今や絶大な人気の名車も当時はフツーのクルマだった
新車のときはフツーというか興味もなかったし、実際、販売も今ひとつだったけど、中古車になると意外にいいんじゃない? と再評価されるクルマはある。まぁ、クルマ以外もあるし、友達や異性でも別れてから、よかったよなぁ、なんて噛み締めるのと同じだ。中古車になってじわじわと味わいが染み出てきたクルマを紹介しよう。
【月販数十台のクルマも】売れない車種を販売し続ける理由とは?
1)日産スカイラインGT-R(R33)
R32の衝撃のあとに出たのが、もちろんR33のGT-Rだ。内容的には踏襲していて大きく変わるところはなかったものの、問題はボディとそのデザインだった。要は大きくボッテリとしていて、R32のイメージとは真逆。クルマ好きみんながっくりしたし、販売も芳しくなかった。
それが今乗ってみると、鈍重な感じだったのが、どっしり感に変わって、なんとも大人な味わいたっぷり。もちろんポテンシャルは高くて、大人のGT-Rという言葉がピッタリだ。
2)マツダRX-8
RX-7の後継車かと思いきや、どうもそうではないようだし、乗ると違う感じ。ターボもなく、中途半端感満載で不人気に。R33と同じだが、この中途半端感が逆にじわじわくるところ。RX-7のようにクルマのほうから要求が少ないというか、ゆったりと余裕をもって楽しめるのが今となってはいい感じ。
3)トヨタ・カローラレビン/スプリンタートレノ(AE86)
これぞ史上最高のスルメグルマだろう。新車当時はカローラのスポーツモデルぐらいの感じだし、性能だって普通。リヤサスはリジッド式で左右独立していないタイプ。不人気車とまではいかなかったけど、下級のAE85は普通に実用ハッチとして使っている人も多かったし、ハチロクにしても先輩から数万円で譲ってもらうようなクルマだったのが、ご存じのように今では大人気に。
現代のカーライフにぴったりなクルマも
4)日産ラシーン
どこでもラシーン! とドラえもんがCMで叫んでもあまり売れなかったラシーン。デザインはとてもよかったが、いかんせん走りがそこそこだったし、当時としてはクルマのキャラが曖昧で薄かった。今見ると、そこが個性的で唯一無二。性能も許せる感じだ。中古車の人気もそこそこあるものの、タマ数が少ないのが難点。
5)スズキ・ツイン
軽を通り越して、マイクロミニと言っていいスズキのツイン。もちろん2シーターで、ラゲッジも極小だったりして、話題になった割にはさっぱり売れなかったが、今乗ると足グルマとして最適。ごてごて感がなくて、シンプルに使いこなせるのがいい。ちなみにハイブリッドは300台しか売れないので、スルメグルマかは不明。
【番外編・売れたけどするめグルマ】
ホンダ・ステップワゴン
5ナンバーの箱形ミニバンの元祖ながら、新しくなればなるほどコンセプトがぶれつつ、迷走している感じ。逆を言えば、代をさかのぼるほど、コンセプトが明確でシンプル。シートアレンジもフルフラット度合いが増して、実用性の高い、使えるミニバンってこれだよなとシミジミ。
トヨタ・プリウス(初代)
ヒットはしたけど、台数的にはそれほどだった初代プリウス。今の目からするとシステムの完成度も低くて直接的な魅力には乏しいけど、乗ってみるとクルマとしての出来はけっこういいし、今のプリウスやエコ車にある押し付けがましさがなくて、じんわりと向き合えるキャラクターに溢れていて妙に落ち着く。
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