現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ミシュランに聞く! 日本には日本のスタッドレスは都市伝説?

ここから本文です

ミシュランに聞く! 日本には日本のスタッドレスは都市伝説?

掲載 更新
ミシュランに聞く! 日本には日本のスタッドレスは都市伝説?

■札幌のタクシーの7割以上が某国産スタッドレスってどう思います?

 まだ寒いですね! 愛のおクルマ伝道師、小沢コージです。実は先日行った雪道試乗会でラッキーにも仏タイヤメーカーのミシュラン関係者に遭遇したので、長年の素朴な疑問をぶつけてみました。それは日本の大手タイヤメーカーがうたう「日本の雪道には日本のスタッドレス!」は本当か? です。

スタッドレスとオールシーズン、冬に履くべきタイヤはどっち?

 確かに日本は特殊な雪国で、海沿いで湿気が多いため気温の割に降雪量が多いです。したがって摂氏0℃付近で作られるミラーバーン、要するに凍っては解け、解けては凍るを繰り返した上、走るタイヤで磨かれた鏡のような凍結路面が多いのです。特に交通量の多い北海道札幌は物凄い状況になってます。

 プロドライバーの中には「真冬のススキノ交差点が世界で最も過酷な凍結路だ。スタッドレスはここでテストするしかない」と言い切る人もいるほどです。

 結果、主に日本で開発された日本向けのスタッドレスが存在します。中でも有名なのはブリヂストンのブリザックシリーズで公式には堂々「雪道装着率NO.1」「北海道札幌市タクシー装着率73.1%」「1034台のうち756台がブリザックを履いていました」という挑戦的な文言が記されています。そこで今回はあえてミシュランに直撃します。

■90年代から日本で開発してます

小沢:実際、ミシュランさんとしてはどう思ってますか。前から某国産メーカーはこう言ってますよね。タクシー装着率7割以上とか。

ミシュラン:もちろんあのデータはウソではないとは思いますが、ウチも決して負けていませんので。

小沢:要するに都市伝説だと?

ミシュラン:だと思ってます。

小沢:でも日本の雪道、特に凍結路が特殊なのは事実ですよね?

ミシュラン:はい。解ける氷は日本が一番シビア。もう一つ日本はタイヤノイズにも厳しい。でも、ミシュランもこの2つは日本で研究してるんです。

小沢:え? フランスのシャモニーやスイス国境でテストしてるわけじゃないと。

ミシュラン:90年代から日本にR&Dセンターを置いています。なによりミシュランは82年に日本で初めてスタッドレスタイヤを発売してますから。最近は某国産メーカーさんもそういうことを書かれているようですが。

小沢:そんなに古くから日本向けを。

ミシュラン:しかもスタッドレスは日本、韓国、北米、中国のみの販売です。

小沢:なるほど。ミシュランのスタッドレスも日本開発であり、決して欧州の雪道ノウハウをそのまま日本に持ってきているわけではないと。

ミシュラン:それからウチに「松竹梅」戦略はありません。常にベストのものを供給してますし、ですからモデルサイクルが長いんです。本当にユーザー価値に合ってるかどうかを試してから発売しています。凍結路でのグリップはもちろんライフ、音も犠牲にしてません。

小沢:なるほど。それってブリヂストンが古いVRXと新しいVRX2を併売していることを暗に指摘してますか? 安くて性能が落ちる旧型と、高くて性能がいい新型を併売してると。

ミシュラン:ウチは特にスタッドレスの開発が始まって以来サイプ(細かいタイヤトレッド面の切れ目)技術は高くて、トレッドが減れば減るほどサイプのエッジの立ち方が鋭くなる構造を持っており、そもそもブロック剛性が高い。だから柔らかいゴムを使えるんです。

小沢:でも国産系は某発泡ゴムに代表されるように減っても柔らかさがあり、吸水性を失わないと言ってますね。

ミシュラン:ウチもX-ICE3+で「Mチップ」を入れた表面再生ゴムを投入しています。タイヤが減ると「Mチップ」が出てきてゴム表面の穴を再生するんです。

小沢:発泡ゴムに似てますね。

ミシュラン:違います。ゴム内部のMチップは空洞ではなくブロック剛性を保持するんです。

小沢:なるほど。ウチの方がよく出来てると。

※ ※ ※

 そんなわけで、ああ言えばこう言う方式でスタッドレスの良さを説いてくるミシュランスタッフ。どうやら自信は本物のようで18年夏から19年1月末まで「ミシュランスタッドレスタイヤ全額返金保証プログラム」を実施。要するに期間中、性能にご満足いただけなければ全額返金! ってヤツです。

 果たしてみなさんどう思いますか? 確かに何psとか何Nmのように性能を数字で示しにくいタイヤというシロモノ。それだけにイメージ&販売実績勝負になってるのも事実。実際、小沢も今回ミシュランで圧雪路は走りましたが、過酷な凍結路は試せておりませんので。

 なにより先日、とりあえずマイカー用に手軽でお安いブリヂストンのVRXを買ってしまいました。つくづくタイヤ選びって難しいですね。

関連タグ

こんな記事も読まれています

【ミサノE-Prix】最終ラップのドラマ、ヴェーレインが勝利!…フォーミュラE 第7戦
【ミサノE-Prix】最終ラップのドラマ、ヴェーレインが勝利!…フォーミュラE 第7戦
レスポンス
1億7400万円で「カウンタックLP400」が売出中! 高値の理由は「ペリスコピオ」に加え、20年も空調管理で保管されていたから
1億7400万円で「カウンタックLP400」が売出中! 高値の理由は「ペリスコピオ」に加え、20年も空調管理で保管されていたから
Auto Messe Web
マツダ MX-30 ロータリーEV【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
マツダ MX-30 ロータリーEV【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
【F1第4戦無線レビュー】ピット作業でライバルを逆転、順位を上げた角田裕毅「みんな、ありがとう!最高の仕事だ」
【F1第4戦無線レビュー】ピット作業でライバルを逆転、順位を上げた角田裕毅「みんな、ありがとう!最高の仕事だ」
AUTOSPORT web
航続距離は591km 生活に溶け込むメルセデス・ベンツの新型「EQA」販売開始!
航続距離は591km 生活に溶け込むメルセデス・ベンツの新型「EQA」販売開始!
AutoBild Japan
バッテリー変更で一充電走行距離591kmへ メルセデス・ベンツEQA 250+  外部給電器としても利用可能
バッテリー変更で一充電走行距離591kmへ メルセデス・ベンツEQA 250+  外部給電器としても利用可能
AUTOCAR JAPAN
進化のテーマは「人間中心」! トヨタが「カローラ」、「カローラ ツーリング」、「カローラ スポーツ」の新型モデルと特別仕様車を発売
進化のテーマは「人間中心」! トヨタが「カローラ」、「カローラ ツーリング」、「カローラ スポーツ」の新型モデルと特別仕様車を発売
バイクのニュース
トヨタが「“超凄い”ハチロク」実車公開! 6速MT搭載の“超静音”モデル! 斬新2シーター化も実施の「新型ハチロク」登場
トヨタが「“超凄い”ハチロク」実車公開! 6速MT搭載の“超静音”モデル! 斬新2シーター化も実施の「新型ハチロク」登場
くるまのニュース
【ミサノE-Prix】ダ・コスタ失格、ローランドが繰り上げ優勝…フォーミュラE 第6戦
【ミサノE-Prix】ダ・コスタ失格、ローランドが繰り上げ優勝…フォーミュラE 第6戦
レスポンス
元リトル・ミックスのジェシー・ネルソンが世界に1台だけのメルセデスAMG「G63」をオーダー! 強烈なマンダリンオレンジの内装がゴージャスすぎです
元リトル・ミックスのジェシー・ネルソンが世界に1台だけのメルセデスAMG「G63」をオーダー! 強烈なマンダリンオレンジの内装がゴージャスすぎです
Auto Messe Web
EVの充電、放電をより身近なものへ~ニチコンの「V2Hシステム」とは~
EVの充電、放電をより身近なものへ~ニチコンの「V2Hシステム」とは~
Webモーターマガジン
「ゴツい~!」 新ランクルじゃない「ランドスケープ」発売! 新型「RS LANDSCAPE」初公開! ゴツいCROWNの反響は? 車高UP&オシャ内装も設定
「ゴツい~!」 新ランクルじゃない「ランドスケープ」発売! 新型「RS LANDSCAPE」初公開! ゴツいCROWNの反響は? 車高UP&オシャ内装も設定
くるまのニュース
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「タイの次世代自動車市場:Bangkok International Motor Show 2024取材レポート」
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「タイの次世代自動車市場:Bangkok International Motor Show 2024取材レポート」
レスポンス
【KTM】今年も RC 390ユーザーの全日本ロードレース選手権 JP250クラス参戦をサニーモトプランニングがサポート
【KTM】今年も RC 390ユーザーの全日本ロードレース選手権 JP250クラス参戦をサニーモトプランニングがサポート
バイクブロス
VASTLAND の「TC ポップアップシールド」に新色ブラックが登場!
VASTLAND の「TC ポップアップシールド」に新色ブラックが登場!
バイクブロス
謎の「首都高8号線」まもなく消滅!? そもそもどこ?「地図に無い謎の路線」なぜ生まれたのか あと10年ほどで廃止の理由は
謎の「首都高8号線」まもなく消滅!? そもそもどこ?「地図に無い謎の路線」なぜ生まれたのか あと10年ほどで廃止の理由は
くるまのニュース
日産、建設中のEV車用全固体電池パイロット生産ラインを公開 横浜工場に敷設
日産、建設中のEV車用全固体電池パイロット生産ラインを公開 横浜工場に敷設
月刊自家用車WEB
買って損なし! 現行フォレスターは登場から5年も年々熟成!! 他メーカーとは違う販売戦略って?
買って損なし! 現行フォレスターは登場から5年も年々熟成!! 他メーカーとは違う販売戦略って?
ベストカーWeb

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

100.8165.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1132.0万円

中古車を検索
ライフの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

100.8165.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1132.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村