最近のアメ車は欧州車のような黒い内装色が増えていた
シカゴショーの会場内にある各メーカーブースをまわっていて気がついたのが、展示車に明るい色調の内装色を使ったものが多いことである。とくにアメリカンブランド車ではその傾向をより強く受けた。
かつてアメリカンブランド車の内装色の定番といえば、“ベージュ”であった。欧州車の内装色の定番が黒に対してじつに対照的なものであった。アメリカでは自宅の居間の延長として車内を捉えるユーザーが多いのでベージュの内装色が好まれるという説もあるが、はっきりとした理由は残念ながら把握していない。
さらに “深紅”ともいえる真っ赤な内装色がかつてのアメリカンブランド車には多くあり、GM(ゼネラルモーターズ)や、フォード、旧クライスラー車などでよく見ることができた。トヨタでもバブル経済のころに、スーパーホワイトIIの外板色のカローラセダンなどに真っ赤な内装色が採用されていた。
シカゴショーでは明るい内装色がいまだ多く見られた
筆者が20代のころ、南カリフォルニアでたまたま格安でキャデラックが借りられるとのことで、7代目のFFとなってしまったが、グレーのドゥビルを借りた。そのクルマの内装色が深紅だったのをよく覚えている。20代でボロボロのTシャツにジーンズという出で立ちで友人とロサンゼルスのフリーウェイを走っていると、自動車窃盗団と勘違いされたのか周囲からジロジロ見られた。明らかに身の丈にあっていないチョイスだったようだ。
話を戻すと、東西沿岸部でのいまどきのオートショーでは、ベージュや深紅の内装色をおよそ見かけることはなく、欧州車を意識したのか黒が圧倒的に多い印象を受けた。それは近年ではメルセデスベンツやBMWなどをライバル視するキャデラックでも同様の傾向だった。
しかしシカゴショーではキャデラックでも、エスカレードはまだしも、XT5でもベージュ内装色の展示車があり、最新SUVのXT4でもシートやダッシュボードの一部がベージュになっていた。さらにフラッグシップセダンのCT6にいたっては、ドアトリムやダッシュボード、センターコンソールの一部ではあるが、深紅を使っていた。
ほかのブランドでもベージュもしくは、それに近い明るい色調の内装色の展示車が目立っていた。沿岸部に比べればカーライフも保守的傾向が目立つ中西部。まだまだ明るい色調や深紅の内装色が喜ばれるのかと、アメリカ車が大好きな筆者はホッと胸をなでおろすとともに、やはりアメリカという国は広大な国土もあるが、ひとくくりにはできないなあと改めて感じた。
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