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業界ニュース 2019.2.28

第11回: ロメオとジュリエッタ

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アルファ“ロメオ”・“ジュリエッタ”! 古今東西の自動車史において、最も美しくロマンティックなネーミングと言えるかもしれない。その名前の起源が、かの文豪ウィリアム・シェイクスピアが1595年に書いた戯曲、今なお悲恋物語の代名詞として全世界に知られる名作「ロミオとジュリエット」に由来するものであることには、疑問の余地もないだろう。

一方、命名に至った直接の動機について、メーカー公式のコメントとしては語られていないのだが、イタリアを代表する自動車専門誌“QUATTRO RUOTE”が、かつて各ブランド別に編纂したムック本“PASSIONE AUTO”のアルファロメオ篇(2003年発行)に、実に興味深いエピソードを紹介していた。

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ジュリエッタの開発当時、アルファロメオ社は“イタリア政府産業復興公社(I.R.I.)”に属す事実上の国営企業であった。そしてその持ち株会社で、アルファロメオの実質的な親会社組織でもあった“フィンメカニカ”社の主任エンジニアにして、詩人としても知られていたレオナルド・シニスガッリの妻、デ・クーサンディエール夫人は、ある日たまさかパリのカフェで同席したアルファロメオ社の幹部社員たちに「貴方たちは8人の“ロメオ”なのに、“ジュリエッタ”はひとりもいないのね」という皮肉交じりのジョークを言い放ったという。そしてその秀逸なジョークに対して8人のアルファロメオ社員たちは笑いながらも、開発中の新型車のネーミングにピッタリ、と閃いたとされているのである。

ちなみに、ベルトーネ製の美しきクーペ“ジュリエッタ・スプリント”として初公開された1954年のトリノ・ショーでは、“ロメオ”と名付けられたトラック/バンも出品されていた事実は、今やほとんど知られていないことも記しておこう。

ところで、女性の何気ない言葉が自動車史に多大な影響を及ぼしてしまった事例は、アルファロメオ・ジュリエッタだけには留まらない。

第1次世界大戦前のこと。初めて自らの名を冠した“ブガッティT13”を成功させていたエットレ・ブガッティに対して、さるパーティで同席したイギリス貴族の奥方が「たしかにブガッティは素敵なスポーツカーだけど、例えばロールス・ロイスなどとはクラスが違うわね……」という、辛辣なコメントを述べたとされている。

無邪気ながらインパクト充分な言葉が、プライドの高さではとみに知られていたエットレ・ブガッティその人に向けて投げつけられたのが真実なのか否かについては、もはや確かめるすべもない。しかしエットレが第1次大戦終結の直後から、超豪華車の開発に着手したことも事実である。そしてその結果として生まれたのが、10000ccを遥かに超える直列8気筒エンジンを搭載した“T41ロワイヤル”。現在でもなお、自動車史上における世界最高級車として伝説となっているクルマなのである。

レディたちが軽い気持ちで放った言葉が、のちに残る名車のネーミングや、時には新車そのものの誕生にさえ影響を及ぼしてしまう。ジュリエッタの命名のヒントを提起した女性も、ブガッティを軽侮した女性も、さぞかし魅力的なレディだったに違いあるまい……。

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(GQ JAPAN 武田公実)

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