例年、スピード取り締まり件数の大半を占めているのが、パトカーや白バイによる追尾、そして、定置式速度取り締まり、通称、「ネズミ捕り」だ。最近、何かと移動オービスに注目が集まってはいるものの、移動オービスだっていわゆるネズミ捕り用兵器の一種。その導入台数を考えれば、当分の間は、定番のレーダー式&光電管式が主流と言っても過言じゃない!
✴️ネズミ捕り(定置式速度取り締まり)
道路交通法に定められた「法定最高速度」を超えた制限速度アップが、法律違反とならない理由!【交通取締情報】
ネズミ捕りは、もはや言うまでもないが、いつでもどこでもできる取り締まりではない。交通量が多く、できればフラットな直線路、さらに、違反者に切符を切るためにクルマを引き入れるスペースが必要だから、自ずと実施場所は決まってくる。地元のドライバーなら、大体、察しはついているハズだ。
その弱点(?)を払拭したのが、路肩、あるいは歩道、そして電源がとれればどこでも取り締まりが出来る移動オービスなのだが、今のところは主に各都道府県警の交通機動隊に1台から多くても数台配備されているだけだから、取り締まり頻度という意味では明らかに従来のネズミ捕りの方が高い。レーダー(レーダー式測定器)や光電管(光電式測定器)も日々、進化していることを考えても、決して侮れないというのも事実。
改元やオリンピックを控え、交通取り締まりが日々、厳しくなっている今、移動オービスにばかり気を取られて、思わぬところであっさり、レーダーや光電管にやられる可能性は、これからますます高まるハズ。
では、レーダーと光電管、それぞれのキャラと対処法を、改めて検証してみよう!
✴️レーダー式 ステルス採用で、レーダー探知機の威力が半減!
レーダー式速度取り締まりでは、いわゆるドップラー効果を利用してクルマの速度を測定(往復の周波数の違いから速度を割り出す)しているが、単にレーダー波を投射すればいいいというわけではない。正確な速度を測るには、投射角を正確にセットする必要があるのだ。が、常に投射角が固定されているレーダー式オービスと違い、ネズミ捕りではその都度、セットするわけだから、場合によっては誤測定が起こる可能性がないわけじゃない。事実、過去に、レーダー式取り締まりにおいて誤測定疑惑が生じ、裁判が行われた例が数例あるほどだ。
基本的に10.525GHZの電波を使用しているので、その周波数帯を受信できるレーダー探知機があれば事前に察知できるが、電波を出しっ放しにしていた昔と違い、最近は警察官が速度違反と判断したクルマに1度だけ電波を当てるステルスタイプとなているだけに、キャッチした時には既に測定済みということになる。つまり、レーダー探知機が検挙探知機となってしまうというわけ。
それでも、前車に向けて投射された電波を拾える場合もあるので、無用の長物というわけではないが、やはり、単独走行を避けること、対向車や周りのクルマの挙動を見極めることなど、自分の意識レベルを高めることが、最良の対処法といえるだろう。
✴️空き地はなくても側道に違反車を引き入れられるこんな場所も危ない!
レーダー式に比べて、レーダー探知機が効かないという最強の戦闘力を誇っているのが光電管式だ。
測定方法は、2セットの送受光器と反射板を道路を挟んで3m間隔で平行に設置して、その間の通過時間から速度を測定している(距離÷時間)。オービスで使用されているループコイル式と原理は同じだ。
が、測定区間に傾斜が付いていたり、通過中のクルマが上下に揺れたり(ピッチング)すると、誤測定が起こる可能性がある。さらに、送受光器の間隔が3mよりも短いと、たちまち誤測定を起こすことになる。例えば、わずか3cm短かっただけでも、実速よりも1%高い速度が表示されてしまう。超過速度が青切符と赤切符の境目だったらと考えれば、その怖さはわかるハズ。こちらも過去に裁判例があり、タコメーターの記録が尊重され、ドライバーの勝訴となっている。
とにかく、レーダー探知機が効かないだけに、これといった対象法はないというのが正直なところ。光電管をパイロンで隠すのでそれが目印になるという説もあったが、堂々と露出させて取り締まっている例もあるので完全とは言えない。これもレーダー式同様、単独走行を避けること、周りのクルマの挙動に気を配ることが、ベストといえるかも知れない。
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