■大阪オートメッセらしいご当地カスタマイズカー
2019年2月9~11日までの間、インテックス大阪で開催されていた「大阪オートメッセ2019」。大阪オートメッセは、東京オートサロンと同じくカスタムカーの祭典ではありますが、会場スペースの関係もあり自動車メーカー系のブース出展は、東京オートサロンより小規模な印象を受けました。
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しかし、アフターパーツメーカーブースでは、とくに近畿地方で人気のあるスタイルをまとった”ご当地カスタム”を施したモデルを多数展示。
そんなご当地色あふれるカスタムカーの中から、厳選した3台をご紹介します。
●軽トラカスタム
大阪オートメッセで高い人気を誇っていたのが、軽トラをカスタマイズしたモデルです。
スズキ「キャリー」やダイハツ「ハイゼットトラック」をベースとしたカスタムモデルが多く展示されている印象で、その中でも「ハイゼットトラック」の方が新車販売台数が多い点やダイハツ本社が大阪府池田市にある事などから、ベース車両に多く採用されていました。
そんな軽トラのカスタマイズを手掛ける「ガレージイル」は、「ハイゼットトラック」をベースに、昭和×平成のクロスオーバースタイルというコンセプトで、丸目ヘッドライトを復活させたコンプリートカーを展示。
このモデルは、1981年に登場した6代目「ハイゼットトラック」が想起されるパーツを装着しており、とくに”まゆ毛”と呼ばれて親しまれた丸目ヘッドライトの上の長方形のウインカーが、当時の雰囲気を醸し出しています。
なお、価格は新車のコンプリートカーで115万円~。単品パーツでの販売も可能とのことでした。
●シビックカスタム
関東では首都高速をまるでルーレット玉のようにクルクルと回る、「ルーレット族」と呼ばれる走り屋がいます。
同様に、関西でも阪神高速道路1号環状線を暴走する「環状族」が存在するのですが、環状族のクルマのベース車両として有名なのが、ホンダ「シビック」です。
ホンダと言えば東京に本社があり、開発部隊も埼玉県や栃木県に配置されているため、関東のメーカーというイメージがありますが、生産の拠点として三重県鈴鹿市に鈴鹿製作所があったり、鈴鹿サーキットも運営しているので近畿地方でも身近なメーカーとなっています。
ちなみに、環状族の愛車に「シビック」が多い理由としては、鈴鹿サーキットで行われていた「シビック」のワンメイクレースが発端で、カスタムベースとして「シビック」が多く使われるようになったそうです。
そのため、この大阪JDMの「シビック」は、まさに大阪のご当地らしさを代表する1台と言えるでしょう。
■古き良き時代のカスタムが残っているのもご当地ならでは
●暴走族風カスタム
東京オートサロンでは、VIP系と呼ばれる高級セダンを威圧感あるスタイルに仕上げるカスタムや、暴走族風の派手なビジュアルに仕上げたカスタムカーの展示は以前より大幅に減りました。しかし大阪オートメッセでは、相変わらず高い人気を誇っているのです。
この2代目トヨタ「ソアラ」をカスタマイズしたモデルは、大きなフロントリップスポイラーやリアウイングなどが装着されており、昭和の暴走族を彷彿させる仕上がりとなっていました。
エコカーの「プリウス」や運転支援システムがじわじわと広がりつつある平成の時代に、このように懐かしいカスタムが残っている点も、ご当地らしさと言えるのではないでしょうか。
※ ※ ※
大阪オートメッセでは、見たことのない未来的な新しさより、昔のクルマや定番のカスタマイズをベースにした展示が主流となっています。
そして会場には子供連れのファミリーが多数来場し、親子で語り合いながら様々なカスタムカーを見て楽しんでいる姿が随所で見受けられました。“三つ子の魂百まで”ということわざもありますが、子供の頃に触れたカスタムカーに対するインパクトや憧れは、このようにご当地カスタマイズとして代々引き継がれているのかもしれません。
また、若者のクルマ離れが度々話題になる昨今ですが、クルマの維持費などが障壁となる都心部を除くと、地方では相変わらず多くの若者達が日常の足として、クルマを1人1台保有しているのが実態です。
しかし、クルマをカスタムするなど趣味として楽しむ人は年々少なくなっているのも事実。このようなイベントで子供の頃からカスタマイズの楽しさにより多く触れることが、クルマを楽しむ文化復活のキーとなるのではないでしょうか。
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