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業界ニュース 2019.2.14

KTMのフラッグシップに試乗! オーストリアが生んだ最強ウェポンの実力

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KTMは常に「個性の塊」というべきモデルをつくり出しているメーカーだ。もともとオートバイは趣味性の高い乗りものではあるけれど、KTMのバイクはとりわけキャラクターが濃い。その理由はメーカー自らが謳う「READY TO RACE」というキャッチコピーが端的に表している。KTMが自分たちの原点に置いているのは「レースでの活躍や勝利」であり、そのコンペティティブな精神が各モデルにしっかりと注がれているのだ。

じっさいKTMは1970年代からモトクロスの世界選手権で何度も優勝し、2000年代にはいってからはダカール・ラリーの二輪部門で18連勝を遂げるなど、主にオフロードのレースシーンで活躍してきた。さらに近年はオンロードレースにおいても“二輪のF1”と言うべきMoto GPに参戦するなど、現在はオン/オフ両方のレースカテゴリーにおいて世界のトップクラスで戦っている。
 
そんな二輪界いちの「負けず嫌い」なメーカー、KTMのフラッグシップモデルが1290スーパーデュークとスーパーアドベンチャーだ。どちらもKTMのラインナップ中最大排気量の1301ccVツイン「LC8」エンジンを積み、スーパーデュークはオンロードスポーツ、スーパーアドベンチャーはオン/オフ両刀のデュアルパーパスモデル。ポルシェでいうなら911とカイエンのような関係といえばいいだろうか。
 
2台に共通しているのは、機能をそのままデザインに落とし込んだような、質実剛健なスタイリングだ。フラッグシップモデルとはいえ、あえて豪華に見せようとしたり、高級感を演出しようというところがない。いい意味で“道具”に徹したソリッドなデザインから、そこはかとない凄みが滲み出している。

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とくにスーパーデュークRの造形は刺激的だ。触れたら切れそうなほど薄く、シャープな形状のLEDヘッドライト、トラス状に組み上げたパイプフレーム、かち上げられたエクゾーストパイプに片持ちのスイングアーム。乗る前から身構えてしまうほどアグレッシブな印象だが、いざ跨って走り出すと「あれ?」と思わされる。

見た目の獰猛さに反して走りは軽やかで、思ったよりずっと扱いやすいのだ。195kgの車体重量に対して1301ccVツインのエンジンは最高出力177psという強力なパワーを発揮する。だが電子制御スロットルによって巧みに躾けられているおかげで、優しく扱えば優しく、激しく扱えば激しく、ライダーの意を汲んでそのパワーを供給してくれるのだ。またスポーツ/ストリート/レインを選び出力特性を切り替えられるライディングモードやトラクションコントロールなどの電子デバイスも備わり、街乗りやツーリングのレベルではそれらが出しゃばることなくサポートしてくれる。ライダーはマシンを意のままに操るような感覚を楽しみながら、気持ちよく走ることができる。

もしフルアジャスタブルのWP製サスペンション、ブレンボ製の強力なブレーキなど、その「READY TO RACE」な性能を思い切り開放して試したいならば、クローズドコースに持ち込むのが賢明だろう。とはいえストリートでもその片鱗を感じることはできるし、適度な刺激を味わいながらライディングを楽しめる。スーパーデュークRはその振り切れた見た目からは想像できないほど柔軟なスポーツネイキッド・バイクなのだ。

もう1台のスーパーアドベンチャーSは、その名のとおりあらゆる道を走破すべく、ロングストロークのサスペンションにフロント19インチのホイールを組み合わせた大きな車体に圧倒される。21インチのスポークホイールを履きオフロード走破性を重視した「アドベンチャーR」もあるが、この「S」はオンロードをメインにオフにも対応するロングツアラー的性格が与えられたモデルだ。

シートハイトも860/875mmとかなり高いが、スリムなVツインエンジンのおかげで跨った際の足つきは思ったほど悪くはない。重量も215kgとこのクラスのアドベンチャーモデルとしては軽量だ。とはいえ、もちろん誰もが容易に乗れるサイズではないのも確か。ちなみに身長173cmの僕は両方のつま先が着いたが、170cm以下のライダーだと扱いには少し苦労するかもしれない。

エンジンはスーパーデュークRと同じ1301ccのVツイン。だがチューニングは低、中回転域でのトルク重視に振られ、そのぶん最高出力は17ps低い160psに抑えられている。排気音もビッグツインらしい荒々しさを感じさせるスーパーデュークRに較べると、少々穏やかでマイルドな印象だ。

今回の2台はともに通信式のキー、つまり鍵穴のないキーレスのイグニッションを採用している。インストゥルメントパネルはカラーのTFT液晶で、Bluetoothの機器を接続できるコネクティビティやオートクルーズ備えるなど、現代の二輪車としては最も進んだハイテク装備を持つ1台と言える。四輪車の背中を追いかけ、次第に二輪車もデジタル化が進んでいるのだ。

大柄なスーパーアドベンチャーだが、いざ跨って走り出せばその大きさはほとんど意識せずにすむ。感心するのはオンロードスポーツばりの俊敏な走りだ。19インチのフロントホイールは絶大な安定感をもたらすいっぽうで、カーブでの身のこなしはとても軽やか。意識して「えい!」と車体を倒しこまなくても、視線を向けた方向へと自然に曲がっていってくれるようなニュートラルなハンドリングだ。

さらに走っていて心地よさを感じるのはシフトフィールの滑らかさ。試乗車にはオプションのオートシフターが装備されていたが、これは左手でクラッチ操作をしなくてもシフトのアップ/ダウンができる機構で、慣れれば発進/停止時以外はまったくクラッチを使わずに走ることもできる。ちなみにデュークRにもオートシフターが装備されているが、アドベンチャーのほうがさらにタッチが柔らかくスムーズな印象だった。このオートシフターはスポーツライディングを楽しむときの素早いシフト操作にはもちろんだが、ツーリングなどで疲れを軽減する意味でも有効だ。
 
オーストリアのモーターサイクルメーカーであるKTMは、かつて日本では一部のオフロードレース好きが知るニッチなブランドというイメージだった。だが今やヨーロッパではBMWをも凌ぐ販売台数を誇る大メーカーだ。レースで培った機能性の高さに品質が追い付き、そして何ものにも似ていない個性的でアグレッシブなデザインがユーザーに受け入れられたのだ。加えて性能に対するコストパフォーマンスの高さもKTMの強みと言える。スーパーデュークR、スーパーアドベンチャーSともに、モーターサイクルライフを楽しむための最良の“道具”として勧められる1台であることは間違いない。

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(GQ JAPAN 河西啓介)

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