さまざまな効果を持つ、エンジンを冷やすための水
現在、市販されている新車のエンジンはすべて「水冷」だ。水冷とはその名の通り、水でエンジンを冷やす形式のことをいい、以前に存在した「空冷」は風によって冷やすタイプとなる。空冷が4輪では絶滅し、水冷のみになった理由としては燃焼効率にもつながるエンジンの温度管理を行いやすいこと。さらに騒音を減らせるなども理由だ。
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さて、冷却エンジンに使われているのは『LLC(ロングライフクーラント)』と呼ばれる専用の液体で、水路内部の防錆や腐食防止、凍結防止などの効果を持たせている。単にエンジンを冷やすだけならば、水のほうがいい(レースでは水を使用するケースが多い)。しかし、腐りやすく、錆びやすいなど長期間に渡って使用できないので、LLCが使われているのだ。
このエンジンを冷やすためのための冷却水、LLC。ご存知の方もいるかと思うが、その液体には色が付いていて、よく目にするのは赤と緑となり、トヨタは赤、日産は緑など、メーカーによって異なる。他の液体と間違えないように、また劣化がわかりやすいように色がつけられているワケだ。交換して別の色になっても問題ないし、最悪の場合は混ぜても問題ないが劣化の具合がわかりにくくなるのでオススメはできない。色が異なるだけで、その効果はまったく同じである。
また、輸入車には薄い黄色のタイプが使われていることが多い。これは成分が異なり、PG(ポリエチレングリコール)というものが主成分で、環境に優しく、より冷却効果が高いのが特徴だ。日本では”チューニング冷却水”で、よく冷えるなどを謳ったものがあるが、それらはPGを主成分としたもの。一般的なエチレングリコールよりも、いいこと尽くめのように思うが、価格が高いのがネックである。
最近ではさらに従来からの緑と赤に加えて、ピンクやブルーのクーラントが登場しているのをご存知だろうか。これらは今までのLLCとは異なるもので、スーパーLLCと呼ばれる新規格の冷却水。違いは耐久性がとても高いことで、初回交換が約16万kmもしくは7年後。その後は約8万km/4年毎というから、従来のLLCが車検毎に交換推奨だったのに対して、まさにスーパーロングライフなクーラントになっている。
エンジン内部の精度や素材の質が上がったのが長寿命化の大きな理由となるのが、いずれにしても交換は必要なのには変わりない。交換しないと内部が腐食したりして、詰まりが発生するなど、冷却効率が落ち、オーバーヒートの原因になったりする。また、自然に蒸発したり、ラジエーターやホースの破損によって量が減ることもあるので、日頃から定期的に点検するようにしよう。
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