現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【似て非なる姉妹車】差額100万円以上!! ロードスター対アバルト 何が違って何が同じ!?

ここから本文です

【似て非なる姉妹車】差額100万円以上!! ロードスター対アバルト 何が違って何が同じ!?

掲載 更新
【似て非なる姉妹車】差額100万円以上!! ロードスター対アバルト 何が違って何が同じ!?

 古くはマークII、チェイサー、クレスタが“マークII 3兄弟”と呼ばれたように、さまざまな部分を共用する兄弟車・姉妹車は今も昔も多い。直近ではトヨタのスープラとBMWのZ4のような例もトピックで、異なるメーカーながら基本部分を共用する姉妹車も出てきた。

 メーカーが異なる姉妹車といえば、マツダ ロードスターとアバルト 124スパイダーもそのひとつ。この2台の市販車と競技車を乗り尽くしてきたレーシングドライバーの山野哲也氏が、両車の似ている部分と異なる部分を解説する。

お宝発見!!! ル・マンに挑戦したマツダRX-7 254復活への道

語り:山野哲也


写真:編集部


ベストカー 2019年2月10日号

似ているのは「懐の深さ」

 ロードスターとアバルト124スパイダーは、日本とイタリアのミックス車であることが、まず凄いんです。

 トヨタのスープラとBMW Z4にしても、86とBRZにしても中身は同じ。それが普通ですが、この両車はエンジン、ターボを含むその補器類、クラッチなどは別のものを使っています。それをマツダの工場の同じラインで流して生産できているのが凄い。相当苦労して合わせているはずですよ。

 ドア、前後フェンダー、ボンネット、トランクリッドなど外板パーツもすべて別。124スパイダーは1970年代の124スパイダーの雰囲気を出すために、わざわざフレームを溶接してフロントのオーバーハングを伸ばしているし、サスペンションもスプリング、ダンパー、スタビライザーなどが全部異なります。だからあんなに違った印象になるんです。

 では、両車の走りはどうかというと、似ているのは懐の深さ。ロールやピッチングの量は違うんですが、タイヤと路面の接地性能はどちらも高くて、FRの後輪駆動車と思えないほどトラクション性能がよく、大きな舵角になってもフロントがしっかり食いついていてアンダーステアになりにくい。そこはよく似ていますね。

明確に違う足回りの味付け

 でも、サスペンションのセッティングは明確に異なっていて、ひと言でいうと、ロードスターはロールさせて走り、124スパイダーはロールさせないで走るクルマ。

 124スパイダーはカートのような走りを得意としていて、ハンドリングは「レスポンスの124、粘りのロードスター」という感じです。

 124スパイダーのほうがオーバーハングが長いので、俊敏性では劣るように思うかもしれません。確かに慣性は残りやすいんですが、その半面、タイヤに荷重が載りやすく、タイヤを潰しやすいのでコーナリング初期のグリップ力を出しやすいんです。

 一方のロードスターはタイヤのグリップ力が出るタイミングは124より少し遅いけど、曲がり始めてからの粘りがある。その違いです。

 ロードスターは軽いぶんタイヤに荷重が載りにくいからロールをさせて、124はロールが大きいとタイヤに荷重がかかりすぎるので足を固める。それぞれに理由とよさがあるセッティングなんです。

 ただし、サスペンションのジオメトリーは同じで接地性は変わらない。だから懐の深さは共通しているんです。

エンジン含め両車は「まったく別のクルマ」

 エンジンはNA(ロードスター)とターボ(124スパイダー)ですから使う回転域がまったく異なります。ロードスターは高回転まで回して走り、124スパイダーは回転を抑え、ターボの効きがいいといころを探して走る。

 ジムカーナの同じコースを走っても、ほとんどのところで124スパイダーはロードスターよりも1速高いギアで走れます。シフト操作が忙しくないのはドライバーとしてはありがたいですね。

 ただ、ロードスターのエンジンも高回転の伸びがよく、回す楽しさや気持ちよさがあるのでどちらがいいとは言えません。NAエンジンとターボエンジンの特徴がそれぞれしっかり出ているということですね。

 ロードスターと124スパイダーは、ベースは同じだけど、見事にキャラクターを作り分けています。2台を乗り比べると、まったく別のクルマだと感じますよ。

 だからこそ、両車ともに大きな価値があるのだと思いますね。

■マツダ ロードスター S スペシャルパッケージ(6MT)

全長×全幅×全高:3915×1735×1235mm


ホイールベース:2310mm


車重:1010kg


エンジン:直列4気筒DOHC、1496cc


最高出力:132ps/7000rpm


最大トルク:15.5kgm/4500rpm


価格:275万9400円

■アバルト 124スパイダー(6MT)

全長×全幅×全高:4060×1740×1240mm


ホイールベース:2310mm


車重:1130kg


エンジン:直列4気筒DOHCターボ、1368cc


最高出力:170ps/5500rpm


最大トルク:25.5kgm/2500rpm


価格:398万6000円

こんな記事も読まれています

ブリッツのストラットタワーバーにGR86 / BRZ(ZN8/ZD8)のフロント&リア用、『アクア』フロント用が追加
ブリッツのストラットタワーバーにGR86 / BRZ(ZN8/ZD8)のフロント&リア用、『アクア』フロント用が追加
レスポンス
日産新「4人乗り高級ミニバン」4月発売! “VIP”向けの豪華仕様は何がスゴい? 最上級837万円、特徴は?
日産新「4人乗り高級ミニバン」4月発売! “VIP”向けの豪華仕様は何がスゴい? 最上級837万円、特徴は?
くるまのニュース
【MotoGP】「今のMotoGPはTV越しに簡単に見られすぎている」オリベイラ、伝え方に工夫の余地ありと感じる
【MotoGP】「今のMotoGPはTV越しに簡単に見られすぎている」オリベイラ、伝え方に工夫の余地ありと感じる
motorsport.com 日本版
「F-CON V Pro+」の開発をHKSがスタート! 第1弾は先代トヨタ「86」とスバル「BRZ」から。直噴インジェクター制御にも対応
「F-CON V Pro+」の開発をHKSがスタート! 第1弾は先代トヨタ「86」とスバル「BRZ」から。直噴インジェクター制御にも対応
Auto Messe Web
マツダ ルーチェ・ロータリークーペ(昭和44/1969年10月発売・RX87型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト055】
マツダ ルーチェ・ロータリークーペ(昭和44/1969年10月発売・RX87型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト055】
Webモーターマガジン
綿貫舞空、EWCル・マンで3位表彰台。中古タイヤの経験を活かし「レースは勝負になると思っていた」
綿貫舞空、EWCル・マンで3位表彰台。中古タイヤの経験を活かし「レースは勝負になると思っていた」
AUTOSPORT web
哀川翔のラリーチームが5年ぶりにアジアクロスカントリーラリー参戦へ。ドライバーは川畑真人
哀川翔のラリーチームが5年ぶりにアジアクロスカントリーラリー参戦へ。ドライバーは川畑真人
AUTOSPORT web
ボルボっていうよりも……なぜかホンダ感漂うハッチバック「ボルボ480」ってナニモノ?
ボルボっていうよりも……なぜかホンダ感漂うハッチバック「ボルボ480」ってナニモノ?
WEB CARTOP
海外から注目浴びるも、参戦するのはプルシェールのみ。スーパーフォーミュラで外国人が増えるには何が必要?|英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記
海外から注目浴びるも、参戦するのはプルシェールのみ。スーパーフォーミュラで外国人が増えるには何が必要?|英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記
motorsport.com 日本版
ドアを開けたら壁とゴツン……の悲劇! クルマのドアエッジを守る手段をアレコレ試してみた
ドアを開けたら壁とゴツン……の悲劇! クルマのドアエッジを守る手段をアレコレ試してみた
WEB CARTOP
ヴァレオの組織再編で電動化への対応強化と北京モーターショー2024で最新技術と製品を展示
ヴァレオの組織再編で電動化への対応強化と北京モーターショー2024で最新技術と製品を展示
Auto Prove
アルピナ『B3』が2度目のフェイスリフトへ! リムジン&ツーリングをWスクープ
アルピナ『B3』が2度目のフェイスリフトへ! リムジン&ツーリングをWスクープ
レスポンス
ホンダの「コスパ最強SUV」やっぱり爆売れ! “209万円”の新型「WR-V」が凄かった! 人気「グレード」や「ボディ色」は? どんな人が買ってるの?
ホンダの「コスパ最強SUV」やっぱり爆売れ! “209万円”の新型「WR-V」が凄かった! 人気「グレード」や「ボディ色」は? どんな人が買ってるの?
くるまのニュース
眉村ちあきが悪党専門のボディガードに!? 悪党たちの探り合い『ハードボイルド・レシピ』
眉村ちあきが悪党専門のボディガードに!? 悪党たちの探り合い『ハードボイルド・レシピ』
バイクのニュース
「後ろから当てられたように感じた」と接触でペナルティのバキシビエール。アルピーヌ、初イモラに苦戦
「後ろから当てられたように感じた」と接触でペナルティのバキシビエール。アルピーヌ、初イモラに苦戦
AUTOSPORT web
ついに表彰台逃したフェラーリ。チーム代表は中国GPで「ミスが多すぎた」と自省
ついに表彰台逃したフェラーリ。チーム代表は中国GPで「ミスが多すぎた」と自省
motorsport.com 日本版
スズキが「斬新軽トラ」を実車展示! めちゃ画期的な“荷台”を搭載! 「新型エブリイ」も登場 トラックショーに出展
スズキが「斬新軽トラ」を実車展示! めちゃ画期的な“荷台”を搭載! 「新型エブリイ」も登場 トラックショーに出展
くるまのニュース
日本自動車部品工業会、次期会長にニッパツ会長の茅本隆司氏
日本自動車部品工業会、次期会長にニッパツ会長の茅本隆司氏
日刊自動車新聞

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

289.9368.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

22.0528.0万円

中古車を検索
ロードスターの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

289.9368.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

22.0528.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村