタのランクルもルーツは軍用車だ。そして、1987年に民生用ジープとして登場したのが初代ジープ・ラングラー(YJ型)だ。

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その後、1997年に2代目(TJ型)、2007年に3代目(JK型)と進化し、そして新型(JL型)はジープ・ラングラーとしては4代目となる。2灯式ヘッドライト、7スロットと呼ばれる7つの縦溝のフロントグリル、真四角なボディに大きく張り出したフェンダーと、外ヒンジのドアやルーフなどは脱着可能で、実はオープンモデルであるという特徴も歴代ずっと受け継がれている。

先代が日本でヒットしたきっかけは、4ドアモデル「アンリミテッド」が追加されたことだ。本格オフローダーとしては長いホイールベースは不利だが、SUV人気の高まりをうけ、国内販売のほとんどを4ドアのアンリミテッドが占めるようになった。そして新型では2ドアは日本では受注販売になった。かつてラインナップしていたGクラスのショートやディフェンダーも生産中止のいま、最後の2ドア本格オフローダーになるのかもしれない(いちおう日本にはジムニーがあるけれど)。

4ドアのアンリミテッドで新旧のボディサイズを比較してみると、新型は全長4870mm、全幅1895mm、全高1845mm、ホイールベースは3010mm(アンリミテッドスポーツ)。先代と比べると全長が165mm、全幅が15mm、ホイールベースが65mm、それぞれ拡大した。これらは後席の居住性やラゲッジルームの使い勝手の向上にあてられている。

新型のエクステリアは、かつてのジープCJシリーズへのオマージュとして、丸型ヘッドライトをスロットグリルにめり込ませたデザインを採用している。またフロントやリアランプがLEDになり、デイタイム・ランニングライトとウインカーがフロントフェンダーにビルトインされている点も特徴だ。さらにウインドスクリーンとフロントグリルの角度を調整することで、空力性能が改善されている。

インテリアは、フロントウインドウを間近に感じるように基本的なレイアウトは先代を踏襲したもので、機能や質感をアップデイトしている。インパネのセンターに配置された8.4インチタッチパネル式のモニターには今どきのコネクト機能が追加されており、アップルのカープレイやアンドロイドオートなどに対応する。リアバックアップカメラやブラインドスポットモニターなど、日常的に役に立つ安全装備も身につけた。

またステアリングにテレスコ機能が追加されチルト&テレスコピック式になった。先代より右ハンドル化によって大幅にオフセットしていたペダル類の配置も改善されている。新型でもまだ改善の余地はあると思うが、それでも先代に比べれば、より適切な運転姿勢がとれるようになった。

パワートレインは、先代では3.6リッターV6+5速ATのみの設定だったが、新型では従来同様の3.6リッターV6に加えて、2リッター4気筒ターボが用意された。トランスミッションは両者ともに8速ATを組み合わせる。

ラングラーもついに4気筒かと思われるかもしれないが、出力は3.6リッターが284ps/347Nmに対して、2リッターはターボ過給によって272ps/400Nmと最大トルク値はV6を上回っている。実際に試乗しても2リッターでももの足りなさは感じなかった。3.6リッターに比べて車重が約30kg軽いこともあって軽快に走る。街乗りをメインに使うなら2リッターという選択は大いにありだと思う。

一方で3.6リッターもアイドリングストップ機構や8ATを組みあわせたことで、先代より約23%もの燃費改善を図っている。ちなみに2リッターも3.6リッターもアメリカ車らしくともにレギュラーガソリン仕様なのは変わらない。

新型の最大のトピックは、ラダーフレームに前後リジットアクスルの伝統は受け継ぎながらも、マニュアルで切り替えるパートタイム4×4に加えて、オンデマンド式のフルタイム4WDシステム「セレクトラックフルタイム4×4システム」を初採用したことだ。

従来型では、一般路は駆動方式を選択するトランスファーレバーで「2H」を選択してFRの2輪駆動で走行し、いざというときは4Hもしくは4Lで4輪駆動を選ぶというものだった。しかし、新型では基本的に「4H AUTO」に入れたままでいい。路面や走行状況に応じて4輪に駆動配分してくれる。最小回転半径も先代の7.1mから6.2mへと大幅に縮小されており、日常でより気軽に乗れるようになった。

そして、新型の乗り味はいい意味で乗用車的になった。もちろんラダーフレームにリジッドアクセルなので今どきのモノコックのSUVとは違うけれど、先代と比べればステアリング操作にダイレクトに反応し、車体の揺れがおさえられ、かつ静かになった。これなら長距離ドライブも苦じゃない。

じゃあ先代は不快なのかといえば、そうでもない。本格オフローダーらしい路面からの衝撃をいなすようなステアリングフィールや多少ユサユサと揺れる乗り心地も古き良き味わいがあって悪くはないと思う。とくにオフロードを走りたい人ならなおさらだ。

新型は数々の装備がアップデイトされたこともあって2リッターのアンリミテッドに494万円、3.6リッターのサハラに530万円のプライスタグがついている。ちなみに先代のJK型は、今ならまだ2018年式の新古車がコミコミ400万円で探せる。さて、どちらを選ぶのかはあなた次第。

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