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業界ニュース 2019.2.3

スマート ロードスターを普段使いする!

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「人間、しょせんは起きて半畳、寝て一畳さ」との感慨というか境地に至り、それまでの虚飾に満ちた生活スタイルの整理に入りはじめた人もいるかもしれない。

あるいはそこまで大げさな話ではなく、「普段乗ってるクルマのほかに、自転車みたいに気楽に使える、それでいて楽しいやつが1台欲しいね」なんて考えている人もいらっしゃろう。

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そんな場合に最適な、1台の伝説的絶版名車がある。スマート ロードスターだ。

「伝説的絶版名車」といってもその新車時価格は比較的手頃で、現在の中古車相場はよりいっそうお手頃である。それゆえ、どうか気を楽に読み進めていただきたい。

スマート ロードスターは、日本では2003年9月に発売となった2座式の超小型ロードスター。軽自動車サイズにも見えるが(実際、その全長は軽自動車規格とほぼ同じだ)、横幅はさすがに軽自動車より13cm以上広い。エンジンは排気量0.7リッターの直列3気筒ターボである。

これは例の「スマートプロジェクト」から派生したスポーツモデルだ。腕時計でおなじみのスウォッチ社が「2人乗りのマイクロカーを作りたい」と思いたち、1994年にダイムラー・ベンツ(当時)と合弁会社を設立。そして2人乗りの「フォーツー クーペ」や4人乗りの「フォーフォー」などを世に出した。

その後は紆余曲折があってスウォッチはこのプロジェクトから離脱。現在のスマートはダイムラーAGの完全子会社として、フランスのルノー社と共同開発したモデルを製造販売し、それなりの人気を博している。

そういったスマート計画の初期段階である2002年に誕生し(※日本上陸は前述のとおり2003年)、そして2005年に儚くも製造打ち切りとなってしまったのが、今回の推しメンであるスマートロードスターだ。

このクルマの乗り味はゴーカートに近い。3気筒ターボエンジンの最高出力は82psに過ぎないが、なにせ車重830kgと鬼のように軽量で、ドライバーの着座位置が地面にきわめて近いため、まあ速いのなんのというか、「速く感じるのなんの」というニュアンスなのだ。

そしてエンジンをクルマの前方ではなく後部に搭載し、後輪を駆動させるレイアウトを採用しているせいだろうか、その回頭フィールはリアルスポーツカーのそれに実は近い。こんなとぼけた顔をしているというのに。

山坂道の登りにおいてはさすがにエンジンパワーの差が出てしまうが、下りのコーナーではおそらく、下手っぴが運転する高額スポーツカーより速く曲がれることだろう。

トランスミッションは「ソフタッチ」という6速のセミAT。最新世代のオートマチックトランスミッションと比べると笑ってしまうほどおマヌケだが、そこも、決して強がりではなく「逆に面白い!」と言えるポイントだ。若干クセのある機械を、自分なりにコツをつかんで上手に操作できるようになるプロセスというのは、心と時間の余裕さえあればなかなか楽しいものだからである。

このようにステキきわまりないスマート ロードスターというクルマがなぜ、たったの約3年で絶版になってしまったかといえば、それは「お家の事情」だ。

「画期的かつ魅力的なシティコミューターを作る!」という高邁な理念のもと始まったスウォッチとダイムラーとのプロジェクトだが、現実は厳しく、合弁会社は10年以上にわたり赤字を垂れ流した。

その結果、スウォッチ社はプロジェクトから撤退。そして残ったダイムラーはプロジェクトの建て直しと合理化に着手したのだ。経営の合理化を図るのであれば、基本的には「穀潰しの道楽息子」でしかない超小型の2人乗りオープンカーなど、とっとと製造および開発を打ち切るのが定石。

つまり「クルマとしていまいちだったからソッコーで廃番になった」というわけではないのだ。

スマート ロードスターは明らかに数が売れる類のクルマではなく、何をどうやっても赤字になるタイプのビジネスだとは思われる。だがもしもスマートプロジェクト自体が堅調であったならば、この道楽息子もその存在を許され続けたはずなのだ。

そんなスマート ロードスターを今、普段使いするとしたら……もちろん人ぞれぞれの生活スタイルに応じて最適解は変わるはずだが、筆者であれば「通勤と買い物」に使うだろう。

まぁ筆者の場合は自宅を仕事場としているフリーランサーであるため「通勤」というのは正確でないが、要するに仕事のための移動に使うのだ。そして大きな何かを買う場合ではない、一人での買い物の際にも、このゴキゲンな、きわめて小ぶりなロードスターを使うのだ。

特に飛ばす必要はない。や、たまには少々飛ばすかもしれないが、基本的には常識的な速度レンジ内で、関連法規を遵守しながら、そして屋根を開け放って、走る。

たったそれだけのことで、普段であれば特にさしたる感慨もない「通勤」や「ちょっとした買い物」にかかわる時間が、自分にとって「きわめてゴキゲンな時間」に変わるのだから、これほど素晴らしいことはない。

ついでに言えばスマートロードスターは燃費も良く経済的で(カタログ値でリッター18.4km。実燃費も峠道以外ではそのぐらいの数字をマークする)、そしてまったくかさばらないサイズであるため、日常的な混雑っぷりがきわめて鬱陶しい都市部においても、取り回しにかかわるストレスが極度に少ない。

で、製造中止から14年が経つクルマゆえ、さすがにメンテナンスフリーとはいかないが、そう頻繁に故障するクルマというわけでもない。

そんなステキなロードスターの相場は今、たったの100万円前後といったところ。……繰り返しになるが、これほど素晴らしいことはないではないか。

唯一の難点は、中古車の流通量がきわめて少ないことだ。もともとの数が少なく、そして手放す愛好家の数も少ないため、なかなか市場に出てこないのだ。

それゆえもしもナイスな出物があった場合は、買う買わないにかかわらず「とりあえずすぐ見に行く」というスタイルを推奨したい。ディープな愛好家が多い車種だけに「完全な絶滅」はしないはずだが、「商品流通としての絶滅」をしてしまう可能性はあるからだ。

ご興味がある方に対してはご検討を勧め、そしてご健闘をお祈りする。

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(GQ JAPAN 伊達軍曹)

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